川越style「ちいろば」子どもを育てるおもちゃ ヨーロッパの輸入おもちゃ屋さん | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

35年以上経っていることが信じられない。

今作られたようなしっかりとした作り、丈夫さで、きっとこの先もまた数十年と使えるものでしょう。

本物が在り続けるって、本当に大変なこと。

本物の姿形を簡単に真似しただけの、鮮やかな色彩にして目立たせただけの、

おもちゃなんだけど中身がないようなおもちゃが店頭に溢れ、浸食されている現実。
そこに果敢に一石を投じる、ということをもう26年、

いやその前の活動から数えると35年以上、投じ続けてきたこれまで。

このおもちゃのお店が世に問い続けてきた功績は大きい。。。

それが、ちいろばさん。


お店があるのは、川越駅西口から真っ直ぐ進んでウェスタ川越を過ぎ、16号線を越える。
 

 

最初の信号、八汐物産とファミリーマートがある交差点を右折すると、

 

すぐ左手に赤茶色の建物が見えます。
  




 




 

1990年11月にオープンした輸入おもちゃ販売店「ちいろば」さん。
店内はとにかく、子どものためのおもちゃが所狭しと並んで 子どものための世界が広がっています。

乳幼児向けおもちゃ、幼児~小学生向けおもちゃ、

積木、パズル・ゲーム、工作・クラフト、乗り物・家具、ユニバーサルデザイン、本、頭の体操

と様々なものがあります。

「子どもの感性をゆたかに育てたい」と、良質のおもちゃを紹介しています。
良いおもちゃとは、子どもの探求心をくすぐり、発見させ、喜びを与えてくれるもの。

良いおもちゃで遊んでいるとき、子どもたちはとても静かに集中しています。

五感を働かせ、想像して創造することで心と体を成長させている。
そんな体験をさせてくれたおもちゃは、いつまでも心に残っています。
ちいろばで取り扱っているほとんどのおもちゃは店頭で実際に見て、触って(遊んで)確かめられる。

 

ヨーロッパのおもちゃを中心にして、

 

おもちゃなら木、人形なら綿や絹、ウール、本革など自然素材のものを選んでいます。

プラスチックはジョイントに使われているくらいか、

あるいはプラスチックでしかできないものはプラスチックに任せる、

木を使った方がいいものになるのに安易にプラスチックに代わらせるようなおもちゃは避け、

という考え、思想がお店にある。

子どものため、自然素材、と突き詰めていくと圧倒的に「木」を選ぶことが多くなり、

そしてお店は木のおもちゃがいっぱい。





  

おもちゃの概念が変わるお店。

おもちゃ屋、と言っても、

よく見かける大手量販店的なおもちゃ屋さんとは趣きが少し異なることは、

お店に入ってすぐに気付くことでしょう。

カラフル、音が出る、というおもちゃはここにはなく、

店内はいたって静かで、色合いも落ち着いている。

その様子に、あまりにも刺激の強いおもちゃに慣れている感覚からだと、

地味で物足りないものと映るかもしれない。

でも。

大切なことというのはすぐには伝わらないし、分からない。

時間をかけて身体で覚えてゆくのだとしたら、

ここのおもちゃはまさにそういうもの。

単に、少しの時間の埋め合わせ、遊んでくれてればいい、ではなく、

大量生産大量消費という使い捨てのおもちゃでもない。、

ちいろばにあるのは、人を育てるためのおもちゃ、いや、道具と言った方がいいかもしれない。

こういう「本当」がすぐには伝わらないもどかしさがある、

少なくとも川越では、もっとちいろばが知られていいし、

もっと言うと、子どもだからこのくらいでいいや、ではなく、

子どものためのものだからこそいい物を与えよう、という感覚が広まって欲しい。

一見すると、値段が高いかもしれない。

ただこれを、それこそ親子三代で使うとしたら・・・??むしろ安く感じます。

樹齢100年の木なら、おもちゃとして100年は持ちます。

さらに、一本の木をくり抜いて作ったおもちゃはちょっとやそっとでは壊れない丈夫さがある。

質が良いことは子どもたちは直感で分かり、大事に扱う、

それでまた長持ちするという循環があります。

少し前に川越にできた古道具屋さんを紹介しました。

長い時間を経たものを大切にすることと、

子どものためのものを考えることは、実はどこかで繋がっているように思うのです。

物を大切にする心は、突然生まれるものではなく、小さい頃からの体験が影響するなら、

ちいろばが果たしている意味は大きいと思います。


 

