川越style「マドモアゼル ルゥルゥ」帽子、雑貨、刺繍教室のお店 大正浪漫夢通り | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真


 

本川越駅からクレアモールを北へ、
県道を越えて進むと、通りの両端に大正レトロな建物が立ち並ぶ、大正浪漫夢通りへと足を踏み入れる。
建物を臨みながら歩いて行くと、いつしか気持ちは大正時代へタイムスリップ。
うん?一軒の古民家に惹きつけられる。。。

戸に印象的なステンドグラスが嵌め込まれたお店が目にはいります。
道往く人が見つけると思わず声を上げるステングラス、
ガラガラと戸を引くと、中には想像もしていなかった空間が・・・!
大正レトロな雰囲気を醸しつつ、帽子や雑貨などがずらりと並んたお店。
大正浪漫夢通りにぴったりな雰囲気は、新しいお店ではあるものの、
いや、ずっと前からこの通りでお店を構えているような感覚も覚える。
しかし、よくよく掘り下げていくと、ああ!この通りにこんなにしっくりくるのは、そういう理由があったためだったのか、というストーリーが隠されている。。。
大正浪漫夢通りストーリーを体現しているようなお店、
2016年12月、大正浪漫夢通りに新しく出来たお店が、「マドモアゼル ルゥルゥ」さんです。

 

お店の場所は大正浪漫夢通り。
ちょうど、『プリア』でお馴染みの「川越陣力屋」さんの隣です。
ルゥルゥさんは、手作り帽子、雑貨、手刺繍雑貨などを扱うお店。
松本さんとシマヅさんという二人の女性が切り盛りしているお店です。
店内はそう、大正浪漫薫る雰囲気で、特に見上げてみて欲しい、照明がなんとも素敵なのです。さらに天井は古い建物そのものを生かしていて、雰囲気に重みを与えている。
帽子は松本さんによる手作り、シマヅさんの刺繍を合わせ、二人の作品が並びます。
他にも、落ち着いたナチュラル感溢れる様々な雑貨が並び、ついつい長居している場。
手作りする人のために、刺繍糸や生地なども豊富に揃えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店内にはテーブル・椅子もあって、お喋りを楽しみながら空間に浸ることができる。
また、販売のみならず、店内では刺繍教室や洋裁教室も開催し、
他にも様々なワークショップを開催したいと二人は構想を練っていて、
お店を人が集まるコミュニティとして発展させていきたい、と二人は話します。
あんなことやこんなことを、大正浪漫の雰囲気の空間でいろんな体験をしてもらいたい・・・
夢はどこまでも広がっていく。
大正浪漫夢通り沿いに、こういうテイストのお店が出来たことが新しい時代を感じさせます。
川越には、古い建物を利用した雑貨店がいくつもありますが、
一番街と違う、昭和の街とも違う、大正浪漫の通りの古い建物に、
ナチュラル感のお店が出来たことが新しく、想像以上に通りにぴったり。

 

 

そう、考えてみればこの辺一帯は、
織り、編み、刺繍文化が定着していることも見逃せません。
ルゥルゥの手刺繍雑貨はもちろん、
ルゥルゥのすぐ隣には「川越手織り工房さをり」さんがあり、
通りには毛糸・手芸・ソーイング用品の「山久」さんもあり、
脇道を入った先には、「旧川越織物市場」がある地域でもあります。

(旧川越織物市場)
織物で栄えた川越が、歴史・文化は面々と今に受け継がれ、
その一つにルゥルゥというお店に現れていると感じずにはいられない。。。
 

マドモアゼル ルゥルゥの二人は、どこで知り合って一緒にお店を立ち上げようと思ったのでしょう。
そこに、大正浪漫夢通りらしいストーリーがあり、
間違いなくこの通りがあったからこそ、二人は出会い、引き寄せられた。
実は二人とも、大正浪漫夢通りに別々のお店を構えていて、
通りを利用している人なら、充分過ぎるくらいご存知でしょうが、
それぞれルゥルゥから歩いてすぐのところにある、
松本さんの帽子と雑貨の店「Blue Fairy」と、
シマヅさんお刺しゅう教室と雑貨店「iroiro」という二つの小さなお店でした。
当時使っていた看板が今の店内にもありました。

