統合失調症と代替療法 | kyupinの日記 気が向けば更新

統合失調症と代替療法

僕はバッチフラワー、エゾウコギなどの代替療法を西洋的な医療と併用することがあるが、原則として統合失調症の患者さんはしないことにしている。これには理由がある。まず、統合失調症の薬物療法は今では種類も豊富にあるし、その効果についても既に確立されたものになっているということがある。 

また、もう1つインフォームドコンセントの問題がある。統合失調症の患者さんは、病識が乏しいこともあり、病状と治療の因果関係が理解しにくい。僕はむしろ、統合失調症の患者さんは良くわかってないわりに服薬してくれている方だと思う。これは面白いところで、もし厳密なインフォームドコンセント、つまり病名の告知や薬の副作用の詳細を明らかにしていれば、むしろ今よりもコンプライアンスが落ちるのではないかと思えるほどである。

ある患者さんが明らかに幻聴があって、代替療法を併用したとしよう。その治療が不調に終わった場合、あの変な精神科医が妙なことをしたばかりに良く治らなかったと思われかねない。特に患者さんの家族に。

確率的にプラスになりそうに見えても、そういう決断がしにくいのである。ただ、統合失調症でもピュアなものではないとか、統合失調症でも家族の医師への信頼感が厚い場合はこの限りではない。

よく考えてみると、統合失調症は西洋薬以上に効果的な治療はあまり知られていない。しかしメインの治療ではなく、補助的に代替療法を利用することで抗精神病薬が減量できたり、その結果副作用が減じられることは可能なのである。

つまり、統合失調症の患者さんへの代替療法は、クオリティ・オブ・ライフにかかわっているように思える。

参考
双極2型の激鬱とECT