 

 

 



 


ヨーロッパのおもちゃメーカーを聞くと、

ドイツのものが一番多く、それ以外にスイス、フランス、イギリス、イタリア、フィンランド、スウェーデン、

ロシアのマトリョーシカは、良く見ていると、当然ながらという感じで手描きで描かれていました。

特にドイツとスイスのおもちゃが多く、両国はおもちゃ作りもさかんな国。

それも考えに考え抜かれた思想が籠められたおもちゃを世に送り出している国です。

それは、哲学者を数多く輩出している国であることと無関係ではないかもしれない。

だから子どもだけでなく、大人も楽しめるものでもある。

200年前からあるメーカーというのもざらにあり、

ヨーロッパのおもちゃは、なんだろう、明らかに日本のものとは違うんです。

ヨーロッパの職人の気質というか国民性なのでしょう。

日本は、おもちゃだけでなく全てにおいて、職人が技を注ぎ込んで完璧なものを目指す文化ですが、

ヨーロッパの職人が一つ一つ手作りするおもちゃは、もちろん質が高いのはもちろんですが、

どこかユーモアがあって愛嬌があって、そう、「遊び」があるんです。

木で作られた人形も、紐を引いてみると手足などが動く仕掛けになっていて、

こういうものを作ろうという感性って日本にはない。


工房近くにある森から切り出したブナや楓などの木を長い年月かけて乾燥させて、おもちゃに使用される。この乾燥工程を含めれば、5年ほどは掛かるおもちゃ作り。

 

おもちゃにまつわるこんな話しがあります。

 

ちいろばの奥にあるショーケースに並んだ人形たち。

民族衣装を身に纏った人々の生活風景がモチーフになっていて、

着ている服や道具などそのまま200年前を感じさせる精巧なもので、

「当時はこういう服を着ていたんだ」と時代考証できるほどで、おもちゃの枠を超えた資料的。

今見ると可愛らしいレトロ感をまとっています。




 

 

 

この人形たちが語りかけるおもちゃの歴史。。。

 

 

ドイツのザイフェン村は別名おもちゃ村とも呼ばれているくらい、

 

精巧な手作りおもちゃの文化が根付いている。

もともとは錫(すず)資源が豊富だったザイフェンは、

錫を掘り出すことが村の仕事というくらい生活に直結していた。



(ちいろばではザイフェンはじめ錫細工の飾りも豊富にあります)

しかし、資源はいつだって有限、時代と共に錫が枯渇していった時に、

これからどうやってお金を稼ぐか、生きていくか、

長い冬を越えるために内職をしようと作り出したのが、

くるみ割り人形であったり、煙り出し人形といったおもちゃ。

一つの季節をかけて手作りして溜めては、

暖かい春になるとおもちゃを背に行商に出かけ、売り歩いていた。

そうしておもちゃを作ることが、錫に替わる村の仕事になっていったという歴史がある。

おもちゃメーカーに生まれ変わり、代々技が受け継がれ、

現代ではおもちゃであり伝統工芸品でもある手仕事品として

工房で職人たちが一つ一つ手作りしています。

 

そうそう、錫の歴史をモチーフにした錫坑(すずこう)の人形は今でも作られています。

 

炭を掘るのが炭坑なら、錫は錫坑。

自分たちの街の歴史、アイデンティティーを籠め伝えていこうとする文化がある。

工房といっても家族経営の小さなところが多く、

下の代がバトンを受け取らないとたちまち閉めざるをえないのは

日本の職人の世界、農業の世界などどこかで聞く状況と同じで、

ドイツでも年々「マイスター」と呼ばれる人が減り、今では数えるほどしかいない。。。

 

遠藤さんは東西ドイツ統一後、2010年にザイフェンに赴き、

 

