「トンイ」では、チャン・ヒビンの息子は、無精子症か虚勢症であるように医者から診断される。
このドラマでのチャンヒビンがいささか視聴者の同情を誘うのは、必ずしも自分一身のエゴ、欲心が同機というわけではなくて、実兄の悪計や実母の行き過ぎた計略が、次々にチャンヒビンの思惑を越えて実行されてしまう。
そしてチャンヒビンが肉親の情愛を優先して、あと追い的に悪計を正当化して参画していく。
このチャンヒビンの非自主的な悪と、子どもを思いやる母親としての心情につき動かされて悪の深みにはまって行くところが、私たちにいささかでも、チャンヒビンに対していっきくの涙を流させる。
元々、韓国国内に流布されているチャンヒビンのイメージは、「トンイ」のチャンヒビンと違って、あのキムヘスのチャンヒビンが一般的解釈に近いらしい。
キムヘスのチャンヒビンでは、息子の性的な異常、障害はチャンヒビンが何かのおりに誤って、息子の股間をギュッとつねった事が原因とされていて、実際に、ドラマチャンヒビンに一瞬、キムヘスのチャンヒビンが息子の股間をなぜかギュッと握る場面がある。
トンイのほうはそういう解釈をせず、何かの不慮の病気という事にしてある。