「ビジネスモデル全史」★★★★☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「経営戦略全史」での感想と近いのだが、ビジネスモデルの成功もまた、結果論だったり、後付け解釈だったりすることが少なくないと思う。

 

そう思う事例としては、

 

アマゾンの物流投資は当時アナリストやコンサルタントにさんざん酷評され、株価は5ドルまで下がったが、今ではその物流機能が大きな成功要因のひとつと言われている。

 

アップルは、当時の(今でも?)常識だった水平分業ではなく垂直統合モデルを志向し、また儲け方の常識だった本体を安く売ってサービスやソフトで儲ける替え刃モデルの逆の戦略(iPodを高価に売ってコンテンツは安くした)をとったが、今や世界の時価総額トップ企業になっている。

 

BCGのレポートによれば、ビジネスモデルの革新に成功したとしても、その競争優位の持続期間は5~10年のみ。

 

など。

 

ただ、ビジネスモデルの分析や思考は決してムダにはならず、よいアイディアを思いついたり、儲けのチャンスをつかんだり、といった形で、どこかで必ず活きるのではないかと思う。

 

チャンスをものにできる確率は、(競争に勝ちたい、ではなく)何かを創造したいという想いの熱量と試行(思考)錯誤の量に比例するのではないか。

 

 

以下、備忘

 

「これまでより10倍挑戦して5倍失敗して、2倍成功すればいい」(元ヤフー・宮坂学氏)

 

狂おしいほど魅力あるコンピュータをデザインしようと思えば、すべてをコントロールする必要が当然ある。(スティーブ・ジョブズ)

 

高マージンなハードの魅力を維持・向上できるなら、ほかのものはタダでもよい。(スティーブ・ジョブズ)

 

①頭のいい社員は仕事をしない②最も頭のいい人間の大半は、企業のためには働かない③よって、イノベーションはよそ(企業の外部)で生まれる。(ビル・ジョイ)

 

ジェフ・ベゾスは尋ねられても決して競合の名前を挙げない。目指すものは、競合の打破でも真似でもなく、顧客を起点としたビジネスの創造。

 

「似たようなことをやっている会社を負かそうとする、そんな仕事のどこが面白い?」「イノベーションがそんなところから生まれた例はほとんどない」「競争より創造」(ラリー・ペイジ)

 

村田製作所の強みは、100人の若き意思決定者(希少人材)の大量育成。

 

日東電工は選択と集中をあえてしない。「片目をつぶって片足を出す」勇気を求める、試行錯誤のビジネスモデル。

 

勝つ負けるではない。協調や協力によって、相手にどれだけの価値を与えられるか、…相手や競合との勝負ではなく、自分たちがどれだけ高速に試行錯誤ができるか、の勝負(三谷宏冶氏)

 

 

リンカーズ