FUJITA'S BAR
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2009-06-30

6月の反省

テーマ:エッセイ

【今月行かなかった映画とその理由】


「USB」

行きたかったんですが、金銭的にムリでした。劇場が遠いのと、駐車場が有料なのはやっぱり痛い。今の収入では、シネウインドには当分行けそうにありませんな。


「レスラー」

エヴァのチケットを買いに行った時に見ようかと思ったんですが、レイトショーがなくてアウト。仕方ないので、トランスフォームしちゃったというわけです。


「ガマの油」

これも、劇場が遠いのでパス。金があったら、USBとはしごして見たかったんですけどね。


「はりやま橋」

びっしりと針が埋め込まれた橋を、修行した男が一気に駆け抜ける、ウルトラド根性ムービーかと思ったら、どうやらそうではないらしい…うーん、やめときましょう。


「スター・トレック」

実は、一緒に見に行く約束をした親友がうつ病と戦っている最中で、症状が改善しないので断念しました。彼は、お前だけでも見に行ってくれと言いましたが、奴とでなきゃ行く気になれません。元気になったら、また一緒に映画行こうな。エンタープライズ号に乗るチャンスは、またあるさ。


「ターミネーター4」

これは、見に行く予定です。公開日が重なった場合、大作は後回しにするのが映画熱の原則なので、のびのびになりました。近日中に行きますので、記事はもうしばらくお待ちを。


「それでも恋するバルセロナ」

バルセロナちゃんの色恋沙汰不条理ムービー…ではないようです。4人の男女がバルセロナでドタバタする物語らしい。バルセロナに行くと、恋が成就するってわけですか。うーむ、このタイトルのセンスってどうよ。




今月見に行った劇場映画は、全部で9本。おお、ビンボーなのにがんばったなあ。安い日に集中して見たので記憶が多少混乱するけど、1本でも多く見たいしね。ストレスが蓄積されて爆発しそうになるけど、映画のおかげで今月も何とか正気が保てました。やっぱり、俺は映画見るのが一番いいみたい。


今月は、1回も飲みに行きませんでした。寂しいけど、この状況じゃしょうがない。その分、家で飲む量が増えたような気がするなあ。そういうわけなので、今月の記事は酔っ払って書いたものも多いです。見苦しくダラダラしてますが、オヤジの愚痴話だと思ってどうか聞き流して下さいな。


できるだけ明るく楽しい文章を書きたいと心掛けていますが、気分が沈みがちな時は、どうしても文脈に出てしまう。そんな時は、いくら書いても暗い方向へ行ってしまうだけなので、書くのをやめます。書いた記事を30行以上削除した時もありました。個人的な文章といえども、最低限の線引きは必要ですから。


俺自身が気分屋なところがあるので、ノリノリの時もあれば、メソメソしている時もあります。映画だけはいつもベストコンディションで見たいと思いますが、オヤジになると色々面倒くさいことがありまして…。男としても父親としてもサイテーの部類に入る存在ですが、今さら生き方のスタイルを変えるのも何だし。


最近は、考えるスピードもノロくなってきたように感じます。まあ、ゆっくり歩くことで新たに見えてくるものもあるだろうから、あまり深刻にならずに、あるがままで行こうと思っております。どうせ何やっても怒られるんだったら、好きなことやって怒られた方がいいもんネ。


そういえば、もうすぐ娘の誕生日だったなあ。いい父親にはなれないけど、彼女はきっと俺から何かを学ぶでしょう。ふっふっふ、ムスメよ、俺の背中に学べ。


イライラすることは多いけど、自暴自棄にはなりたくない。せっかくのイライラパワーを、前向きに使いたいですね。押さえ込むよりも、上手に解放したい。 …やっぱり、たまには飲みに行きたいなあ。


そんな感じで、ユルユルとがんばっております。では、来月もよろしく。




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2009-06-28

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破

テーマ:アニメ・特撮

破壊は、新たな創造を生み出す母体である。 …成熟した、ダイナミックなエヴァを堪能せよ!


エヴァ最新作がついに公開。これは、金がなくても劇場に行かねばならんでしょう。どうせいつ行っても混むんだから、さっさと初日に見ちゃいました(笑)。劇場は人がウジャウジャ。さながら、劇場ネルフに使徒がわらわら襲い掛かってくる感じでしょうか。グッズは軒並み完売。チケットもほぼ完売状態。…さあ、キミは生きて劇場を出られるか?ATフィールドを全開にして、いざ突入!


タイトルの “破” は、破壊という意味らしいです。総監督・企画・原作・脚本は、庵野秀明。監督は、摩砂雪と鶴巻和哉。キャラクターデザインは、貞本義行。メカニックデザインは、山下いくと。音楽は、鷺巣詩郎。主題歌を歌うのは、宇多田ヒカル。


声の出演は、緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、山寺宏一、石田彰、立木文彦、清川元夢、長沢美樹、子安武人、優希比呂、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、麦人。


さて、映画ですが、新たなエヴァ・ワールドが広がっていくような、意欲的な作品に仕上がりました。今までの固まったイメージを自ら破壊することで、新しい領域を表現していこうとする、作り手の意図がビンビンに感じられます。まさに、新世紀を迎えたという感じですね。印象としては、人間味のあるあたたかさを感じました。エヴァってどちらかというとクールで冷たいイメージだったので、たぶん何か意図があるんでしょう。


“使徒” と呼ばれる宇宙怪獣が次々と地球に飛来。地球防衛軍ネルフは、巨大ロボット汎用ヒト型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンを試作し、強大な敵に立ち向かうのであった…。(アバウトな説明ですいません。あんまり詳しくないもんで…。もっとコアな記事を読みたい人は、そのスジの専門家のブログへどうぞ)


エヴァ初号機のパイロット・碇シンジを演じるのは、緒方恵美。彼女はこの役、キング・オブ・ヘタレ男子としての地位を獲得したと言っていいでしょう。か細い確信犯的なイライラボイスは、今も健在。今回はかなり激しい場面もあるから、ちょっぴりたくましいシンジ君も見られます。オネエサマ方は、ウルウルキュ~ンって感じちゃいましょう。(主役萌えこそは、正統派なのだ)


エヴァ零号機のパイロット・綾波レイを演じるのは、林原めぐみ。彼女の声って、いつ聞いてもセクシーですなあ。抑えがかかった色気のある声は、パーフェクト絶品。今回は、微妙な感情表現も追加されていますので、耳を澄まして味わいましょう。変てこなセリフもありますが、アヤナミちゃんが一生懸命やっているんだから、許してあげましょうよ。彼女はクールなセリフがやたら多かったので、ぎこちない部分で新たなファンを獲得するかも。


エヴァ弐号機のパイロット・式波・アスカ・ラングレーを演じるのは、宮村優子。アスカは、俺のお気に入りキャラでもあったので、あの魅力的なキンキン声は健在で安心しました。ただし、夜の場面で小声で囁く時の声がちょっと…。何と言うか、太いんですよね。これは、とても中学生の声に聞こえない。むしろ、女子大生の雰囲気かも。まあ、それはそれでエロくてよろしいかと。オトナ声のアスカちゃんも、悪くないッス。しかも、あんな格好でこんなことを…うひー。


そして今回、新キャラとして登場した謎の女・マリを演じるのは、坂本真綾。シンジもレイもアスカも、精神的に危ういところを懸命に乗り越えていくようなイメージであるのに対して、彼女は思いっきりプラス思考キャラ。うははっ、エヴァにこんなキャラが!これは、他のキャラとは絶対かぶらないでしょう。新作映画にふさわしい、面白いねーちゃんが出現。メガネ女子であること以外は、内緒にしておきましょう。ぜひ、劇場で確認を。


で、やっぱり捨てがたいのが、ミサトさんとリツコさん。2人とも相変わらず、セリフの言い回しがエロいでんなあ。普通にしゃべっていても、大人のストイックな色気があるんですね。ちなみに、ミサトさんの声を担当している三石琴乃は現在、「ドラえもん」 でのび太のママを妖演中。叱られる場面を見ていると、まるで浮気した男を責めているみたいで、何ともエロい。『…どうしてもっとしっかりできないの!』 ああ、何だかシンジ君がのび太に見えてくる。いいなあ、俺もヘタレになって彼女に叱ってもらいたい!


そんなわけで、声優陣もノリノリで楽しんでいるようです。プロの作画に、プロの声。日本最高の技術を持ったクリエイターたちの夢の共演。日本人に生まれた喜びを、この作品をリアルタイムで見られる幸福を、全身で味わいましょう。日本人だからこそ、この映画のよさが一番わかるのです。


作画については、手書きとCGが緻密に合成されています。単純に言えば、双方が得意な部分を最大限に生かしている、ということらしいです。細かい点については、パンフレットの鶴巻監督のロングインタビューをお読み下さい。遊び心を満載した場面もあり。名作へのオマージュもあり。UCCの缶コーヒーも出まくり。色んな意味で楽しめます。アニメーションの可能性が広がる傑作を、ぜひ劇場でご覧下さい。


余談ですが、映画が始まる前に、「20世紀少年」 最新作の予告編がありました。それがいけなかったんでしょう。映画の中に、大きな目玉怪獣みたいなデザインの使徒が登場するんですが、奴が現れた途端に、『…シ~ンジ君、遊びましょ!』 という変てこな声が脳内に聞こえてしまいました。うわ、こりゃいかん。俺は笑いをこらえるのに必死でした…ヤロウ、まぎらわしい予告編流すんじゃねえ!




