今月の硬筆課題文は・・・ | 書道教室 墨屋好文堂

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前回は老子の無為自然の思想について少しだけ書きました。

察しの良い方なら今月の硬筆課題文はそれ関連でしょ、となると察した僕はその裏をかき違うものをご用意いたしました。

ほんとのところは、無為の教えは子供の課題文にはむいてないと思ってのことです。何もするな、と言ってほんとになんも為さなくなったら怖いので。


そもそもは日本の「道徳教育」が再び・・・というところから入っていったわけなんですけど、

昔の日本ではどうやって道徳教育をしていたのかというと、神道、仏教において。あとは確か、江戸時代には有名な寺子屋で論語(儒教)教育が為されていましたよね。 (その江戸の教育力、寺子屋については以前にこちら で)

その後はというと、明治時代から戦後までの間に成立していたのが、日本政府による国家宗教の国家神道。しかし戦後、国家神道の廃止が為されたため道徳教育の基盤も無くなってしまい現在に至るわけです。


現代において諸外国の道徳教育は宗教によって当たり前に為されています
そういえば、昨年か一昨年にNHKで中国における儒教復活のドキュメンタリー番組をやっていたのを思い出しました。たぶんそれと同時期に、孔子の映画やドラマが立て続けに公開されてたんですけど、なぜ今になって孔子なんだろうと当時は不思議に思っていました。ここ最近の映画では、イップ・マン(ブルース・リーの師)の映画が何本も作られていました(中国武術にも儒教精神が流れている)。最近の作品の中でも大作なのが『グランドマスター』という映画です。あと以前にこちら でもイップ・マン映画を紹介していましたね。


で、なんで今儒教なんだろう?という疑問はこちらでなんとなく解決できます。↓

中国における儒教のルネッサンス
― 共産党の政権強化の切り札となるか ― 
より、

(2010年の記事です)

”今年の1月に北京の天安門のすぐ近くに巨大な孔子像が現れた。これに象徴されるように、近年、中国において、儒教が静かに復活している。その背景には、1990年代以降、海外ではソ連が解体し、中国では市場経済化が進んだことを受けて、共産主義の求心力が低下する中で、道徳による社会秩序の維持や民主主義と一線を画す「仁政」を中心とする儒家の思想を、共産党が政権強化の手段として利用しようとしていることがある。”


”歴代の王朝は、政権を維持するために、孔子を尊敬し、その教えである儒教を実践することを標榜したが、1919年の「五四運動」(ヴェルサイユ条約の内容に対する不満から発生した反日、反帝国主義を掲げる大衆運動)や70年代前半の文化大革命の最中において、孔子と儒教は封建主義の象徴として厳しく批判された。しかし、近年、次の一連の出来事を通じて、再び脚光を浴びるようになった。”


文革の時に孔子は排斥されてしまっていたようです。中国ではずっと儒教精神が当たり前のように浸透しているのかと思っていたのだけどまったくの誤解だったんですね。だから今、国策として孔子やイップ・マンの映画が量産されていたわけなんですかね。

それにしても、孔子の論語。懐かしいですね。このブログでも2010年に『知って得する論語』というテーマでシリーズ化させてましたけど、なにを書いてたか忘れちゃいましたね。時間のある時にまた振り返ろう。

というわけで今月の課題文は、宗教による道徳教育を、ということで『タルムード』からの出題でございます。

こちらはユダヤ教の聖典ですね。

「無為」を目指す前にやることが子供にはありますね。知識を沢山得て、それを頭で知ろうとするのではなく体内に入れて咀嚼吸収することで知恵に変え、それを人のためにどう生かすかを考えねばなりません。そこでピッタリなこのユダヤの教え。

タルムード。タルるート じゃないよ。(世代が違うと通じない)


なんでも、ユダヤ人の平均IQは120で、ノーベル賞受賞者の約30%がユダヤ人
(ユダヤ人の総人口は1300-1400万人といわれ、その割合は世界の人口の約0.2%である)で、世界の大富豪にはユダヤ人が多く、ユダヤでは子供に 3歳で読み書きの勉強を教え、5~6歳頃には、聖書の読み書きができるようになるんだそうです。


では今月の課題を。

タルムードは短い言葉で軽快かつ簡潔に述べられていて硬筆課題にも取り入れやすかったので今月は原文のままいくつか選び課題文としました。

・失敗を恐れる方が失敗をするより悪い。

・相手の立場に立たずに人を判断するな。

・一日勉強しなければ、それを取り戻すのに二日かかる。

・行動は言葉よりも声が大きい。

・自分のことだけ考えている人間は自分である資格すらない。

・追い込まれても勝負を捨てない。

・出会った人すべてからなにかを学べる人こそ世の中で最も賢い。

・人間は誰しも大差はない。

・目が見えないよりも、心が見えない方が恐ろしい。

・強い人、それは自分を抑えることができる人。



それでは今月もよろしくお願いします。