抗不安薬の強さについて | kyupinの日記 気が向けば更新

抗不安薬の強さについて

抗不安薬はさまざまな精神疾患に処方されている。この疾患には処方しないと言うのはあまりない。抗不安薬の品目の多さは、日本は世界でもトップクラスではないかと思われる。抗不安作用の強さ、効果の持続時間、副作用の強弱により、患者さんに合わせて処方されるが、概ね、強さにランキングがある。例えば、リーゼ、セレナール、レスミットは最弱の薬物に属している。強い抗不安薬については、感じ方には個人差があり、薬理学的な序列と一致しないような感覚はある。それは使用される用量や、特に眠さ、筋弛緩作用などの副作用も関連しているのではないかと思われる。

 

一般に強い抗不安薬といわれるもの 
(強い順に並べていない)

デパス     (半減期:短)
ワイパックス  (中)
レキソタン    (中)
レスタス   (長)
セパゾン   (長)
メイラックス  (長)


抗不安薬には等価換算表なるものがあり、

セルシン    5mg
レキソタン  2.5mg
デパス    1.5mg
ワイパックス 1.2mg
メイラックス 1.67mg
レスタス   1.67mg
セパゾン   1.5mg

ソラナックス  0.8mg
メレックス  1.67mg

 

などとなっている。この換算表から考えると、常用量ではセパゾン、レキソタン、ソラナックスは特に強力といえる。なぜならこの量の数倍を処方する場合が多いからだ。それに対し、デパス、セパゾン、 ワイパックス、メレックス、レスタスなどは、上記の概ね2倍の量が1日の上限なので、その点から強力ではあれど、最初の3つの薬物よりはやや弱い薬物と言えるかもしれない。メイラックスは上記がほぼ1日量と変わりがないので、その意味ではそう強いとはいえない。個人的には、ソラナックス、レキソタン、デパスはかなり強力に思えるんだな。セパゾン、ワイパックスなどは換算表ほどの強さを感じない。

 

そういえば、以前はセパゾン、エナデールが同じ薬物で併売されていたが、いつのまにかエナデールがなくなっていた(レキソタンの項参照) 以前は、セパゾン、エナデールは評判の良い抗不安薬だったが、今はデパスやソラナックスなどに押されてあまり売れなくなっているのだと思う。統合失調症による不安に対して、もし抗不安薬を併用するなら、高力価の抗不安薬(強力な抗不安薬)を処方することが推奨されている。