「新世紀エヴァンゲリオン」 は、1995年に誕生。もう14年も経っているので、当時子供だった世代も、もう立派な大人になっています。この作品は、悩み多き思春期にとっては、“悩み方” を教えてくれるバイブルのような存在だったのかもしれませんね。中には、エヴァのおかげで大人なれたという人もいるでしょう。


“難解なストーリー” という表現を使ったのは、むしろ大人側の方ではなかったか。俺は26話全部見たけど、特別難しいとは思わなかった。単純なことを色々な方向で複雑に思考すること自体が、悩むという行為のバリエーションの1つなんだから。


こんなものを見ても子供にはわからんだろ、という思考を持つ側の方がよっぽどレベルが低いのかもしれない。面白いからこそ作品にハマるんだし、魅力があるからこそ夢中になれるというもの。オタクのみなさんは、魂で理解できると思います。一生懸命になれるって、素晴らしいことだから。


庵野監督という人は、自分の心に正直に生きる人らしい。だからこそ、作品に対して嘘をつけないんじゃないかって思います。「劇場版新世紀エヴァンゲリオン air/まごころを君に」 のラストがああなったのも、その時点で彼が導き出せる答えの最終形態がそれであったと、俺は個人的に思っています。


人は誰でも、いずれ大人になって社会に出て行かなくてはならなくなる。体は放っておいても成長するけど、心は自分の努力なしでは成長できない。人間として生まれた以上、それは運命なのかもしれない。肝心なところは誰も責任を持てないものだから、自信がなくても自分自身で決めなくてはならないのだ。


悪いことがあるとすぐに人のせいにするのは、子供である証拠。俺も人のことは言えないのですが、いい年した大人でもそういう人はいっぱいいます。少なくとも、エヴァで人生を学んだ人は、そういう人にはならないんじゃないかって俺は思います。


大人になるということは、子供の心を切り捨てることではない。せっかくのいいものを、むざむざ失うことはないのだ。今までに得たもの、大切なもの、かけがえのないものを守り続たいと思えばこそ、新たに発生する力があるのだ。それは、全力で戦ってこそ得られるものなんだと思う。




本作は、オリジナルと比べるとかなりストーリーが変わっているので、熱狂的ファンの中には、『…こんなの、エヴァじゃない!』 と怒りを覚える人がいるかもしれない。しかし、エヴァという存在は、もともと不定形な性質のものだから、時代とともに形を変えていくものなのだ。14年前と同じ感覚で見ているとしたら、それは自分が大人の側に立ってしまっているのだと考えたらいい。


俺はむしろ、今の思春期の人たちの感想を聞きたい。現役のシンジやアスカたちにこそ、この映画の価値を問いたい。エヴァは、あくまでも10代の感性の視点で語るべきものだから。俺は、そう思うんです。


エヴァで学んだ “いいもの” を、後世にも伝えたいと思うなら、今の若者に伝わるスタイルで語ればいいと思う。映画を見ていて、そんなことを感じました。




相手が自分の思い通りには動いてくれないように、自分もまた、相手の思惑通りには行動できないもの。それは、自分と相手が違う人間だからに他ならない。その溝を埋めていくのが愛であり、友情であり、仕事に対する情熱であったりするのだ。


喜びというものは無数に存在するし、色んなスタイルがあっていい。しかし、自分と他者が異なる人間である以上、同じ体験をしても、同じ人間にはならない。だから、「エヴァ」 という作品に出合った人の数だけ “エヴァ” が存在するのだ。だから自分の思うエヴァが、友達の思うエヴァと違っていても少しも不思議じゃない。むしろ、違っていて当たり前と思うくらいの方が自然。


エヴァは、パイロットの深層心理に溶け込んでシンクロしようとする。その厄介な獣は、時には災いとなるが、飼い慣らせば大きな力にもなる。長所と短所のバランスをうまく取り、他者との関わりによって補い合う。だから、俺にとっての人類補完計画は、自分と他者が違う存在であることを受け入れることだったように思います。そのおかげで、結婚というハードルを越えられたのかもしれない。


アニメーション映画は、実写映画にはない魅力があります。俺も思春期の頃に、数多くの優れた作品に出合ったからこそ、色んなことを学ぶことができました。子供は、夢中になったことから何かを学ぶもの。好きなことをやるためには、嫌なこともしなくちゃならない。そうやって、人は大人になっていくのだ。


いい作品は、人を育てる力がある。生みの苦しみが大きければ大きいほど、作品に力がみなぎる。いい出会いがあるからこそ、新たな世界が生まれる。自分の中の新世紀は、自分が自覚した瞬間に訪れるのだ。さあ、あなたにとっての人類補完計画とは一体何か?


人は苦悩すると、闇に潜んで考える。真の光は、明るいところでは見えにくいのだ。映画館という暗闇の中で、自分の中のエヴァと向き合いながら考えましょう。 …大人も、そして子供も。




甘き死よ来たれ。古い殻を脱ぎ捨てるからこそ、新しい生命力が息づいていく。


ほとばしる熱いパトスで、魂はルフランしていく。


心よ、原始に戻って狂おしいまでに熱い無限抱擁を続けよ。


その先にある幸せは、罪の匂いがするかもしれないけど、キミが選んだキミだけの理想の世界だ。


残酷な天使は、迷うことなくいざなってくれるだろう。本当に必要な時にこそ、エヴァを解き放つのだ。


だから、勇気を出して光の翼を開け。そして力の限り羽ばたけ。 …フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月27日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 18:00の回 観客:約380人(ほぼ満席)

やっぱり、初日の緊張感はいいなあ。皆さん、マナーがよくて最高でした。例によって、会社のM先輩と2人で行きました。見終わった後は、カラオケで夜2時まで歌いまくって盛り上がりました。シメは、怪傑ズバット。アスカ~!って叫べるのがポイントです。


【上映時間とワンポイント】

1時間48分。エンドロール終了後に、続きの場面あり。その後、次回作の予告編になります。劇場が明るくなるまで、席から離れないようにしましょう。


【オススメ関連作品】


「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序」 (2007年)

本作の前作にあたります。TVシリーズや旧劇場版を見るよりは、これ1本に絞った方がいいかも。


「監督不行届」 (安野モヨコ著のマンガ)

庵野監督の奥様が書き下ろした傑作マンガ。これを読むと、監督の心が垣間見えます。これこそが、エヴァの謎を解く鍵になるかもしれません…なんちゃって。


「帰ってきたウルトラマン」 (ゼネラルプロダクツ版)

ガイナックスの前身であるゼネプロ製作の、アマチュア特撮映画。当然ながら、本家円谷プロとは何の関係もないニセモノ。しかし、クオリティは高かった。ウルトラマン以外は。俺は高校生の頃に、新潟市公会堂の上映会で見ることができました。庵野監督ご本人がウルトラマン役を怪演。本作のマリのメガネは、そのオマージュでしょうか?



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2009-06-26

4周年。

テーマ:ごあいさつ

おかげさまで、映画熱も今日で4周年になりました。数少ない読者の皆様に、熱く御礼申し上げます。


このイカレたブログも、いつのまにか4年も続いてしまいました。いいんでしょうか。世のブロガーの寿命が平均どれくらいなのかは知りませんが、自分ではちょっとすごいなって感心しています。がんばったじゃん、俺。


今日は、家族で外食してささやかなお祝いをしてもらいました。生ビールをキュウっとやって、ああ極楽。


子供の頃から映画が好きで、気がついたらこんなことになっていました。最近は、映画のタイトルや俳優の名前がなかなか出てこないこともしばしば。これから老けていくに従って、貴重な記憶が失われていくと思うと、これはウカウカしていられません。だから、記録を残すことにしたんです。


このブログの目的は、老後の楽しみにするためです。当時の気持ちを正直に書き残し、自分と向き合うためです。半年ごとに製本して、現在第7巻まで本棚にならんでいます。さあ、これがいつまで続くのか?


普通、ブログを長くやっていると、文章が簡潔に短くなっていくものですが、俺の場合はかえって長くなっているみたい。これは何故なんでしょう?やっぱり、ダラダラ書き過ぎるんでしょうか。他の人たちはもっとスッキリまとめているのに…でもまあ、これもまた俺の個性ということで。


通常、長い文章だと読む方も疲れてしまうもんです。だから、ウチの読者はすごい。やっぱり、読み手のプロですね。読みやすい文章を書こうという気はサラサラありませんから。プロの目で、文脈を判断して下さい。重ねて言いますが、人の文章を鵜呑みにするのは危険なのでやめましょう。その点、みなさんは大丈夫でしょう。俺の文章を読むと、ある部分が鍛えられますから。


映画を見ると、感性が磨かれます。生きる意味を見出せます。自分がどう生きるべきか、何をすべきかを教えてくれます。同じ映画を見ても、得るものは人それぞれ。不思議ですね。


だから、俺のブログは正直に書くことをモットーにしているんです。人に媚びたり、機嫌を取ったりという発想はありません。ただ、最低限の品性は保ちたいので、表現方法のセンスはわきまえているつもりです。


中傷もいっぱいされたけど、自分のスタイルはきっと変わらないでしょう。嫌なら来なくて結構。気に入った人はいつでもおいで下さい。去る者は追わず、来る者は選びたい。


今、収入が激減しているので、好きな映画を思うように見られません。だけど、これにもきっと意味がある。今この状況にいることが、未来を生き抜く力になる。だから、今を否定したくない。何もかもダメだという発想からは、何も生まれない。あれはダメでも、これがあるじゃんっていう感じで考えたいもんですね。


5周年を迎える頃には、俺をとりまく環境はどうなっているんでしょう。それは、誰にもわからない。だからこそ、面白い。幸運にもブログが続けられていたら、またこうしてお話したいと思います。少なくとも、今の自分とは違うレベルになっていると思うから。


そんなわけなので、まだしばらくこのブログは続きそうです。超不人気ブログを自称していますので、できればあまり一生懸命読まないで下さい。気が向いた時に、こっそりと覗きに来てもらえるとうれしいです。隠れた秘境として、知る人ぞ知る伝説のブロガーを目指したいと思います…なんちゃって。


以上、くたびれてはいるけれど、桑畑は元気にやっています。明日は、エヴァンゲリオン最新作を見に行く予定。まだまだ現役、絶好調。 …さあ、可能な限り、力の限り突っ走るぜ!



                                       ( 2009年6月26日 桑畑四十郎 )




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2009-06-24

トランスフォーマー・リベンジ

テーマ:アニメ・特撮

グシャグシャ・ガシャガシャ・ジャッキーン! …面倒な世の中を、変形して生き延びろ!


人気シリーズ第2作。タイトルの意味は、「変身野郎の復讐」 でいいでしょう。1作目は、“ちくしょう覚えてろ編”、2作目は、“ここで会ったが百年目・もう一度勝負しろ編” ってなとこで。(今回、かなりテキトーでいきます)


製作総指揮は、スティーヴン・スピルバーグ。監督は、マイケル・ベイ。出演は、ロボット、人間、わんこ2匹、以上。


さて、映画ですが、ハリウッド・スーパーオモチャ大戦という感じの仕上がりでした。人間はただの小道具なので、主役はロボットとして見た方が楽しいと思います。物語もユルいので、途中退屈になったら彼女と好きなだけイチャついても大丈夫。トイレも行き放題。眠くなったら仮眠しちゃいましょう。イビキかいても、ロボットの効果音に溶け込めばOK!


赤コーナー、悪のロボット軍団。青コーナー、正義のロボット軍団。勝敗のカギを握るのは、またしてもヘタレ坊やであった。テキトーな主人公に振り回される、情けないロボットたちと、オロオロする軍隊と政府。さあ、地球の運命やいかに?


ヘタレ坊やを演じるのは、またしてもシャイア・ラブーフ。この兄ちゃんは、スピルバーグのおっちゃんによっぽど気に入られたんですなあ。彼の魅力が未だにわからんのですが。


とにかく、バカっぷりが見事です。あまりの情けなさに同情したくもなるけど、どうでもいいユル演なので、応援する気になりません。彼を起用するなら、中学生くらいの役がちょうどいいんじゃないでしょうか。でも、クルマに乗る役だから、ある程度の年齢じゃないといけないんでしょうね。まあ、今どきの若者にはこういう男が人気なんでしょう。おっさんにはよくわからんなあ。


彼の両親の能天気ぶりも、何だか見ていてイライラしちゃいました。ジョン・タトゥーロのおっちゃんは名優なんだけど、ちょっともったいない使い方ですね。母ちゃんは、きっとヤク中に違いない。この3人家族、さっさとブチ殺されてしまえってずっと思って見てました。…もっとしっかりがんばらんかい、悪者ロボット!