自分のお店で扱うおもちゃを作る工房を見て回ったのだという。

工房では轆轤(ろくろ)で木のおもちゃを作る様子を見学するだけでなく、

ワークショップにも参加し、おもちゃに対する造詣を深めた。

一つのおもちゃに壮大な歴史、人々の思い、知恵、情熱が含まれていて、

単に可愛くて、レトロで、ファンタジーで、というのではない、土地の生活から生まれるもの。

もう自分たちが抱くおもちゃのイメージとは全く別の世界のもので、

おもちゃ、というものの認識が変わっていきます。

そういうものが、ちいろばで、というか川越で普通に手に入るという奇蹟。
 

ちいろばのおもちゃを見ていて不思議に思ったのが、

白木を使ったおもちゃが多い中で、

実は原色のおもちゃも意外に多く、そしてその色合いが全くどぎつくないのです。

子どもにとっては本当は刺激が強いであろう原色で、

こんなに穏やかな色合いなのは、なんでだろう。

それがヨーロッパの色合い、というものなのか、原色でも品があるんです。







ちいろばの遠藤富美子さんは、幼稚園の先生から、

旦那さんが以前からずっと勤めていた「ほるぷ」の川越営業所で一年ほど働いていました。

1970年代のことです。

のびのび育つ子どものために選び抜かれた基本図書、

選りすぐりの絵本や児童図書、図鑑と百科事典を家庭に届けるほるぷこども図書館。
川越営業所は一番街にありました。

ほるぷこども図書館が販売していた本のセットは、

子どもの本についての研究家・読書運動の実践家として永年の経験をもつ先生方が

研究成果のすべてを投入し年間3000点余出版されている児童書の中から厳選。

雑誌・マンガ・事典などを除き、

民話・昔話・知識と科学・創作もの・外国児童文学などすべてのジャンルから選定、

子どもの心の成長・発達に大切な役割を果たす内容の本が段階ごとに収められているものです。

 

本のセットを学校などに販売していたちょうどその時、

 

遠藤さんは、展示会でヨーロッパの木のおもちゃを知り、

「世の中にこんなものがあるんだ」と一目見て驚いた。

この時の体験が、のちのちいろばに繋がる源流点。

木のおしゃぶりなどは、これが本当に子ども向けのもの?というくらい丁寧に作り込まれていた。

それまで子ども用と言えば、

幼稚園では「家でいらなくなったおもちゃや本があったら寄付してください」とお願いしていたような状況で、

そうして集まったものは質が良いとは言えず、

川越近辺で上質な絵本を手に入れようとしても書店にまず並んでいない、

おもちゃだって絵本だって子どもの環境は、まだまだ見直されるまで月日が必要な時代でした。

そんな時代に、

子どものものだからこそ質の良いものを、という

木のおもちゃから伝わる発想は、それまでの日本にはないものだった。


ほるぷを離れた遠藤さんは、子どもに関わる仕事を続けたいと

店舗なし書店として学校、幼稚園、保育園に質の高い本を紹介し販売していました。

この時の名前が、「ちいろば書房」。ちいろばは小さいロバのことです。

子ども向けの本は質の高いものがどんどん世に出てきていましたが、

しかし反対におもちゃは・・・まだまだ惨憺たる状況で、
やがて、

「あの時見た、『木のおもちゃ』がいいのではないか。おもちゃを紹介しなくては」と思い立ち、

意識が木のおもちゃにシフトしていった。

街を見渡してもあのようなおもちゃどこにも置いてない、

新時代の幕開け、おもちゃ元年が今なんだと確信して動き出した。

 

では、どこの会社のおもちゃがいいのかと考えを詰めていた時に、

 

ここでほるぷでの体験が活きた。あの、木のおもちゃ。

ほるぷで見たパンフレットに書かれていたのが、ニキティキ。

ニキティキは、1971年からドイツ、スイスなどを中心に、

その国の文化に育まれたおもちゃを日本に輸入している会社です。

「ここに訊いてみよう!おもちゃはあそこしかない」

体当たりで掛け合った結果、半年後に取り扱いが始まり、幼稚園、保育園に販売を始めた。

出かけていったのは川越のみならず埼玉県各地、

先生たちの研修会があれば顔を出しおもちゃを紹介していた。

北は北海道、南は九州、車にサンプルをいっぱいに積んでは出かけていった。

当時は店舗はなく、10年経った頃に、今の場所にちいろばの店舗を構えました。

それから今年で26年目。

地道に、こつこつと、子どもたちに本物を届けてきました。

 

店内には童具デザイナー和久洋三作の積木も置かれている。

 

