遺伝子解析装置、米国の牙城に挑む阪大発ベンチャー | Just One of Those Things

Just One of Those Things

Let's call the whole thing off

日経のコラムより。

 

----------------------------------------------------------
遺伝子解析装置、米国の牙城に挑む阪大発ベンチャー 
科学記者の目 編集委員 永田好生
コラム(テクノロジー) 科学&新技術
2018/1/28 6:30日本経済新聞 電子版


 生物の設計図に例えられる遺伝子の塩基配列を高速に解析するシーケンサーの市場で、君臨する米イルミナに対抗する動きが出てきた。中国企業が競合製品を販売し、大阪大学の研究成果をもとに起業した日本のベンチャー企業も2020年ごろの商品化を目指している。日本はこの分野で完敗した苦い経験がある。これからの生命科学や医療分野に大きな影響力がある技術だけに、日本の行政や産業界も動向をつかんでおく必要がある。

 

■世界市場、米イルミナが1社でほぼ独占

 

 2003年にヒトゲノム(人間の全遺伝情報)が解読されて15年。約30億ドルの資金と13年の期間をかけた作業は、いまや1人当たり約10万円と1日ほどで済む。ヒトゲノム解読後に技術が飛躍的に発展した高速シーケンサーのおかげだ。

 

 高速シーケンサーの市場は世界で年間1000億円に近い規模と推定されている。ほぼ独占するのがイルミナだ。4種類ある塩基ごとに結合する試薬と蛍光物質を用意し、それぞれの光を検出して配列を決める方式だ。

 

 解析できる遺伝子断片の長さや測定時間、精度など用途ごとに数々の機種を品ぞろえし、ロシュ・ダイアグノスティックス、ライフ・テクノロジズ(現サーモフィッシャー・サイエンティフィック)との競争を勝ち抜いた。パシフィック・バイオサイエンシーズなど新興勢力も出現しているが、トップの座は揺るがない。

 

 最初の対抗馬は、イルミナのシーケンサーを大量に購入し、解析サービス事業で世界最大手に成長した中国のBGIだ。13年にシーケンサー開発の米ベンチャー、コンプリート・ゲノミクスを買収して装置事業にも進出した。最初の製品はほとんど売れず失敗したが、15年に発売した製品は中国で臨床遺伝子検査用に使える承認を取得して販売中だ。17年は米西海岸に研究拠点を設け、複数の研究機関と共同研究契約を結び事業拡大をねらう。

 

■阪大発ベンチャー、米社とは異なる方式で解析

 

 阪大発の技術を使うクオンタムバイオシステムズ(大阪市)もイルミナ追撃を目指す。DNAの1本鎖が間隔約1ナノ(ナノは10億分の1)メートルの2つの電極間を通り抜ける際、塩基の種類によって異なる電流値を計測し、どの塩基かを見分ける原理を応用する。

 

 電極の代わりにナノサイズの穴があるたんぱく質を使う方法で、英ベンチャー、オックスフォード・ナノポア・テクノロジーズもシーケンサー市場進出を計画している。

----------------------------------------------------------

 

ポストゲノム時代に当たる、ヒトゲノム解読計画が行われている当時、企業と国際チームのどちらが解読を先に済ませるか争われており、ネイチャーでもかなり荒れていました。

 

2001年に解読できたとの報道が出ましたが、最終的には2003年となり、教育機関では2003年に生物学がゲノムを元としたものに大幅改定されました。

 

この時、急速にゲノム研究されたのが癌研究です。

 

その後、2008年から2012の間に染色体のゲノム解読が全て完了しました。

 

今回の遺伝子解析装置の場合は、安くて高性能のところが市場を制覇できるかと思いますが、勝敗はどこが勝ち取ることが出来るでしょうか?

 

さて、次に定時に恒例のネイチャーを取り上げます。

 

ペタしてね