というわけで、物語にも役者にも魅力がないので、ロボットの変形とバトルだけが見どころ。目まぐるしく動くメカが世話しなくて、出演している人間よりも一生懸命だなあって感心しちゃいました。あっはっは。




あまりにも動きが早いので、目で追っていくのが結構大変。これは、動体視力が鍛えられるかも。早すぎて、ロボットの原型がよくわからんままに終わっちゃいました。まあ、正義と悪との青と赤。目の色で判別すりゃあいいのかな。


しかしまあ、変形って楽しいですね。何だかとってもキモチよさそう。これってよく考えると、適応能力なのかもしれないなあ。状況に応じて、臨機応変に対処する。今どきは、生きにくい世の中。自分を変形して、戦い抜かなきゃいけないのかも。変幻自在に姿を変え、態度も変わる。うーむ、それって八方美人か天邪鬼?


オモチャ同士の合体は、デラックス超合金みたいで爆笑でした。天空合体、みたいなノリでしょうか。できれば変形の時は、掛け声が欲しいなあ。俺の世代だと、デビ~ル!とか、チェンジゲッター1!とかね。


社会人になると、会社のロボットになっている気分になる時がある。だけど、ただのロボットではなく、戦うロボット生命体でありたい。血の通った戦士でありたい。壊れたら、自分で修復。仲間と協力して、必殺技を編み出す。これって、楽しいじゃありませんか。


姿形は変わっても、本質は変わらない。そして、変われば変わるほど強くなる。強くなった分だけ優しくなれる。そういう生き方してみたい。それがホントのトランスフォーム。正義のために、未来のために、今日から君もトランスフォーム。清く正しく美しく、毎日新しく生まれ変わるのだ。さあ、いざ変身。 …理想の自分にチェンジせよ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月24日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 20:00の回 観客:約30人

エヴァンゲリオンのチケットを買いに行ったついでに見て来ました。これがちょうどいい時間だったので。


【上映時間とワンポイント】

約2時間30分。エンドロールの途中で、オマケ映像あり。


【オススメ類似作品】


「トランスフォーマー」(2007年アメリカ)

製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、監督:マイケル・ベイ、出演:ロボットとヘタレ少年。シリーズ1作目。とりあえず未見の人は押さえておきましょう。本作と同様、ユルい内容ですけど。


「ニューユーク東8番街の奇跡」 (1987年アメリカ)

製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、監督:マシュー・ロビンス、出演:ジェシカ・タンディ。規模は本作よりショボいですが、心あたたまるSF映画です。UFO型宇宙人が “繁殖” する場面は爆笑。





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2009-06-23

劔岳 点の記

テーマ:邦画

見ている側も、一緒に登った気分になりました。 …カメラマンの帝王・男キムラが、不可能を可能にする!


“つるぎだけ” と読みます。日本地図完成のために、命を懸けた男たちの熱いドラマを、本当に山に登って撮影しとそうな。美しい日本の秘境を、とくとご覧下さい。


原作は、新田次郎の同名小説。監督・撮影は、木村大作。出演は、浅野忠信、宮崎あおい、香川照之、中村トオル、松田龍平、役所広司、モロ師岡、石橋蓮司、小沢征悦、國村隼、井川比佐志、鈴木砂羽、夏八木勲、笹野高史、新井浩文、蛍雪次郎。


さて、映画ですが、豪華で美しい作品に仕上がりました。本気で撮影した、本物の映画。これは絶対、映画館で見なきゃダメです。鬼カメラマンの、執念の力作を見逃すな!


時は1906年(明治39年)、日露戦争直後の日本。陸軍にとっては、国防のための日本地図の完成が急務であった。陸軍参謀本部陸地測量部の測量手、柴崎は、最後の空白地点を埋めるため、立山連峰の劔岳に初登頂することを命じられるのであったが…。


主人公の柴崎を演じるのは、大人になったカツオくん・浅野忠信。つかみどころのない、寡黙なキャラを自然に演じています。彼をキャスティングしたことで、脂汗ギラギラムービーにならずに済みました。先に見た 「真夏のオリオン」 にも通じる、クールな情熱が光る男の映画になりました。


ヒロイン(新妻)を演じるのは、アツヒメ宮崎あおい。どう見てもいいとこのお嬢さんという感じで、能天気なキャラでした。出番は少ないけど、さすがに存在感がありました。一場面だけ、微妙にエロいセリフがあるので、オヤジのみなさんはどうぞお見逃しなく。


登山の案内人・長次郎さんを演じるのは、香川照之。スバラシイ演技でした。本当にその仕事をずっとやってきたかのような、説得力のある雰囲気。登場した瞬間にプロのオーラがビシバシキマってました。カッコいいなあ、こういう役者。本作の出演者の中で、一番シビレました。「ゆれる」 よりスゴかったッス。


陸地測量部のベテラン・木山を演じるのは、モロ師岡。彼もまた実力派の名バイプレイヤーです。何だか彼の存在って、ホッとするような雰囲気がある反面、何するかわからん遊び心を感じるんですね。個人的には、「ラヂオの時間」 のバッキーさんとか、TVドラマ 「怪奇大家族」 のオヤジが一番好きなキャラです。今回は、心優しい現場の男を楽しそうに演じています。


測量部の若手・ノブを演じるのは、松田龍平。いいねえ、兄ちゃん。こういう青くさい、イキのいい役って大事ですよ。彼って、何やってもカッコいいですねえ。「ハゲタカ」 も記憶に新しい今日この頃、ますます彼から目が離せませんなあ。


柴崎の先輩である古田を演じるのは、役所広司。彼もまた出番は少ないですが、重要な役どころです。彼の誠実な言葉は、主人公の心の支えとなり、物語をより深いものにしていきます。それから個人的に、長次郎さんの妻を演じた鈴木砂羽も捨てがたい。セリフは全くなかったように思いますが、表情のオーラが素敵な女性でした。「愛の新世界」 の女子大生SM女王だったことを、しばし忘れてしまいました。あっはっは。


そして特筆すべきは、行者を演じた夏八木勲でしょう。このポジションはオイシイ。登場した途端に爆笑でした。スバラシイ。彼のキャラは、もしかして神様なのかもしれません。いや、きっとそうだ。じゃ、そういうことにしよう。神様、カッコよかったですよ!




木村大作といえば、個人的には降旗康雄監督作品の撮影監督のイメージでしたが、相当のキャリアをお持ちなんですね。撮影助手として、5本の黒澤映画に携わった経験が、きっと彼の原点なんですね。本物の映画を撮りたいという情熱と、それを本気で実行する行動力がスバラシイじゃありませんか。


とにかくこの映画、何から何まで豪華です。物語とやっていることは地味なんですが、撮り方がスゴい。役者が本気で演じている。いや、もはやこれは、演技を超えていると思う。この役を演じるには、本気になるしかないのだ。景色は本物。役者の日焼けも本物。純撮りだそうなので、物語の内容が、顔つきに滲み出ていく。だからある意味、これは究極のドキュメント映画かもしれない。


これは、老若男女誰が見てもいいでしょう。年配の方は、観光バスでは決して見られない、極上の景色が見られます。普段劇場に行かない人も、これは見に行きましょう。DVDで見るなんてもったいない映画です。迫力の大画面で、男たちの生き様を体感しよう!




世の中には、色んな仕事があります。自分のしている仕事に誇りを持つことは、とてもいいことです。時には、何でこんなことしなきゃいけないんだろうって、悩むこともあるでしょう。だけど、仕事というのは、必ず何かの役に立っているもの。自分がやるべきことを黙々とやる。誰が何と言おうと関係ない。


仕事のする意味は、誰かが教えてくれるわけじゃない。自分でつかむのだ。誰かのせいにして文句を言う前に、自分が行動して示すのだ。若者は、その背中を見て育つのだから。


本作は、余計なセリフがありません。派手な効果音もありません。自然そのものが特殊効果。音楽はクラシックが基本。視覚に訴える情景と、出演者の息遣いを頼りに、自分が探していた心を見つけていくのです。


賞賛がなくても、がんばれる人がいる。本物と偽者の違いは何か。本当の仲間とは何か。この映画は、大切なことをいっぱい教えてくれます。画面に向かって深呼吸して、山の神の力を浴びましょう。


俺は個人的に山登りが嫌いで、高所恐怖症です。だけど、仕事ならやると思う。嫌いなことでも、苦手なことでも、仕事ならやれる。それは、必ず誰かのために役立つことだから。


登頂に挑戦した七人のサムライは、進むにつれて顔つきが変わっていく。文句タラタラな輩が、黙々と仕事するようになる。それは、誰かに言われたからじゃなくて、自然にそうなるのだ。本気で仕事すると、男になっていくのだ。本気でがんばり抜いた男だけが、最高の気分を味わえるのだ。それこそが、何よりの報酬。


何故、山に登るのか。それは、登ると気持ちがいいから。登るのは苦しいけど、それだけじゃないんでしょう、たぶん。それはきっと、登ってみたらわかること。(あ、でもよい子はマネしちゃいけませんよ)


日本という国は素晴らしい。日本の男には、底力がある。自分はダメだと嘆いている者は、キムラ監督に学ぶべし。一押し二押し三に押し。根性・根性・ド根性。…目覚めよ、日本のサムライたち!


何故、映画を見るのか。何故わざわざ映画館で見るのか。それはきっと、おんなじ理由ですね。本気で見るから気持ちがいい。本気で見るから、生きる力になる。本物の映画というのは、中途半端な心で見ちゃいかん。見ればいやでも本気になる。だから、映画は面白い!


木村監督、大変お疲れ様でした。いい仕事しましたね。きっと黒澤先生も喜んで下さると思います。一世一代の、命懸けの男の映画。しっかり見させてもらいました。この心意気で、俺も自分の人生を登りつめようと思います。 …カッコいいじゃん、オヤジ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月20日 劇場:ワーナーマイカル県央 15:50の回 観客:約100人

場内が暑くなったり寒くなったりで、まさに山の天気でした。…さては映画館の演出か?


【上映時間とワンポイント】

2時間19分。長いようで短い。山登ってると、時間なんて忘れます。エンドロールがニクいですなあ、監督。


【オススメ類似作品】


「八甲田山」 (1977年東宝)

監督:森谷司郎、原作:新田次郎、撮影監督:木村大作、出演:高倉健。これはやっぱり外せない1本でしょう。これがあったからこそ、本作も生まれたんじゃないかって思います。俺は当時小学生だったので、恐いトラウマ映画でした(笑)。


「植村直己物語」 (1986年東宝)

監督:佐藤純弥、原作:植村直己、出演:西田敏行。登山ものといえば、俺的にはコレです。社会人1年生の時に、確か東京の浅草東宝で見たと記憶しています。そのまんま、東宝怪獣映画5本立てオールナイトに突入しました(笑)。


「二百三高地」 (1980年東映)

監督:舛田利雄、出演:仲代達矢。これもある意味、山モノ。何度も失敗して全滅しかけた男たちを奮い立たせたものは何か。本作に通じるマインドがあると思います。児玉源太郎役の丹波哲郎が、個人的にカッコよかった。




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2009-06-21

真夏のオリオン

テーマ:アニメ・特撮

戦う男の心には、ロマンのかけらが欲しいのさ。 …反転180度、急速浮上!