この積木はちいろばで定番人気の積木で、

そして販売するのみならず、なんとこの積木を使ったイベントも定期的に開催しているのです。

ちいろば主催の積木のイベントは毎年年に二回ほど行われていて、毎回大好評なイベントです。

今年は5月に、

2016年5月21日(土)「初めての積木遊び体験クラス」、

5月22日(日)「ちいろば親子積木大会」と二日間に亘って開催されました。

積み木イベントは・・・このお店の中で??と思った人もいるでしょう。

いえいえ、他に場所を借りて行っている一大イベントなんです。

積み木大会はこの5月で30回目となりました。

いわゆる「積み木」というものの一般的な固定イメージは、

「いろんな形の積木がいくつかあって、それを積み上げて遊ぶ」というものでしょう。

それと比べたら、「こんな積み木遊びがあるんだ!」と、もうそのスケール感に圧倒されるはず。

ちいろばが積木イベントの場所として借りているのが、

川越の豊田町にある「あしたばこども園」。温もりある木の園舎が特長の園で、

積木イベントを行う広さ、雰囲気ともぴったり。

あしたばこども園のことは二年以上前に記事にしました。

川越style

(「あしたば子ども園」みんな違って、みんないい。子どもは子どもらしく精一杯に

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11662579760.html






ちいろばの積木イベントの募集に、この日園舎に集まった10組以上の親子。

子どもの目線からまさに山のように積み上がった積木を見て、早くもテンションが上がっている様子。

「わあ!つみきがこんなにある!これぜんぶつかえるの??」

そうよ、これ全部使っていいから好きなもの作ってね、と遠藤さん。

その数なんと、5000個!

50個の間違いではないです、ゼロ二つ付いて5000個です。

この童具を作った和久さんも、ちいろばの遠藤さんも認めるように、

「積木は数が必要。少しの数で遊んでいても本当の積み木の魅力に気付かない。

たくさんの数があって、それを自由に使ってこそ、積み木の楽しさが分かる」。

これを子どもたちは全部使っていいのです。なんていう夢のイベント。。。

 

和久洋三さんが著した『おもちゃの選び方・与え方』から一部を抜粋します。

 

『私も、子どもの頃積み木遊びが大好きで、幾種かの積み木を組み合わせてよく遊びました。しかし、大がかりなものをつくろうとすると、すぐにピースがなくなってしまったり、積み上げていくうちに左右の高さ

が合わなくなったりしてがっかりしたことを覚えています。

それでも遊び続けるだけの魅力があったのは、今、お話ししたような奥の深い世界があったからなのでしょう。子ども時代は知る由もありませんでしたが、デザイナーとして積み木を創り続けてきてやっと見えてきたことです。

その中で、私がかつて、がっかりした部分をなんとしても改善して、子ども達が思いのままに創造活動ができる積み木を創らなければと思い続けてきました。

「うちの子はちっとも積み木で遊ばない」というお母さんがいます。原因はいろいろ考えられます。テレビ漬けで積極的に自分で遊びをつくりだすことに慣れていなかったり、あるいは親が干渉しすぎるといったことが原因になることもあります。しかし、そんなことより積み木そのものの内容や質が問題である場合が多いのです。

私は童具制作のかたわら、1~12歳の子ども達と活動を共にする『わくわく創造アトリエ』を開いています。子ども達と一緒に過ごさなければ、本当によい童具はつくれないと思っているからです。
その中で、やっと完成させた積み木があります。
積み木を創り始めて30年目のことです。

(和久洋三著/『おもちゃの選び方・与え方』より抜粋

 

和久さんは、東京都大田区にお店WAKU-SHOPを構えている他に、

 

童具館というサイトも運営しています。
http://www.dougukan.com/

 

和久さんの積木を使って始まった積み木大会、

 

子どもたちが一斉に箱から積木を出して床に並べていきます。







始めのうちは何個かを使って小さく組み立てていた子どもたちの様子は、

普段そのように積木で遊んでいるんでしょう、しかし、

横に目をやるとそんなものじゃ使い切れないほどの積木がまだまだ積み上げられている。

「あ、もっともっとたくさんつかっていいんだ」と直感的に気付いた子どもたちは、

時間が経つごとに、豪快に使い出していきました。


 







考えてみれば、家に積木はあっても、まずこんなにたくさんの数はないだろうし、

それに積木は散らばる、後片付けのことを考えると、意外に家では敬遠される遊びかも。

と認める親御さんもいましたが、

だから子どもの遊び方も始めは小さくまとまっていたのかもしれない。

親御さんはあくまでサポート役、応援役で、傍らで見守るのみ。

しかし、子どもたちの生き生きとした姿を見て、親御さんが一番驚いていたに違いない。

積木でこんなにも子どもが変わるなんて。

子どもたちは、もっと積み上げたい、もっと高く、そうだお城を作るんだ!大きな家を作りたい!