(Blue Fairy)
 

(iroito)
 

商店街の中で、別々のお店が一つになって新しいお店を作り上げる、
こういうケースは川越でもほとんど見られず、今後もそうそう実現できるものではないはず。
どちらのお店も温かい雰囲気で以前から根強いファンがいて、
また、Blue Fairyさんが好きな人はiroiroさんも好きで、その逆もしかり、
簡単にはしごできる立地が、さらに二つのお店の結びつきを強くしました。
二つのお店が合体するニュースは、こんなにハッピーな組み合わせはないと、
お客さんから「え!あのお店が一緒になるんだ!」と好意的に受け入れられ、
周りの商店街のお店jからも「一緒になるんだね。よかったね!」と多くの人に祝福された。
普通に考えたら、二つのお店が一つになることに
ここまで温かい反応ってあるものだろうかと思いますが、
二人の雰囲気に、同じ大正浪漫夢通りというお店同士で染まったテイストは、
一緒になることに何の違和感も生じなかった。

 

 

 

 

そうは言っても不思議に思うことがあるでしょう、
一体、二人はどういう経緯で大正浪漫夢通りに辿り着き、一緒にお店をやることになったのか。。。
まさに、大正浪漫夢通りが紡いだ縁は、
まず、「iroito」さんがあったのは、山久さんのすぐ隣。
それまではネットショップがメインで活動していたiroitoのシマヅさんは、
対面で販売したいと一念発起し実店舗を構えることを決意。
運命的に大正浪漫夢通りの空き物件に出会い、2014年2月にオープンしたお店でした。
当時から刺繍教室も開催していました。
シマヅさんはもともと、グラフィックデザイナーの仕事をしていて、
クライアントの依頼で手仕事の制作をしたことから、手で自分の作品を作ることに開眼した。
2010年頃から刺繍を始め、あっという間にはまり、この道を進んで行こうと定める。
「それまでは、顧客とパソコンだけに向かう日々でしたが、お店を開くと毎日たくさんの人と顔を合わせる。それが新鮮で刺激的でした」と話します。
 
一方の「Blue Fairy」さんと言えば、大正浪漫夢通りで5年もお店を構えていたことは記憶に新しい。
あるいは一般的に、「モヤさま」に登場したお店と言えば、ああ!とピンとくる人もいるのではないでしょうか。着物の「MiZU-AME」さんがある建物の二階にありました。

 

 

(「MiZU-AME」着物をもっと可愛く普段着に
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11562334984.html
松本さんは、2001年に人に依頼されて帽子を制作した時に「Blue Fairy」を名乗り、帽子作家として活動をスタート。
大きな転機となったのは、大正浪漫夢通りに2001年にオープンした「チャレンジショップ夢乃市」のことを挙げる。
現在のルゥルゥの向かいあたりに店舗があり、当時チャレンジショップという取り組みは画期的で多数のメディアにも取り上げられました。
地域活性化を目指し、川越市で起業・創業したい人に店舗を貸し経営のノウハウや独立開業の支援をするプロジェクトは、独立希望のたくさんの人がお店を経験し、ここから巣立っていった。
(例えば夢乃市第一期生には、一番街の「ベトナム小粋雑貨サニーサイドテラス」さんがいます)
Blue Fairyの松本さんは第三期生として夢乃市で一年間営業していました。
その後、紆余曲折ありながらMiZU-AMEさんの二階で自身のお店Blue Fairyを構え、
さらに5年後、2016年12月にマドモアゼル ルゥルゥをオープンしました。
振り返ると、チャレンジショップから始まり、二階のお店、現在のお店と、
一貫して大正浪漫夢通りが拠点だったことが分かります。
離れようとしても離れられない、
この通りに愛され、この通りで生きていくことを運命づけられているような人。
ちなみに松本さんは、帽子制作に留まらず、
洋裁の困りごとはこちらへ的にいろんな依頼が舞い込み、応えていることも知られている。
川越リトルプリンステニスクラブのマスコットキャラクターであり、
宇宙最強のテニスプレイヤー「テニボ君」の洋服を作ったのは実は松本さん。