タイトルのオリオンは、オリオン座のこと。冬の星座として知られていますが、真夏でも早朝にわずかの時間だけ見えるとか。“真夏のオリオン” とは、映画に登場する楽曲の題名。海で戦う男のために生まれた、道しるべとなるメロディ。


原作は、池上司の小説 「雷撃深度一九・五」。これを福井晴敏が映画用に脚色し、監修も担当。監督は、篠原哲雄。主題歌を歌うのは、いつか。


出演は、玉木宏、北川景子、堂珍嘉邦、平岡祐太、吹越満、吉田栄作、益岡徹、山田幸伸、マイク・チュワート、鈴木瑞穂、黄川田将也、大賀、鈴木拓。


さて、映画ですが、新しいタイプの戦争映画に仕上がりました。現代においては、こいういうのもいいんじゃないでしょうか。従来のイメージをいったん取り払って、新鮮な気持ちで楽しみましょう。中には、きっとこんなチームもいたんじゃないかなってことで。(今回パンフ買えなかったので、記事はテキトーですよろしく)


本題に入る前に、雑談を少しばかり。まず何と言っても、目をひくのは隊員たちのヘアスタイルでしょう。見事な坊ちゃん刈り。いやいや、かつてのリクルートカットか。予告編の時から気になっていたんですが、公式ホームページの情報によると、旧陸軍では丸刈りが当たり前だったそうですが、旧海軍はわりと自由だったとのこと。ヒゲをたくわえていた人物もいたという証言があったとか。だから、時代考証としては間違っていないらしいです…はい。


ただ、潜水艦なんてところは、湿気でムシムシするところだから、毛ジラミとか大丈夫だったんでしょうか。映画を見る限り、みんな毎日シャワー浴びているみたいなさわやかな顔してますが。とにかく何だか、快適な潜水艦のようです…はい。だってみんな居心地よさそうなんだもん。終戦間際なのにカレー食ってるし。


そして、上官が丁寧語を使用。『…○○して下さい。』 『…ありがとうございます。』 これも、当時の人たちの証言に基づくものだとか。いいねえ、こんな礼儀正しい上官だったら、やる気出るかもね。




1945年8月。日本海軍は、アメリカ海軍の燃料補給路を叩くため、最後の潜水艦隊を配備。しかし戦局は日に日に悪化をたどり、この作戦は最後の防衛ラインになっていた。潜水艦イー77の艦長倉本は、若い隊員たちを励ましながら、強敵を相手に死闘を展開していく…。


倉本艦長を演じるのは、玉木宏。「変身」 の時はコケおろした俺ですが、本作を見て、お、なかなか貫禄がついてきたじゃん、という印象になりました。「KIDS」 の時に感じたんですが、彼はなかなかいい声をしている。潜水艦という密閉空間だと、それがよりよく感じられるんですね。


脂ぎったオヤジではなく、クールで物静かな上官。こりゃあ、理想の上司モデルになりそうだなあ。タマキファンは行かねばならんでしょう。「のだめ」ネタもちょっぴり入ってますのでどうかお見逃しなく。


イー81艦長の有沢を演じるのは、堂珍嘉邦。この人って、ケミストリーの人でしょうか?演技以前の問題なので、少なくとも俳優ではないでしょう。ミュージシャンなら許せるか。でも、何で彼がキャスティングされたのかよくわからん。ドーチンさんってカッコいいのかもしれないけど、演技はドテチン以下ですな。


ヒロインを演じるのは、北川景子。親友ケミストリーの妹をいただいちゃうわけですな。気丈な女性として登場しますが、やっぱり印象が薄い。この子は、真面目な役だと映えないだって。「ハンサム・スーツ」しかり。母親と娘の2役ですが、どっちも影薄いなあ。紅一点なのに、もったいない。この兄妹が、作品のテンションを下げていきます。ああ、急速潜航…。


乗組員では、航海長を演じた吹越満がよかったですね。彼もまた、ええ声してますわ。タマキ艦長とフキコシ航海長の会話は、何だかゾクゾクしちゃいました。吉田栄作機関長はドヘタだけど、セリフが少ないのでセーフ。益岡徹水雷長は、安心して見ていられる。ドランクドラゴン鈴木は、メシ炊き役なんだけど、料理が上手そうに見えなかった(笑)。


特筆すべきは、回天搭乗員を演じた黄川田将也でしょう。「仮面ライダー THE FIRST」 で本郷猛を演じたスーパーヒーローが、なかなか出撃させてもらえない。一番血の気が多そうな男なのに、見ていてかわいそうになりました。人道的なタマキ艦長の、放置プレイ炸裂。うーむ、真綿で首を絞めるってこういうこと?


この映画はどういう映画かって聞かれたら、スポーツマンシップに乗っ取った正統派映画です、と答えましょう。女性も充分楽しめると思います。恋人のいうことをちゃんと聞いてくれる、軍人のイケメン彼氏はオイシイでしょう?




俺が生まれたのは1967年なので、戦争を語れる立場にはありません。しかし、先祖たちが命懸けで戦ってくれたからこそ、今の平和があるのだということは強く感じています。だから、戦争映画は思いっきり美化してOKだと思う。戦って死んでいった英霊を讃える行為は、日本人として自然な感情であるのだ。


本作は、従来の戦争映画とは、一味違う。「ローレライ」 も充分ぶっ飛んだ映画だと思いましたが、本作を見て、ああなるほどなって思えるようになりました。やはり現代においては、こういうタイプの戦争映画が出てくるのは、ごく自然なことなのかもしれない。いつまでも古くさいことに固執していては、未来の発展がないのだ。


戦争末期には、学徒動員があった。だから戦場は、若い兵士がいっぱいいた。ベテランのオヤジ兵士たちに混じって、イキのいい戦い方をする者が必ずいたはず。戦争の暗い面ばかりでなく、明るい面も見てみたい。過酷で悲惨な状況であればあるほど、周りを明るくする存在が必ずいたはずだから。


タマキ艦長のキャラは、今風にアレンジされているとは思うけど、やっぱりこういう人間がいたんじゃないだろうかって俺は思えるんですね。こういう男がいなかったら、楽しくないじゃないですか。彼がいるだけで、重い空気がスッと軽くなるような感じがする。それって、ヒーローの条件でもあるんです。


あこがれの先輩、あこがれの上司、あこがれのあの人…みんなそういう人を目標にして、大人になっていくんです。ひとつ大人になる度に、ひとつ背負うものができる。困難から逃げることばかり考えていては、いつまでも子供のまま。人のせいにするよりも、自らが背負う気概を持つ。そういう男は、顔つきが変わっていくのです。


タマキ艦長は、凛々しい瞳をしていました。艦を預かる、男の顔。30歳という設定なので、艦長としては若い。しかし、隊員を動かす力は人一倍。人が動けば、船も動く。人の気持ちを考える男だから、敵の考えも読む。ウラをかいて、奇襲をかける。交わされてもすばやく反転し、またすぐに攻撃態勢に入る…いやあ、カッコいいじゃありませんか!


玉木宏という俳優を、初めて面白いと思いました。ヘアスタイルの不自然さも、堂々とやれば途中からどうでもよくなる。この物語が持つトンデモ度が、かえってプラスに作用したんじゃないでしょうか。妙な説得力がありました。往年の戦争映画ファンにはソッポを向かれるかもしれないけど、俺はこの映画を評価したい。戦争映画としても、新しいスタイルが誕生するきっかけになりますよ、きっと。


男は、ロマンチストであれ。現実にはありえないこと、できそうもないことだからこそ面白い。こんなことないだろう、でもあったら面白いのにっていう願望こそが、次の未来を創るのだ。絶体絶命のピンチの向こうにこそ、千載一遇のチャンスがある。様々な戦場で戦う現代の男たちに、この映画を捧げます。


日本こそは、イマジネーションの国。ヤマトダマシイの国。サムライスピリッツの国。日本らしい、日本にしかできない戦い方がきっとある。その心を失わないことこそが、英霊に恥じない生き方ではないでしょうか。


この夏、若者もオヤジもジイさんも、この映画で燃えましょう。映像技術はまだまだだけど、ほとばしる情熱を感じましょう。タマキ艦長、命は預けたぜ。


苦しい時は、オリオンを見上げよ。迷った時は、オリオンに聞け。この星の輝きがある限り、このメロディを奏でる限り、俺たちは負けない。 …戦いに勝って、愛する家族のもとに帰還せよ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月20日 劇場:ワーナーマイカル県央 12:10の回 観客:約20人

小さい2番スクリーンでした。縦に長い長方形の劇場は、潜水艦みたいでナイスです。


【上映時間とワンポイント】

1時間58分。エンドロールの途中でオマケ映像あり。


【オススメ類似作品】


「眼下の敵」 (1957年アメリカ・西ドイツ合作)

監督:ディック・パウエル、原作:D・A・レイナー、出演:ロバート・ミッチャム。往年のファンにとっては、やっぱりコレでしょう。アメリカの駆逐艦と、ドイツの潜水艦がドツキ合う戦争映画。俺の世代だと子供の頃TVで見た記憶しかないので、もう1回しっかり見たいなと思います。


「U-571」 (2000年アメリカ)

監督・脚本:ジョナサン・モストウ、出演:マシュー・マコノヒー。個人的には、こっちの映画をオススメしたい。アメリカ潜水艦S-33の乗組員が、ドイツ潜水艦U-571に乗って戦うはめになるトンデモ映画。しかしながら、面白いんですねえ、これ。まるで宇宙戦艦ヤマトみたいでした。爆雷は本物を使用しています。言われなきゃただのCGだと思われていたでしょうな。ハーヴェイ・カイテルオヤジが、いぶし銀でカッコよかった。


「ローレライ」 (2005年東宝)

監督:樋口真嗣、原作:福井晴敏、出演:役所広司。世話の焼ける秘密兵器を、香椎由宇がユル演しています。どうでもいいけど、彼女の服ってムレませんか?下の世話はどうなってるの?やっぱり、福井潜水艦には、シャワー設備が整っているんだ、絶対!本作を考えたら、妻夫木聡の髪型なんてカワイイもんだなあ。ラストの強引な攻撃は、大爆笑でした。…やっぱり、戦は気合いじゃあ!


