映画を観てきたこともあり、
最近また、よく「なぜ生きる」ということについて考えます。
この患者さんにとって、家族にとって、
命を延ばすことは、本当に喜ばしい事だったのか、
と、悩まずにおれないことは、少なくありません。
高齢化がますます進む中、
この問題は、一層深刻になっていく気がします。
■なぜ生きる
つらい思いをして病魔と闘う目的は、
ただ生きることではなく、幸福になることでしょう。
「もしあの医療で命長らえることがなかったら、
この幸せにはなれなかった」と、
生命の歓喜を得てこそ、真に医学が生かされるのではないでしょうか。
世の中ただ「生きよ、生きよ」「がんばって生きよ」の合唱で、
「苦しくとも生きねばならぬ理由は何か」
誰も考えず、知ろうともせず、問題にされることもありません。
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「もう少し病院においてもらえないでしょうか」
患者本人に言われることもあれば、
家族が仰ることもあります。
退院することは、本来ならば喜ばしい事のはずですが、
残念ながら、そうではない場合もあります
年は老い、身体は衰え、
トイレは近く、耳は遠く、
いつも一緒にいるほど、心は離れ、
かつての面影が、今の姿を余計みじめにさせる。
そこまでして、何のために生きるのか。
生きる意味を問わずにおれなくなります。
年老い、
病に耐えて、
やがて散りゆく命と知って、
それでも、生きる目的は何なのか。
「本当の人生の目的を達成したとき、
一切の苦労は報われ、
流した涙の一滴一滴が、真珠の玉となって戻るのです。」
この、「なぜ生きる」の一節にあるような、
そんな生き方をしたいものです。
映画も、もう一度観てこようかなと思っています。
映画館の情報などは、映画「なぜ生きる」のホームページにもあります。