(「小江戸蔵里キャラクター祭り Reply」2016年11月5日(土)、6日(日)
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12209912325.html
 
お互い同じ通りでお店を運営していましたが、それでも、一緒にお店をやるに突き進んでいくには、
まだまだ大きなきっかけが必要だった。
最後の一押しになったのが・・・
ここで、もう一人の人物を紹介する必要があります。
現ルゥルゥがある建物で、ルゥルゥの以前にあったお店が「空想工房」さん、
空想工房の山口さんがまさに二人の接着材役になった話しは避けて通れません。
今考えると、同じ通りに、「Blue Fairy」、「iroito」、「空想工房」という個性的なお店があったことは奇跡的。
3人はクリエイター同士意気投合し、大正浪漫夢通りへの想いもひと一倍持ち、
この通りを盛り上げようと動き始める。
そこから生まれたのが、2016年4月に小江戸蔵里で開催された「大正浪漫夢通り三人展」でした。
大正浪漫夢通りで繋がった3人による展示という、斬新な切り口の展覧会でした。

 

(「大正浪漫夢通り三人展」2016年4月)
この展覧会をきっかけにして、松本さんとシマヅさんは、二人でお店をやることを決意。
「今考えると、あの展覧会がなかったらこのお店はなかったかもしれない」
と二人は頷きながら振り返っていました。
 
二人が新しいお店をオープンしても、三人の繋がりは終わらない。
空想工房さんがお店で提供していた人気菓子「金の成る木焼き」は、
なんとマドモアゼル ルゥルゥが引き継ぎ、
今では松本さんとシマヅさんが手作りして、店頭で販売しているのです。(!)
なぜお店に焼き菓子が?という疑問は、
大正浪漫夢通りならではのストーリーが潜まれていたのでした。

ルゥルゥの名物というか、大正浪漫夢通りの名物に育っていって欲しいと話しています。
その名称からは想像できないような優しい味で、大正浪漫にぴったりの味。
食、というのもルゥルゥを構成する大事な要素かもしれない。
そうそう、今年のお正月には、店頭で金の成る木焼き含め、温かいドリンクを用意して、初詣客に振舞っていた

(正月に店頭販売する松本さん)
 
実は、ここで知られざる素顔を知らせる時が来ました。きっと誰もが驚くでしょう。。。
店主の一人、松本さんは、帽子作家という枠に捉われず、
歌やダンス、芝居といったパフォーマーとしても知られ、
その躍動する雄姿はこの三年間間近に見てきました。
たぶんこれから紹介する話しは、
帽子作家さんが舞台でパフォーマンスを?と意外に思われるかもしれませんが、
いや、松本さんの中では帽子作りも舞台作りも繋がっているもので、一貫している。
今日はこの帽子にしよう、やっぱりこっちかな、という帽子のワクワク感、
目の前で華麗な舞台が繰り広げられるワクワク感。非日常の楽しみとして共通していた。
舞台というのは特にミュージカル。
川越でミュージカルと言えばとい存在、元宝塚歌劇団の飛翔ひかるさん率いる「ミュージカルカンパニーすてっぷ1」の公演に毎年のように参加しています。
そう、考えてみれば、松本さんの帽子はミュージカルにそのまま使えような雰囲気があり、舞台映えするような帽子だと気づく。
舞台に向けてはいつも、Blue Fairyを運営しながら時間を縫って稽古に励んでいた松本さん、
二つを両立してこれたのは、なにより舞台が好きで、あの非日常空間が大好きだったからに他ならない。
もちこんこれからも、ルゥルゥを続けながらミュージカルの舞台に立ち続けたいと話しています。
昨年は、2016年8月26日、27日川越市民会館やまぶき会館に行われた
ミュージカル「ZORRO~マスクの下の涙」に出演して多くの観客を魅了しました。
松本さんは、出演するのみならず、一部衣装の制作協力もしています。