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2009-06-21

愛を読むひと

テーマ:洋画

誰でも、触れられたくない場所がある。 でも、ホントは触れて欲しいのだ。 …そっと優しく。


原作は、ベルンハルト・シュリンクの小説「朗読者」。製作は、最近他界した名匠アンソニー・ミンゲラとシドニー・ポラック。監督は、スティーヴン・ダルドリー。脚本は、デヴィッド・ヘア。


出演は、ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス、ブルーノ・ガンツ、レナ・オリン、アレクサンドラ・マリア・ララ、ハンナー・ヘルツシュプルング。 …うっはー、すげえキャスティング!


まず、ケイト・ウィンスレットは、「乙女の祈り」 で母親をぶっ殺し、「タイタニック」 ではディカプリオとイチャついて監視員によそ見をさせ、気に食わないダンナをタイタニック号もろとも海に沈めた女。レイフ・ファインズは、「シンドラーのリスト」 で収容所の囚人をたくさん撃ち殺した男だし、ブルーノ・ガンツは、ヒトラー総統ご本人。レナ・オリンは、性悪な 「蜘蛛女」 …すげえ、殺人鬼ばっかりじゃん!そして極めつけは、娘役のハンナー・ヘルツシュプルング。彼女こそは、「4分間のピアニスト」 で主役を張ったゴロツキ女(爆笑)。…うーむ、これは、誰がいつ誰を殺すかわかりませんなあ。実にスリリング。




さて、映画ですが、甘く切なく、優美でストイックなエロ映画に仕上がりました。前半は思いっきりエロ、中盤で唐突に社会派ドラマにチェンジ、後半は大人の恋になっていきます。やっぱり、愛の基本はやさしさとぬくもりですね。てっきりR15くらいかと思ったら、PG12でした。小学生のガキんちょは、保護者をゲットしたら見られます。親子の場合は、同性の組み合わせがよろしいかと。


15歳の少年は、学校の帰りに体調を崩してしまい、見知らぬ女性に助けられる。病気が治った少年は、花を持ってお礼を言いに彼女を訪ねる。その日から、2人の運命の恋が始まるのであった…。


主演は、ケイト・ウィンスレット。現在33歳。いいオンナになりました。さすが演技派、脱ぎっぷりも見事です。「タイタニック」 のチャラチャラした演技は、どうもしっくりこなかった。やっぱり 「乙女の祈り」 の彼女が最高の印象。そういう意味で、“彼女” が帰ってきた、って感じがしました。個人的にはナイスです。


ケイトは、体全体で表現するような、微妙なしぐさがとても素敵な女優だと思います。まるで原作小説をそのまま読んでいるような、情感あふれる演技が、俺の心をぐいぐい引き込んでいきました。細かい動きや佇まい、体の微妙な揺れにいたるまで、渾身の力で完璧に演じ切ったのではないかと思います。この役でアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したのはとてもよかった。あらためて、おめでとうございます。


彼女の年下の恋人、“坊や” を演じるのは、あのレイフ・ファインズ。このおっさんは、たぶん妖怪ではないかとおもっています。何というか、オーラがものすごいんですね。「イングリッシュ・ペイシェント」 「レッド・ドラゴン」 「スパイダー」 「ナイロビの蜂」 などを見ても、“苦悩する男” というイメージが強烈な俳優。画面に登場した途端に、うわ、すっげえ悩んでるってわかるような苦悩顔。彼の役者哲学は、“全霊をかけて存在すること” だそうです。


彫りの深い、憂いを帯びた横顔は、オネエサマたちの心を捉えて離さないことでしょう。画面から漂う “大人の色気” を存分に味わって下さい。(ちなみに彼の対極にいるのが、ダニエル・デイ・ルイスではないかと俺は思うんです)


レイフの若かりし頃を演じるのは、デヴィッド・クロス。彼は、オーディションで選ばれたそうです。映画出演は、これで3本目。青くさい演技が瑞々しくてよろしい。オネエサマたちは、若い青年のカラダをじっくりご賞味下さい。最初は能天気だった彼も、中盤からは徐々に大人の男になっていきます。そして、満を持してレイフの登場に。


デヴィッドが通う大学の教授を演じるのは、ブルーノ・ガンツ。実の両親とうまくいっていないデヴィッドに対して、精神的な父親の役割となる存在。穏やかで、カッコいいジイさんです。そしてレナ・オリンは、何と被害者役!すげえ、あのダークなダミ声で恨みごとを言われると、全身総毛立つ思いです。


そしてレイフの娘を演じるのが、アンナー・ヘルツシュプルング。テーブルを挟んで一緒に座って食事する場面では、意味もなくドキドキしてしまいました。ああ、今にもフォークでレイフの頚動脈がザックリと…ってならねえよ!ご安心下さい。いたって控えめで大人しいお嬢さんですから…今のうちはね。


そんなわけで、燃えるような灼熱の恋に憧れる人には超オススメです。男性諸君はケイトの熟した女体を思う存分味わって、くびれた腰のラインにキスしてあげましょう。女性のみなさんはデヴィッドの引き締まった背中に顔を埋めて、深いため息をつきましょう。思春期のヒリヒリチンコ組は、映画館を出てから楽しい妄想を繰り広げましょう。(夢の中で、ケイトがお腹にキスしてくれるかもしれないよ)




監督は、イギリス出身のスティーヴン・ダルドリー。1996年にアンソニー・ミンゲラが監督と脚本を担当する予定でスタートした企画だったんですが、10年経ってもなかなか進まない。そこに名乗りを上げた後輩のダルドリーに、白羽の矢が立つことになりました。プロデューサーとして残ったミンゲラは、今年の3月に死去。もう一人のプロデューサーであるシドニー・ポラックも、後を追うように5月に他界。だからこれは、ダルドリー監督の、生涯を懸けた渾身の力作である、と思うんです。


実際、映画そのものがまるで生き物のように感じられました。これは、脚本を担当したデヴィッド・ヘアの功績でもあると思う。体温のある、いい作品だと思います。単なるエロ映画ではなく、いいエロ映画です。ぬくもりと触感を、体全体で感じ取りましょう。


原作は、本国ドイツでは、教科書に載るほど評価の高い小説だそうな。なるほど、それではR指定ってわけにはいきませんか。ドイツを侮辱することになるもんね。でも、15歳の少年が36歳の女と恋に落ちる物語という性格上、公開までには様々なハードルがあったことでしょう。監督の話では、彼の出演が決まった時は16歳。撮影を始めた時は17歳。ラブシーン撮影時にはしっかり18歳になっていた(笑)。さすが、ダルドリーのおっちゃんはエラい。良心的で道徳的なPG12エロ映画です。…ガキども、ありがたく思え!




惚れた女には、秘密があった。愛すれば愛するほど、その謎が気になってしまう。しかし、彼女がそれを知られたくなかったら?無理矢理聞き出す?それとも、そっとしておいてあげられる?


人を好きになると、その人のことを何でも知りたくなってしまうもの。しかし、誰にでも謎の部分はあるのだ。封印された過去があるのだ。好きだから知りたいと思うように、好きだからこそ知られたくないこともある。知られて嫌われたら、相手がショックを受けたら…。それは、傷が深いほどつらいもの。謎は、謎のままにしておいた方がいいこともあるのだ。


触れられたくない部分は、不用意に突かれると激痛が走ってしまう。それがトラウマになってさらに殻が固くなってしまうことも。人の心は、いとも簡単に壊れてしまうものなんです。だから、一番敏感な部分ほど、やさしく愛撫してあげましょう。その柔軟性こそが、愛の形を形成していく要素になるのです。


大切なのは、相手のことを “どれだけ知っているか” ではなく、“どれだけ理解してあげられるか” ではないでしょうか。知らなきゃ理解なんてできるもんか、という人は、いささか乱暴者だと思う。話してくれなきゃ何にもわからないでしょ、という人もおんなじ。相手と同じ目線で見つめることができるように、努力したいもの。




俺は基本的に、相手が入って欲しくない領域には近づきたくない性格です。しかし、入って欲しがっている時には入ってあげたい。話したくなければ聞かない。話したいと思うなら聞いてあげる。だから、長年付き合っている友達でも、基本的なことを何もしらない人が多いです。家族構成とか、住所とか経歴とかはどうでもいいし、覚えたってすぐ忘れるから。苗字しか知らない人もいる。我ながら、だらしない性格だと思います。


だからたぶん、相手もそれをわかってくれているって、勝手に思っています。だから他の人に、あの人って○○なの?って聞かれても、よく知らないって答えることがよくある。それで友達って言えるの?ってよく言われるけど、友達だと思うよ。別にいいじゃん、そんなこと。むしろ、あの人のことなら何でもわかると言う奴に限って、肝心なことを何も知らないことだってあるし。


そういう “人の気持ちに鈍感な人” が本作を見ると、きっとイライラするかもしれない。俺が思うに、この映画で感動できる女性は、心が深い人だと思う。セリフがなくても、佇まいやしぐさだけで泣けてしまう場面もあるから。小説を読むように、本作は “行間を読む映画” でもあるのです。


だから、彼女の性格がイマイチわからない、と悩んでいる男性は、この映画でデートするのも一考かと。ただし、気をつけねばならんことは、自分から行こうと言わないこと。そりゃそうだ、前半思いっきりエロなんだから。この時点で彼女が怒って帰ってしまうこともあり得るから。( 「タクシー・ドライバー」 参照ですね、シネウインドのH支配人様!)


あくまでも、彼女が自分で見たい、というきっかけが大事なんですね。うまくいけばデートは大成功。何かが狂うとデートは大失敗。うふふ、スリリングな駆け引きですなあ。画面も下半身もドキドキのサスペンス!


先述したように、巧い役者さんばかり出ているので、非常にバランスのいい映画です。だからこそ、微妙な演技の隙間に注目しましょう。説明を極力排除した、ある意味玄人好みの作品です。熟年カップルにも刺激的な1本となるでしょう。


真面目で正直なのは美徳ですが、それが災いになることもある。人間には、ズボラなところもあった方が絶対いい。いざという時に、肝心なところをガッチリ逃さない強さがあればいいのだ。


恋愛には、男を男らしく、女を女らしくさせる力がある。映画の2人の愛は、限りなく美しい。人に理解されなくてもいい。2人の間でわかりあえればそれでOK。そのこと自体に罪はない。いじらしいまでにストイックな愛。後悔なんかしていない。きっとそれは、永遠の宝物。


現在恋愛中の皆様、この映画で勉強しましょう。 …苦しい時に、きっと役に立ちます。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月20日 劇場:ワーナーマイカル県央 9:15の回 観客:約8人

カードメンバーズデイで全作品1000円なので、朝イチで映画館に飛び込みました。朝っぱらからエロ映画とは、こいつは贅沢だねえ。ようし、今日は3本立てで見まくるぞ!


