プリンペランとドグマチール | kyupinの日記 気が向けば更新

プリンペランとドグマチール

ずっと前だが、2chのどこかの板で質問されたことがあった。(2000年頃)

ある女性が不穏状態になったとき、吐き気も酷かったのでプリンペランを注射してもらったら、今までの不穏状態がぴったりとおさまったのだと言う。

プリンペランはドグマチールと非常に似た薬物なので、この薬物の抗精神病作用が、この場合は効果的だったのかもしれない、くらいの返答をした記憶がある。

ドグマチールは、ベンザミド系の抗精神病薬で、同じカテゴリーに属す他の抗精神病薬には、バルネチール、エミレースがある。これらは、同じカテゴリーに属すとは言え、特性の点であまり似ていないと思う。ドグマチールの原型は、制吐作用の強いプリンペラン(メトクロプラミド)なのである。実際に、プリンペランの添付文書をみると、重要な基本的注意として、錐体外路症状が出現しうることが書かれているし、副作用の欄で悪性症候群と、遅発性ジスキネジアなどが挙げられている。いかにも抗精神病薬のような感じなのである。

このメトプロプラミドは中枢のドーパミン受容体を遮断する作用があるが、血液脳関門を越えにくいらしく、そのような副作用が出現するのは、臨床的には稀なのである(プリンペランを大量に使うことがないのもある)。メトプロプラミドのこの特性を考慮して、この誘導体がたくさん作られた中から発見されたのが、ドグマチール(スルピリド)なのであった。

ドグマチールは、ドーパミンレセプター以外のレセプターへの影響が非常に少なく、いわゆる5HT2への親和性もほとんどない。だからSDA的でない薬物と言える。ただ、ドグマチールはEPSが少ない薬物なので、もし非定型抗精神病薬の定義をEPSが少ない薬物とするなら、そういうタイプの薬物と言ってもよいかもしれない。

参考
SDA
2ちゃんねるのオフ会