 

 

 

(ミュージカル「ZORRO~マスクの下の涙」2016年8月26日、27日川越市民会館やまぶき会館
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12195421060.html
 
2015年8月には、シェイクスピアの不朽の名作、「ロミオとジュリエット」の舞台に出演。

 

 

(「ミュージカル『ロミオとジュリエット』 レビュー『flap!』」2015年8月28日29日
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12068215748.html
 
そして、2014年公演、この年から松本さんはすてっぷ1の舞台に上がるようになって今に続いています。
記念すべき舞台は、これもシェイクスピアの「ハムレット」。

 

 

 

 

「チャリティーロックミュージカル『ハムレット』」2014年8月31日川越市民会館大ホール
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11920372875.html
 
それに、2016年5月の川越青年会議所のメイン事業「こころおどるKAWAGOEフェスタ」では、
昭和のファッションショーにすてっぷ1の一人として参加し、レトロな服装で颯爽と登場しました。


 

 

(「こころおどるKAWAGOEフェスタ」2016年5月5日仲町交差点~連雀町交差点、蓮馨寺

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12157801130.html )

 

という、川越の街をミュージカルの非日常空間に彩ってきたこれまで。

さらに言えば・・・やまぶき会館だけではなく、

実はなんと、ここ大正浪漫夢通りをすてっぷ1がミュージカル舞台に仕立て上げたこともありました。

 

 

(2015年7月川越百万灯夏まつりより)


大正レトロな町並みに合わせるように、どこか懐かしいようなショーを魅せたすてっぷ1。
これに限らず、大正浪漫夢通りは、いろんなイベントの舞台になることも多くあり、
非日常の楽しさも体感できる通りである。
誰もがすぐに思い浮かべるあろう、春の鯉のぼりはたくさんの人が見上げ、記念写真に収める恒例行事。

 
川越のイベントでは、大正浪漫夢通りを舞台にしたものも多くあり、
毎年GWに行われる「川越igoキッズまつり」は大変賑わいます。

(「川越igoキッズまつり」大正浪漫夢通り)
 

(2016年に行われた大正浪漫夢通りイルミネーション)
 
大正浪漫夢通りから発信する川越の魅力、
二人が先に見据えているのは、この通りの魅力を生かして楽しいことをやる。
「例えば、大正浪漫のレトロな服を作って、この通りを背景にして写真撮ってもらったら楽しいはず」
食べ歩きの手には、そうだ、成る木焼きがあってもいい。アイディアはどこまでも羽ばたいていく。
いわゆる着物とは違う、大正レトロな装いを発信することが、
通りの魅力を高めていくことになるはず、と想いは一致している。
大正浪漫夢通りへの思いはどこまでも深い。
それはあの、展覧会でも存分に感じられたものだった。。。
「大正浪漫夢通り三人展」で、実は、自身の作品だけでなく、
三人を繋げた大事な要素である、『大正浪漫夢通り』も作品として発表されていたのです。
通りにある昔ながらの建物をモチーフにして、一つ一つ手作りで制作した、
手作り大正浪漫夢通りも展示されていました。

 

 
マドモアゼル ルゥルゥ、大正浪漫夢通りの魅力を発信する地として、
これからの活躍が期待されます。♪

「マドモアゼル ルゥルゥ」
川越市連雀町11−5 大正浪漫夢通り
11:00~17:00
定休日水曜日
049-298-5558
帽子に関する問い合わせは
080-6523-9677 松本まで