【上映時間とワンポイント】

2時間4分。恋をしていると、時間はあっという間です。


【オススメ類似作品】


「ソフィーの選択」 (1982年アメリカ)

監督・脚本:アラン・J・パクラ、出演:メリル・ストリープ。本作を見て真っ先に思い出したのは、やっぱりこの映画。エロではなく、真面目な作品です。ちなみにこれも、アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞。


「あなたになら言える秘密のこと」 (2005年スペイン)

監督:イサベル・コイシェ、出演:サラ・ポーリー。つらい過去を背負った女の映画といえば、最近ではコレでしょう。心を閉ざしてしまった彼女を愛するのは、名優ティム・ロビンス。人の心に土足で踏み込むのではなく、靴を脱いでから入るような彼の姿勢は、とても好感が持てました。これもまた、せっかちな人が見るとイライラするんでしょうな。だから、やさしくて繊細な人向きということで。


「ホリデイ」 (2007年アメリカ)

監督・製作・脚本:ナンシー・メイヤーズ、出演:キャメロン・ディアス。最後に、幸せなケイトを見たい人のためにこの映画をご紹介。恋を失った者同士がインターネットで友達になり、2週間だけ家を交換する物語。ケイトが、カワイイ女を楽しそうに演じています。やっぱり、いい表情しますねえ。









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2009-06-19

ネタバレDVD探検隊 ~感染パニック映画編~

テーマ:ネタバレDVD探検隊

「感染列島」 がもしGW公開だったら、新型インフルエンザ効果で大ヒットしただろうか?来場者にオリジナルマスクを配ったりすれば、それなりに盛り上がったりして。でも、舛添厚生労働大臣が許可しないかも。


というわけで、今回のネタ探は、感染パニック映画でいきましょう。見えない恐怖3本立て…うっふっふ。




「186 感染大陸」 (2001年 アメリカ)


8年前の映画が、今頃DVD発売だそうな。出たのは3月らしいから、これは明らかに狙ってますねえ。「感染列島」 と新型インフルエンザの風評被害効果便乗企画販売。人の弱みに付け込む商売根性むき出しウィルスですな。でも、それだけに、内容はユルい弱毒性なのでご安心を。 …これでほどよくムカつけば、あなたの抵抗力もアップ!


186といえば電話番号の通知設定ですが、アメリカ映画なのでそこは関係ありません。12年前くらいに新種のコレラ菌が猛威をふるい、生き残った人類が186人なんだそうな。 …はあ、それってどうやって数えたんでしょうか?


物語の舞台は、サンフランシスコ周辺。すでにウィルスパニックは終息したのか、街はのんびりムード。マスクや手袋している人もいない。ウィルスの正体とか、病原菌との戦いはなさそう。主人公は、カメラを持ってドキュメント映画を製作することを決意。道行く人にインタビューしながら、証言や考えをリポートしていくのであった。


雰囲気は、SF映画の名作 「渚にて」 を狙ったのかも。あれは、穏やかな空気を流すことによって、忍び寄る終末感を表現する絶妙な効果があった。しかしこっちは、すでにウィルス恐怖が終わってしまって、残った人間たちがどうするかモメるだけの映画ですから。はっきり言って、ウルトラ退屈映画です。


インタビューする相手は、経歴もよくわからないフツーの人たち。『…当初、政府は何も問題はないと言っていた。』 『…医療関係者は協力体制を組み、かつてないチームワークだったわ。』 『…隔離施設は効果がなくて、8ヵ月で死者が1億人。死体の山を誰も処理しきれなかった。』 といった断片的な情報をテキトーに編集して、ダラダラ感が増幅されていく。


超低予算で作ったんでしょう。閑散とした町並みや風景は、早朝かシーズンオフに撮影したんでしょう。後は、ひたすら屋内のインタビューだけ。物資もないだろうに、出演者が小綺麗なのが気になる。毎日フロ入ってしそうだし、服もくたびれてない。何だか、ただの過疎の村みたいですね。村おこしで、みんなノーギャラで出演してくれたんじゃねえの?


大体ねえ、こうなったら無法地帯なんだから、もっとサバイバルな空気があってもいんじゃないかって思いますが。俺が酷評した 「ブラインドネス」 だって、まだそういう雰囲気があった。こいつらどうもオカシイ。絶滅の危機を乗り越えた人たちに見えない。ただテキトーにやってたら死なずにすみました、って感じ。虚しいというか、淋しいというか。


しかし、中盤で1人、危険な匂いのするオッサンが登場。元消防士で救命士らしく、当時は懸命な救助活動をした男。しかし、度重なる重圧に耐えかね、気が狂って放火。何トンもの食料が備蓄してある倉庫を全焼させたらしい(ダメじゃん)。 彼は街から追放されたが、また戻って来て隠れ住んでいた。 …よし、ここは一発、このオッサンに期待しよう!


街の人たちは、彼をどうするか相談。殺す殺さないの口論になる。…おお、これは血の匂いがしてきた。誰が街のボスか、はっきりさせようぜ!


映画のインタビューに答えるオッサン。今にも人を殺しそうな顔で言う。『…俺は変わった。もう誰も傷つけない。』 しかし次の瞬間、オッサンの撲殺死体が発見されてしまう(爆笑)。顔にしっかりペイントまでされてました。 …あ~あ、さっぱり盛り上がりませんなあ。


一方、“女性や子供たちを守る家” では、夫とお腹の子を失った未亡人が、子供を身ごもりたいと相談中であった。『…未来のために、協力してもらえないかしら。』 『…そうだな、妻にも相談して意見を聞かないとな。』 『…もちろんよ、奥さんの考えを尊重すべきだわ。』 『…いっそのこと、3人で一緒にどうだ?ウッヒッヒ。』 …ううむ、ここだけリアルだなあ。やっぱり彼らは、生き残るためのたくましさが備わっていると見た。


ユルユルの空気のまま、何故か突然、森で銃撃戦が始まる。仲間の一人が足を撃たれて歩けなくなるが、ケガは擦り傷みたいな簡易メイク。はあ、重傷なんですか。医者もいないし、困ったね。犯人が誰かもわからないまま、川原まで逃げる一同。犯人は、ナワバリを守るのに追い払っただけ?ずいぶん気の小さい犯人だなあ。脅して物資をぶん取ればいいのに。そうか、みんな臆病になってるんですね。


担架を作ってケガ人を運ぶが、途中でくたびれてモメ事になる。『…捨てて行こう。どうせ助からない。医者もいないし。』 『…バカ野郎!お前が奴の立場だったらどうなんだ?助けて欲しいと思うだろ?』 と口論しているうちに、仲間の1人が発砲。怪我人は絶命(大爆笑)。


後は、とぼとぼ歩いて撮影は終了。どこかの劇場で試写会を開いて、主人公があいさつ。しかし、誰も拍手をしない(苦笑)。あらら、すげえ不自然。みんなイヤイヤ連れて来られたんでしょうか。主人公は静かに壇上に上がり、静かに下りて観客席に着くのであった…。ここで終了。ああ、最後までサミシイ映画。生き残っても、全然いいことなかったね。


で、2人死んだから生存者は184人か?あ、身ごもりたい女が身ごもればまた増えるのか?森の犯人は?いやいや待てよ、きっと試写会の後に大ブーイングが起きて、激しい殺し合いで死傷者がいっぱい出るんじゃないか? …おい、誰かしっかり数えとけよ!





「極限感染 バード・ハザード」 (2003年フランス)


このクドいタイトルからして、てっきりドタバタするバカ映画かと思ってレンタルしたんですが、いたって地味な映画でした。というか、これTVドラマじゃねえの?


冒頭、空撮から始まる。ははあ、これは渡り鳥目線ですね。次の瞬間、養鶏場で咳き込んで倒れるおっちゃん。ははあ、これは鳥インフルエンザでしょうか。おっちゃんは、救急車の中で絶命。ナントカ研究所のオバチャンに通報。『…血液サンプルを送ってちょうだい。ははあ、これはあの博士に頼んだ方がいいわね。』


ジイさん博士は、ダカール風邪の研究の第一人者であった。しかし、15年も研究してくたびれたらしい。すっかり人間嫌いになっていた。『…ワシはもううやらんぞ!』


しかし、事態が深刻になるにつれて、やる気になっちゃいました。テキトーな研究チームを発足。『…あ、そういえばこの症例は、確かアイルランドにあったかのう。』 一行はアイルランドの氷の上に。


『…くそう、あのジジイだけにいい思いをさせてたまるか。』 中年オヤジの研究員が意気込んで、氷の上で転んでサンプルのビンを割り、手に刺さってしまう。慌てて消毒し、みんなには黙っていた…っておい!


数日後、病原菌が見つかったとの知らせを聞いて、ジイさんは大喜びし、中年オヤジはショックで倒れる(爆笑)。『…すいません。実は…。』


結局、ジイさんの手柄になって、国際ナントカプロジェクトの代表になってしましましたとさ。…ジイさん、タフだねえ。あんた、もしかして免疫あるんじゃねえの?





「クライシス」 (2006年アメリカ)


主人公は、うだつの上がらない自称ミュージシャン男。妻に食わせてもらっているので、主夫というか、ヒモですな。いつものように妻を送り出して歯磨きをしていると、臨時ニュースが。 『…ロサンゼルスで大規模な爆発が起こりました。通勤時間を狙ったテロの可能性…。』 妻の勤務先はロスだ!


ヒモ男はオロオロ。妻のケータイはつながらない。とりあえず車に乗って現地に向かうが、交通規制で近づけない。車のラジオから流れる情報によると、生物科学兵器らしいとのこと。感染者らしき男が目の前で警官に撃たれるのを見て、恐くなるヒモ男。 『…現地にいたのか?』 『…いいえ。』 『…早く家に帰れ。』 『…妻を捜さなくちゃ。』 『…帰れ!』 仕方なく、帰るヒモ男であった。


家に帰っても、妻はいなかった。ケータイはつばがらないまま、途方にくれるヒモ男。次の瞬間、妻が帰ってきたと思いきや、見知らぬジイさんだった。 『…隣で働いている者だが、家主がいない。頼む、助けてくれ。』


『…帰ってくれ!』 と拒否するヒモ男であったが、押しが弱くて居座られてしまう(笑)。ジイさんは、家の目張りを率先して手伝ってくれる。おお、ヒモ男よりこのジジイの方が役に立ちそうじゃん。 『…妻が帰ってくるまで待つ!』 と意地を張るヒモ男であったが、灰は次第に近づいてくる。仕方なく、2人で目張りをするのであった。『…奥さんは無事だ。きっと大丈夫だ。』 ハゲジイさんにハゲまされるヒモ男…ああ、カッコ悪いなあ。


しかし、目張りが終わった途端に、妻が帰って来てしまう(爆笑)。 『…早くここを開けてちょうだい!』 『…ダメだ!』 『…必死で逃げてきたのよ!』 『…早く病院に行け!』 …うっはー、さっきとまるで違う態度ですなあ(苦笑)。このヘタレ男、愛があるのかないのかさっぱりわかりません。いいじゃん、どうせ子供もいないんだし、2人で仲良くウイルス分け合えば…って風にはいかないんですね、現実は。


さんざん言い争った挙句、妻はブチ切れてケータイを投げて窓ガラスを割る。『…何てことするんだ!』 すぐに窓を塞ぎ、ケータイに上から毛布を被せる。よし、これでOK…じゃねえだろ。次の瞬間、ヒモ男は浴室で全身に漂白剤を振り掛ける(爆笑)。しかも服着たまんまです。よし、これでOK…じゃねえだろ!いいのか、そんなんで?


