多忙の味わい。 | 境界線型録

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I Have A Pen. A Pen, A Pen Pen Pen.


 熟眠の暮れの後、年明けからほとんど寝ていなかったせいか、昨夜帰宅して必要な連絡メールをしたり、やるべきことを考えているうちに眠ってしまった。飲酒が続き宿酔い気味で胃の調子もおかしかったが、今朝、緑茶を飲みつつ六年物の梅干しを一粒食べたらだいぶすっきりした。
 老父は頬笑むように旅立った。見つめていると、喜怒哀楽という文言が浮かんできた。
 人生の味ということを、いつかほろ酔いでご機嫌の老父が姉の旦那たちにぼそっと語ったことがあった。夫婦に関するただの感想だったが、その味と喜怒哀楽が、ふと頭の中で溶け合った。
 味には大まかに甘、酸、塩、苦、旨の五つの要素があるという。もっと細分化もされているが、さらに大括りして、甘、苦+辛、酸、旨の四つでも良い気がする。
 甘い喜び、苦く辛い怒り、酸っぱい哀しみ、味わい深い楽しみ。
 甘喜、苦怒、酸哀、旨楽。
 その配列配分が、どのようにも味わいを生みだす。
 味わうならば、美味い方が良いが、なにをもって美味とするか。
 それが問題ではある。

 昨日、葬儀屋と打ち合わせすると、まだ「互助会」などという言葉を使うので叱りつけたくなった。が、ぐっと堪えた。最高責任者は私だが、母姉の意と感情に応えるのが行動指針なので。元日の深夜から使う業者の三人と会い、いずれも四十~五十歳代らしい男たちだったが、意念の質の低劣をひしひし感じ、この人々も自分なりに精一杯生きているんだろうなと切なくなる。大変な仕事だが、完全にタダの商売に成り下がっている。これについては、いずれこってり書こう。
 また往生際の思いもさらに深まり書き欲が高じているが、それは現実よりも真実の問題なので、そのうちに嘘をでっちあげたい。こういう感情は、よく冷ましてからでないと、きっと大事なことを欠落させるものだから。当分やること山積で、じっくりさぼる時間もないし。ペタ、コメ、拝読は、いま暫く停滞が続くはずなので、どうぞ村八分にしていただきますように。
 暫く公私共に渾沌として混乱気味になるけれど、日記は時間がある限り続く予定。その日その瞬間、頭の中に湧きだす表象を、塵埃のように掃き出すことに意味があるので。