経済用語解説:潜在成長率 | (仮)アホを自覚し努力を続ける!

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アウグスティヌスの格言「己の実力が不充分であることを知る事が己の実力を充実させる」

中長期的に持続可能な経済成長率、不安定な動きを示すことも


 中長期的に持続可能な経済成長率を指します。つまり、短期的な景気循環による経済変動を差し引いた経済成長率であり、言い換えれば一国の生産能力の増加率とも説明できます。実際の経済成長率が潜在成長率を上回る場合、経済は過熱気味となりインフレが高まるとされ、逆に下回る場合、経済は冷え込みインフレが低下する関係にあると言えます。

 実は、推計した潜在成長率は安定していません。OECDが推計した先進国の潜在成長率の推移を見ると、2009-10年はそれ以前に比べて低下しています(表)。これは世界同時不況下で企業が設備投資を絞りこみ資本ストックの積み増しが抑制されたため、生産能力の拡大も鈍化したためです。このように潜在成長率は実際の成長率に影響されて変化するため注意が必要です。

 更に、潜在成長率の推計方法はいくつかあって決まったものがあるわけでなく、またその推計値は幅を持って見る必要があります。特に、直近の潜在成長率は、利用できるデータが少ないために正確に推計することは難しいとされています。

 日本の潜在成長率は、OECDの推計では0.6%に低下しています。日本銀行はリーマン・ショック前は日本の経済成長率を「1%台半ばから2%」としていましたが、2009年になって「1%前後」と見方を修正しています。


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