小さな世界が、それぞれの想像力が膨らんでいくのが表情を見ていれば分かる。

目がキラキラし、それはもう興奮しているのが一目瞭然。

そして遠藤さんも、「さあ、もっと積木あるよ。どんどん使ってね」と後押ししていった。

よし、こんな家が出来た、というところから「まだまだ積木あるからね」と背中を押された子どもたちは、

もっと大きくしよう、もっと高くしよう、と想像力の羽を刺激される。

よく見ると、話しに耳を傾けると

「お城のここに階段をつけたい」「ここはお庭」「ここは窓」などなんとディテールにこだわっていて、

階段をつけるとカッコよく見える、窓があれば外が見えて気持ちいい、という感性は

一体いつ覚えるのだろうか、と微笑ましくなってくる。
 






 

もちろん、最初から最後までスムーズに積み上げられるなんて稀。

みんな何度かは倒してしまい、その度に残念な声を上げるけど、

すぐにまた積み上げ始めていく。何度でもチャレンジすればいいんだ。

大きなものが出来上がったところから倒してしまう子どもがいても、

泣くような光景が見られないのが不思議というか、他では見られないものだった。

なんでだろう、このイベントの雰囲気では、

みんなすぐにまたチャレンジし始める。崩れたからもうやらない、と泣く子は一人もいなかった。

 

5000個、という数は、参加する子どもたちが自由に使い倒してもまだまだ余るくらいの量で、

どのくらいの量かぴんとこないかもしれませんが、園舎の床一面が積木で埋まります。

そして床一面から一つ一つ積み上げられた積木は、上へ上へと目指していった。

この様子を動画で早送りで見たらきっと面白いものになるでしょうね。

箱に整然と詰められた積木から、床にどんどんお城や家が経ち現れていく様子。

それはそのまま子どもたちの想像力の証で、こんな素敵な変化ってあるでしょうか。

気付いたら・・・園舎の床にいくつも聳え立つお城に家、

これ全て小さい子どもたちが一つ一つ積み上げて作ったものということが信じられない。。。
 




どれもが個性に溢れていて、同じものが一つとしてない。

あるものは高さを追い求め、

親に言われたからではなく、自分たちの作りたいという気持ちだけでこんなにも世界は大きくなる。

子どもたちの中にある想像力の無限大さに圧倒されます。

そして、こんな風に世界を見ているのだ、とこちらが気付かされる。

遠藤さんが子どもたちに呼びかけます。

「みなさん、立派なのがよくできましたね。それでは最後にみんなが作ってくれたものを繋ぎ合わせましょう」

積木大会は、それぞれが作って終わりではなく、まだここから続きがあったのです。

無我夢中で作った自分の世界、それらを今度積木を使って繋ぎ合せる。

実はこれも気を遣う工程で、お互いの積木を倒さないようにしながら、

床に積木の道を作って繋げていく。

相手のものを尊重し、繋がり合えば、世界はさらに豊かに大きなものになる。

この作業もまた、積木大会では大事な工程でした。

「そーっとね。ぶつかって倒さないようにね」

ゆっくり積木を置いていく子どもたち。

出来上がった積木は・・・いや、それは、、、まるで世界地図のようだった。


  

次回の積木イベントは秋に、
2016年10月22日(土)「はじめての積木遊び体験クラス」。
『1才のお子さんとワクブロックで遊びながら、積木と仲良くなりましょう!』
10月23日(日)「ちいろば親子積木大会」。
『パパ、ママと一緒!お友達と一緒!たくさんの積木と一緒!』開催予定となっています。


子どもだからこのくらいでいい、ではなく、

子どもだからこそ、いいものを。

 

本物が残っていくことは難しい世の中になっているのは自覚していても、

 

でも子どもたちにはいいものを与えなければ、

使命感に突き動かされて、これまで、そしてこれからもちいろばの活動は進んでいきます。



 

 

「ちいろば」

 

川越市旭町2-7-11
10:00~18:00

定休日日曜日、月曜日(月曜が祭日の場合は営業します)

049-244-5860

http://www.chiiroba-toys.com/