飲料水と食料と毛布は外に出しておいたので、これで野宿しろということか。『…明日の朝には助けが来るから。』 仕方なく従う妻。潜伏期間があるのか、このカミさんなかなか元気です。まるでヒモ男の方が病人みたい。ドタバタしながらも、一夜を明かしちゃいました。ジイさんは、妻が心配だから帰ることに。妻は、行きずりの少年と一緒に病院へ行く。


しばらくして、妻が普通に帰って来た(めちゃめちゃ元気)。少年は何とか保護してもらったらしいとのこと。『…病院は患者が殺到してパニックになっているわ。隣のビルから飛び移ってくる人もいたの。』 ずいぶんエネルギッシュな病人だなあ。もしかして、ヤクをばらまいたんじゃねえのか?


目張りしたサランラップごしに2人きりになり、昔出合った時のことなど話す。『…いろいろあったわね、ゲホゲホ。 もういいの、わかってる。きっと大丈夫…。』 しかし次の瞬間、ガスマスクした兵士が大挙して現れた! 


『…きゃあ、何するの!』 抵抗する妻。『…妻を離せ!』 家の中から仕方なく社交辞令的に抵抗するヒモ男。…やろうテメエ、内心ホッとしてるだろ!ガスマスク兵士たちは、妻を連れ去っていくのであった。泣きながらオロオロするヘタレヒモ男。


しかし、ここでどんでん返し炸裂。妻を連れ去った後に兵士は言う。『…奥さんは無事だ。危険なのは家の中だ。 ここはウィルスが蔓延している。密閉されたこの空間で、灰のウイルスが増殖したんだ。中の空気は有毒で、君はウイルス保菌者だ!残念だが理解してくれ。…抵抗はよせ!』 …驚愕するヒモ男。うっわー、天下御免のウルトラトンデモ展開!


板で窓を塞ぎ始める兵士。同時に、変なガスが家に入ってきた。『…やめろ…ゴホゴホ…殺す気か!』


目張りを剥がして脱出を試みるが、見る見る どんどん塞がれて、白い気体が充満していく。『…助けてくれ!』 次第に光がさえぎられ、暗くなっていく室内。光を求めてさまようヘタレヒモ男。外で叫ぶ妻の声が聞こえる(元気過ぎ)。ガスを吸い込み、動きが鈍くなっていく…。


救急車のステップに座って、呆然としている妻(最後までメチャメチャ元気)。女性の担当官が声をかける。『…どうかご理解を。手の施しようがないほどウイルスが増殖していたんです。きっとあなたは助かります。』 


うーむ、目張りしすぎてかえって逆効果だったか。奥さんがケータイでガラス割らなきゃねえ。主人公がヘタレでジジイがやり手で、妻が怒りっぽいからいけなかったか。 …ああ、暗い死す!




  (次回は、劇場映画の記事を出す予定です。期待しないで、お待ち下さい。)





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2009-06-18

最近読んだ本

テーマ:

最近は、仕事が少ないわりには、心も体もすごく疲れていることが多い。したがって、読む本もつい軽めのものを選んでしまいます。まあ、そういう時期なんでしょう。そんなわけで今回は、サラッと読める5冊をご紹介。




「天使と悪魔がよくわかる本」 (吉永進一監修、造事務所編著 PHP文庫)


“○○がよくわかる” という表記の本は、よくわからないものが多い。本書は映画 「天使と悪魔」 の記事を書く時に参考にしようと思って買っておいたんですが、あんまり役に立ちませんでした。わかったことは、天使も悪魔もいっぱいいるんだなあ、ってこと。まあ、神様もいっぱいいるしね。


本書は、〈天使編〉 〈悪魔編〉 〈聖人と魔導師編〉 の三編から構成されており、キレイなイラストが挿絵になっています。最近は、戦国武将萌えなんていう文化もあるそうですが、天使萌え、悪魔萌えもあるんでしょうな。リリスとラミアのイラストは、ちょっぴりエロくてよかったッス。


真面目に勉強すると難しいことも、とっかかりが柔軟であれば、興味を持つきっかけになる。それもまたいいんじゃないかと。人間、好きなものは勝手に美化するもんですから。




「ビールの科学」 (渡淳二監修、サッポロビール価値創造フロンティア研究所編 講談社ブルーバックス)


これは、ビール好きな人なら一度は手に取ってみることをオススメしたい一冊。ビールの歴史や種類、おいしい飲み方や効能、注ぎ方から料理との組み合わせまで、ビールに対しての愛情タップリな知識がいっぱい。


ちなみに、ビールの発祥は古代バビロニアだそうです。紀元前5000年以上前から飲み継がれてきた、ロマンあふれるお酒。さあ、今夜から7000年分の歴史を体感しながら味わいましょう!




「この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!クラシックBOOK」 (飯尾洋一著 三笠書房王様文庫)


クラシックの雑学本。名だたる偉大な作曲家についての選りすぐりのエピソードを紹介し、音楽を味わう心を深めてもらうことが目的のようです。たとえば、バッハは “音楽の父” として有名ですが、子供は何と20も人いたそうな。まさに “リアルな父” としてもスゴかった!…ってな具合。


巻末には、「のだめカンタービレ」の音楽を監修した茂木大輔氏のセレクションCDが付録に付いています。コレを聴いて、キミもロマンチックに愛を語ろう!




「姥捨てバス」 (原宏一著 角川文庫)


バブルの頃に流行った “白バス営業”。様々な規制をかいくぐり、大手観光会社ができない画期的な企画を生み出そうと、主人公の2人が始めた新型バスツアーは、何と “姥捨て観光バスツアー” であった。


冗談で始めたような企画に、客の方が本気になり、総勢150人のバアさんたちが暴走を開始する。こんなことなさそうで、ありそうな気もするといった、世の中のダークサイドに光を当てた異色小説。そんなアホな、と失笑の連続でしたが、とりあえず著者の情熱を讃えたいと思います。時間を持て余している時だったのでちょうどよかった。


本作はコメディタッチですが、もし映画化するなら、ハードボイルドにやっていただきたいところですね。題材は面白いので。




「さいとう・たかをのゴルゴ流 怖いくらい人を見抜ける血液型の本」 (さいとう・たかを著 PHP文庫)


日本屈指のハードボイルドマンガ 「ゴルゴ13」 のさいとう・たかをセンセイが、何と血液型本を執筆!これはスゴい!書店の本棚で見つけた途端にロックオンでした。


ちなみにセンセイはA型、奥さんはB型だそうです。ゴルゴ13ことデューク東郷も、A型の設定。ゴルゴはまさに、さいとうセンセイの化身というわけですね。(東郷という名前は、恩師からきているそうな)


最近は、血液型関係の本がいっぱい出ていて、このブログでも何冊か紹介しました。俺も血液型には興味があるんだけど、マニュアル的過ぎるとどうもシラケてしまう。その点本書は、著者の実体験に基づくデータがもとになyっているので、極めて実用的と言えるでしょう。ヘタなマニュアル本よりずっと面白い。


血液型研究は、哲学でもある。資質と性格は、別物である。なるほど、大変勉強になりました。ゴルゴって、やっぱりカッコいいですね。




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2009-06-12

ハゲタカ

テーマ:邦画

大人のケンカの仕方教えます。 …ギリギリまで引き付けて、全力で一気に叩け!


NHKで2007年に放映された人気ドラマが映画化。原作は、真山仁の同名小説。本作のベースになったのは、シリーズ3作目の「レッドゾーン」。監督は、TV版の演出を手がけた大友啓史。音楽は、佐藤直紀。主題歌を歌うのは、tomo the tomo 。


出演は、大森南朋、柴田恭兵、玉山鉄二、栗山千明、高良健吾、松田龍平、中尾彬、遠藤憲一、嶋田久作、志賀廣太郎、小市慢太郎、脇崎智史。 …うっはー、すげえキャスト。


さて、映画ですが、腰の据わった、熱い男のドラマに仕上がりました。俺はTVシリーズをチラッと見た程度だったんですが、見ていなくても問題ないと思います。そんなに難しい言葉は出てこないし、経済に詳しくなくても大丈夫。マッチョな頭脳バトルを、思う存分お楽しみ下さい。


『…日本を買い叩け!』 中国系巨大ファンドが目をつけたのは、日本のクルマ業界でトップクラスの自動車メーカー・アカマ自動車であった。露骨な買収でありながら、それは耳に心地いい、甘い言葉の誘惑であった。迷走する経営陣の前に降り立ったのは、“ハゲタカ” の異名を持つ鷲津政彦。中国の “赤いハゲタカ” とのスリリングな戦いに、日本中が息をのむ!


主役の鷲津を演じるのは、大森南朋(おおもりなお)。色んな映画に脇役で出演しているので、顔を見ればわかる人も多いでしょう。俳優・舞踏家の麿赤兒の息子で、現在37歳。目つきが鋭い三白眼の兄ちゃんです。イケメンかどうかはわかりませんが、男から見てカッコいいと思います。その彼が、主演ときたもんだ!


