SNS上の誹謗中傷対策・犯人特定方法 ~警察の捜査で特定する~ | 弁護士 河西邦剛のブログ

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 SNS上の誹謗中傷が深刻な社会問題になっています。SNS上の誹謗中傷対策として発信者情報開示請求がありますが、正直、お金や労力的負担が少なくありません

 

 

 これについてようやく法改正や制度改正が議論され始めましたが、実際の改正まではまだまだ時間がかかるかもしれません・・・

 

 

 実はSNS上の誹謗中傷対策やネット上でのストーカー対策として、警察に名誉毀損罪ストーカー規制法違反で捜査を求め、警察に犯人を特定してもらう方法があります

 

  • 民事:発信者情報開示請求(裁判手続)
  • 刑事:名誉毀損罪・ストカー規制法違反での被害申告

 

 

 依頼者の方が芸能人の場合を始め、私がSNS上での誹謗中傷対策として特によく使用する方法です。今回はSNS上での誹謗中傷対策やストーカー対策として刑事手続を活用する方法について私の弁護士としての経験を紹介させていただきますね

 

 

 

 

 

Point その1 鉛筆

お金がかからない

 

 発信者情報開示請求する場合には、弁護士費用や担保金が必要になる場合があります。場合によっては費用が数十万は超えてしまう可能性もあります

 また、弁護士に依頼せずご自身で発信者情報開示請求を裁判所に求めるのはなかなか難しいでしょう

 ですが、刑事手続の場合は警察が捜査として事件を進める中で、書込んだ人物を特定していくのでお金がかかりません

 

 

 

 

Point その2 鉛筆

労力的負担が少ない

 

 要は発信者情報開示請求で行う手続きを、警察が捜査としてかわりに行います

 具体的には警察がウェブサイトに対する捜査関係照会を行い、さらに警察がプロバイダーに対して便宜上、捜索差押許可状を取得し、書込みを行った人物を特定するという流れになります

 なので、あなたが警察に対して事実を伝えれば、そこから先は警察が行ってくれます

 なぜ捜索差押許可状を取得するかの理由についての説明はここでは割愛します

 

 

 

 

Point その3 鉛筆

犯人特定後も警察が窓口になる

 

 いざ犯人特定後ですが、犯人に対する警告や取調べも警察が行いますので、あなたが直接交渉する必要がありません

 警察が窓口になることで犯人にも事の重大さを認識させその後の抑止につながりやすくなります

 なお、警察とのやりとりに負担を感じるようであれば、弁護士に依頼し、弁護士を警察との窓口にする方法もあります

 

 

 

 

Point その4 鉛筆

告訴期間に要注意

 

 犯人が誰かが判明した後6か月を経過すると告訴できなくなります

 なので告訴するか迷った場合、告訴を一旦しておき後で取り下げるという方法があります

 

 

 

 

 

警察とのやりとりの際のポイント

  • 最寄の警察署に電話しアポイントメントをとりましょう携帯
  • 面談当日はスクリーンショットを必ず持参する。なるべく紙でプリントアウトしますFAX
  • スクリーンショットには誹謗中傷の文言だけでなく書込みされた日時サイトURLが表示されるようにしておきましょう
  • 面談の際、担当警察官の名前だけでなく階級・役職を記録しておくと、後に弁護士に相談する際にスムーズに進むメモ
  • 担当警察の対応に不満がある場合、弁護士に相談してみましょう

 

 

 

Q&A

Q 所属芸能事務所(会社)に知られたくないないのですが可能でしょうかはてなマーク

 A 知られずに進めることは十分可能です

 

Q 警察に行ったら名誉毀損に該当しないから捜査できないと言われました・・・汗

 A あきらめる前に一度弁護士に相談してみてください

 

Q 犯人特定までどれくらいの時間がかかりますかはてなマーク

 A 事件によりますが数か月はかかる場合が多いです

 

Q 警察に何らかの費用やお金を支払う必要はあるのですかあせる

 A 警察に支払わなければならない費用はありません

 

 

 

 

 

SNS上の誹謗中傷が深刻な社会問題になっています・・・

 

 

 

 

 

私の今回のブログではほんの触りの情報になりますが、何か困っている方の具体的糸口になればと思い紹介させていただきました