彼の演技の魅力は、ギラギラした瞳からほとばしるオーラであると思うんです。どちらかといえば、クセのある役柄を演じてくれた方が映える男。サイテー映画「蟲師」で演じた虹男は、フツー過ぎてつまんなかったくらいです。本作の主役は、嫌われ者キャラであるので、まさに絶妙なキャスティング。たぶん、TVの時も凄かったんだろうなあ。


赤いハゲタカ・劉一華を演じるのは、玉山鉄二。おお、逆境ナイン・ガオシルバー・洗剤ボールド白T男ですな。特撮出身イケメン俳優の中でも、一番柔軟性のある男が悪役ですか…これまた面白い。コワモテで気難しい主役と、甘いマスクの悪役がガチンコ対決!これは見ものですな。


ヒロイン…かどうかは微妙ですが、そういうポジションを演じているのが栗山千明。役柄は、TVキャスター。NHKの番組インタビューでは、『…普通の人間の役が回ってくるのは珍しいので、とても新鮮でした。』 というようなコメントをしていました。確かに、彼女も変わった役柄の出演作が多いからなあ。


本作では、濃ゆい男たちに囲まれた、唯一フツーの女性キャラ。だからなのか、何だか存在感が薄かったような…本作の紅一点なのにねえ。通訳の外人ねーちゃんの方が、印象強かったかも。だけど、鷲津に対して因縁モヤモヤな空気もあるので、シリーズが進めば、いつかドカンといくのかも。(あ、ドラマでもうやったのかな)


アカマ自動車の社長を演じるのは、遠藤憲一(通称エンケン)。おお、このおっちゃんも毎回面白いポジションを演じますなあ。「クローズZERO」 のヤクザから 「オッパイ星人」 まで、演技の幅は広い。太くてシブい声の持ち主でありながら、頼もしい役も情けない役も自由自在。今回は、右往左往する社長。ああ、がんばっているのに行動が裏目に出てしまうおっちゃんの姿は、心に沁みるなあ。


現在放映中のTVドラマ 「白い春」 をたまたまチラッと見たら、いましたねえ、エンケン。ポニョ大橋のぞみと、鉄仮面阿部寛のもっさい演技にはさまれながらも、お人よしのパン屋オヤジを好演。彼の演技のバランス感覚は、さすがプロの役者だと思いました。(実は、吉高ちゃんが出ていると聞いたのでちょっと気になりまして)


“旅館の経営者” を演じるのは、松田龍平。登場した途端に、彼は何者?と惹き付けられるような、独特の存在感。“怪しい” と言ういうよりは “妖しい” という表現が似合う。ゾクゾクするようなクールな視線は、父親松田優作のDNAを確実に受け継いでいると思います。セリフも出番も少ないですが、すっげえ目立ってました。


中尾彬のネクタイは、ネジネジしていませんでした。嶋田久作と志賀廣太郎の2人は、やり手オヤジとしてカッコよかった。本作には、魅力的なオヤジキャラも多いので、細かいサブキャラにもご注目。


本作で唯一ダメだったのが、高良健吾。彼は 「M」 でストーカー青年を演じた男ですが、印象は全く同じでした。雰囲気だけはいいものを持っているようですが、動いたりしゃべったりすると、途端にアウト。本作でも、寡黙な場面ではそれなりによかったのに、感情を出す場面になるとボロボロでした。…浮いているなあ、兄ちゃん。じっとしているだけの役柄だったらよかったね。


とにかく、実力派の役者がいっぱい出ているので、中途半端な連中は全部はじき返されてしまいそうな感じがします。観客も、腰を据えてしっかり見ましょう。画面にしっかり喰らいつく心構えで。




特筆すべきは、鷲津のライバルであり、好敵手であり、戦友とも言える芝野を演じた柴田恭兵でしょう。彼は、決してコワモテ俳優ではない。どちらかといえば、ソフトで甘い雰囲気を持ったアウトローというイメージかもしれませんが、「夢の祭り」 とか 「集団左遷」 で、ナイーブで一途な男を演じる一面もあります。本作の彼は、しなやかで力強い “大人の男” を演じていました。


TVシリーズの撮影中に肺ガンの手術を受けた時も、スタッフはちゃんと待っていてくれたそうな。それもあって本作との絆はより深くなり、この役柄に対しての思い入れも大きくなったんじゃないかって思います。彼のやわらかいオーラが、鷲津の心を支える一点でもあるような気がします。まさに、絶妙なコンビネーション。


やっぱりねえ、この映画に出てくる男たちは、メチャクチャカッコいいです。男の意地の張り合いって、現実には見苦しいことが多いもんですが、志が間違っていなければ、必ず最高の結果が出る。真剣に戦う男には、美しさが漂うものなのだ。


この鷲津という男、なかなかのキレ者です。彼は、人に媚びない、笑わない。それでいて、自分のマイナス面を臆面もなく人に語る。だけど、妥協しない。自分を批判する者の目をしっかりと見つめ、決して逃げない。まさに、プロ中のプロ。いやはや、すごい男がいたもんです。


そういうわけなので、この映画は真剣に見ましょう。軽い気持ちでナメてかかると、火傷するかもしれません。男の熱い火花を、体中に感じ取って楽しみましょう。ここは一つ、知的な彼女を誘ってみよう。しかし、見た後で逆に語られたりして。それもいいじゃん。たまには、レベルの高いデートをしてみよう!




本作の脚本は、何度も書き換えられたそうです。リーマンショックによる経済危機など、時代を大きく揺るがすニュースが飛び交う中で、今の日本人に伝えるべきメッセージは何か、絶えず追求したのかもしれませんね。俳優たちにとっても、直前でセリフ変更があったりと、まさに混乱した状況での撮影だったそうで、それがいい緊迫感を生む効果があったかのも。


今の世の中、生活環境が大きく変わってしまった人も多いことでしょう。俺も、その一人です。好きなだけ映画館に行って、好きな時に飲みに行けた1年前が懐かしい。こうなることがわかっていれば、もっと打つ手もあったろうに…って今さらながらに思う。でも災難って、こういう風に突然やって来るものなんですよね。


俺は、28歳の時に会社の倒産も経験しています。ある日突然に職を失うというショックは、実に大きいものでした。社員の中には、あと1年で定年の人もいたっけなあ。まさに地獄絵図でしたね。会社に忠誠を尽くすってのも、考えもんだなあって思ったものです。


リストラの担当者とか、死刑執行人とか、誰もがやりたがらない仕事というのは確実に存在する。それをやる人たちがいるからこそ、世の中は回っているのだから。一部分だけを見て、善人か悪人かは安易に決められないのだ。偏見が大多数を占めると、それは “歪んだ正義” になってしまう。だから俺は、“影の仕事” を担当している人たちを尊敬します。




現代は情報過多であり、選択肢も無数。できるだけ楽な道を選び、無難に平穏に過ごしたいと誰もが思うもの。しかし、世の中は弱肉強食なのだ。毎日誰もが誰かを傷つけ、誰かが誰かを不幸に追い詰め、間接的に殺していく…。人は、人を傷つけずには生きられない。


しかしながら、その一方で誰もが、必ず誰かの役に立っている。間接的に誰かの力となり、誰かを幸せにしていく。これもホント。つまり、人はどう生きても、誰かを傷つけた分だけ、誰かを幸福にしているんじゃないかって思うんです。ただ、本人にフィードバックしてくる情報が、偏っているだけ。


自分は善人だと思っていても、気がつかないうちに人を傷つけていることは多い。逆に、自分は何の役にも立たないって思っていても、意外とそれなりに役に立っているものである。人気者ほど疎まれることもあるし、嫌われ者でも一部の人に重宝されることがある。


だから、仕事に対しての能力も、人によって適性が違うのである。チームワークは、バランスなのだ。本作の素晴らしい点は、年齢や経歴が異なる男たちの、絶妙なチームワークであると思う。それぞれが、自分の役割をきちんとこなしてこそ、全体がうまくいく。攻守逆転、また逆転。うろたえず、冷静に反撃の機会を伺う…。やっぱりコレ、カッコいい映画だと思います。


映画は、勝負の結果をどうとらえるか、ということについてもケジメをつけています。勝って負けても、学ぶことは多い。コドモにはコドモの、大人には大人のケンカの仕方がある。そして、男には男の、女には女のケンカがある。グレードの高いケンカは、気持ちいいのだ。




目の前にある苦悩は、明日を生き抜くための力になる。困難をクリアした分だけ、戦うための武器が増えるのだ。苦労したこと、悔しい思いをしたことを決して忘れるべからず。その一つ一つが、流した涙が、知らず知らずのうちに、男を磨いてくれているのだ。


男なら、戦う時が来る。自分のために、誇りのために、プライドを懸けて突き進む。その原動力は、信念であり、志であり、夢であり、ロマンであるのだ。余計なことは考えずに、自分らしく戦う。勝っても負けても、また新しい自分になれる。だから恐れるな。敵と同じ数だけ、味方も必ずいるんだから。




“ハゲタカ” とは、“ハゲワシ類、コンドル類の俗称” だそうで、ハゲタカという名前の鳥は存在しないらしい。死屍食であることから、死にかけた者をついばむイメージで使われるようです。ハイエナの鳥版といったところでしょうか。死骸を片付ける者がいないと、病原菌が発生する原因にもなるそうなので、きちんと後始末をしてくれる掃除屋としての役割があるのかも。彼らもまた、生きるために必死なのだ。


原作者の真山氏は映画製作にあたって、『…日本企業が混迷したのを、外資系企業のせいにしないで欲しい。』 という要望を出したそうです。こちらが死にかけたからこそ、ハゲタカに狙われたということなのかもしれない。だからこそ、本物が生き残るべきなのだ。ニセモノは、ホンモノの引き立て役という役割を果たして退場すればOK。(化けの皮がハゲタカ…なんてね)


金持ちになったことがないので、マネーゲームのことはさっぱりわかりません。ビンボー人の俺が言うのもなんですが、金持ちって大変なんですねえ。やっぱりお金は貯めずに、世の中のためにドンドン使いましょう!心のわだかまりも溜め込まずに、ドンドン発散しましょう!


俺も、この世の中でいつまで生きられるのかわかりませんが、寿命という限られた収入の中で、与えられた時間を精一杯使い切って死にたいと思います。くすぶって死ぬよりも、戦い切って死にたいと思う。だから、俺の死肉はおいしいかもしれないぞ。ハゲタカたちよ、よく覚えておけ。


死神・ハゲタカ・ホワイトナイト。どうせ戦うのなら、思いっきり楽しんだ方が面白い。ユルい天国よりも、刺激的な地獄の方が居心地がいいかもしれない。だからね、今の自分にふさわしい場所にいるんだと思えばいい。今の自分にふさわしい仲間に囲まれていると思えばいい。よりよい状態を望むなら、まず自分がレベルアップすればよいのだ。


だから、男たちよ、思いっきり行動すべし。自分の信じた道を、自分のスタイルで貫け。それで滅びて何もかも失っても、それは本望だ。ワイルドな人生を生きようぜ!運が悪けりゃ、死ぬだけさ。 そしたら、ハゲタカの出番。 …後始末、しっかり頼むぜ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月8日(月) 劇場:ワーナーマイカル県央 18:40の回 観客:約6人

ワンダフリーポイントがたまっていたので、無料鑑賞できました。すいません、巨額マネーが動く映画をタダで見ることになってしまいまして。これもかなりゼイタク?おかげでパンフ買えました。


【上映時間とワンポイント】

2時間14分。少々長めですが、戦っているとあっという間です。


【オススメ類似作品】


「ハゲタカ」 TVシリーズ

まだ未見ですが、きっと面白いと思うのでオススメしておきましょう。DVDで全6巻だそうです。


「不撓不屈」 (2006年ルートピクチャーズ)

監督:森川時久、原作:高杉良、出演:滝田栄。実話に基づいた小説を映画化した、骨太な男のドラマ。もうこうなると、おっさんも若者も関係ありません。情熱を持った男こそが、世の中を変えるのだ!


「機動警察パトレイバー2」 (1993年東北新社)

監督:押井守、原作:ヘッドギア、脚本:伊藤和典、声の出演:富永みーな。アニメからも骨太な1本を。モノクロ風のシブい絵柄に、熱いオヤジたちの加齢臭がムンムン。竹中直人が演じるアラカワが面白い。演歌あり、大人の恋もあり。ラストの手のカラミ方は、何度見てもエロい。気がついたら、俺の心にワイバーン。




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