ふわっぴーのお兄ちゃんがクレアモールに降り立った瞬間、
目ざとく見つけた通りの人が周りに集まり写真撮影が始まった。
「ふわっぴーだ!」
「なんでふわっぴーがここにいるの!?」
驚きの声が上がる。急に現れたふわっぴーに街の人は状況が呑み込めないようでした。
周囲の歓声に愛想を振りまきながら、でもふわっぴーの足は着実に、一歩一歩会場に向かっていた。
小江戸蔵里の入り口に立つと、
「ここが蔵里。。。ようやくたどり着いた。。。」
と富士見市からの長旅の終着にほっと安堵の表情を見せるふわっぴーでした。
蔵里の広場にいた人たちは、今度はふわっぴーが蔵里にたどり着いたことを発見し、
入り口に駆け寄ってきました。
「ふわっぴーだー!」
「一緒に写真撮ってください!」
大人気のふわっぴーの周りにあっという間に人だかりができ、撮影タイムが始まりました。
中には「前に市役所のイベントまで会いに行ったんです!」と興奮気味に語る方もいて、場内騒然に。
この日は川越に降り立つという情報に、会いにわざわざ川越に来たという方も多かった。
そんな様子をふわっぴーは楽しむように、笑顔で一人一人と写真を撮っていきました。
広場にすでにいた妹がお兄ちゃんのそばに近寄っていくと、
二人揃ったふわっぴーに場内のテンションはさらに上がっていく。
「あ!こっちにはおりぴぃがいるよ!!」
周りを見ると、キャラクターたちが各地から続々と蔵里に到着して揃い始めていました。
右を見ても左を見てもキャラクター、
その光景に子どもたちは大喜びで、競うように一体一体と写真を撮っていく。
そしてついに、川越のご当地キャラクターがときもが蔵里に到着すると、さすがはときも、
「あ!ときもがきたー!!」一段と大きな歓声が上がり、
ときもの周りに子どもたちが殺到する。
子どもたちに応えながらも、ちらりと、
「ふわっぴーももう来ていたんだね。今日はたくさんの子どもたちを笑顔にしようね」と
ふわっぴーにアイコンタクトを送るときも。
ふわっぴーもコクンと頷いて答える。
子どもたちにとって大興奮の場は、キャラクターたちにとって勝負の場であり、
ここに今日集まった意味を胸に刻んでいました。
さらにまた次のキャラクターが蔵里に到着して、とどんどんボルテージが高まっていきます。
各地の人気キャラクターたちが一堂に会する夢の祭典が今、始まろうとしていました。
2015年5月17日小江戸蔵里で開催された「小江戸蔵郷キャラクター祭り リターンず!」は、
各地の人気キャラクターやもののけたちが集まって子どもたちを楽しませるお祭り。
総勢20体が蔵里に集結したお祭りは、
これだけのキャラクター&もののけたちが一ヶ所に集まることが異例中の異例。
リターンずとなっているのは、実は第一回が2月22日「猫の日」に開催されたのですが、
雨に降られてしまって、次こそは青空の下でリベンジ!とみなが誓い合い、
思いを込めて「リターンず」とタイトルに付けていたのでした。
「この日を楽しみにしていました」と
スタート前から蔵里の広場は親子連れの方々が待ち構えていました。
集まったキャラクター&もののけは、
・ときも(川越市)
・ふじみん(ふじみ野市)
・ふわっぴー(富士見市)
・おりぴぃ(狭山市)
・コバトン(埼玉県)
・テニボくん&謎の宇宙人(ケロタン星)
・エホンオオカミ
・ミケ
・クロミ
・ぱん蔵
・トラのくま吉
・八千草 蛙(やちぐさ かえる)
・サルのさぶ朗
・ウサギのラビー
・アヒルの「優(ゆう)」
などなど。
各地のご当地ゆるキャラ「だけ」が集まるイベントは川越でも行われたことがありますが、
自治体のキャラクターともののけたちが
混ざり合って居合わせていることがなにしろ画期的でした。
なぜこんなことが実現できたのか??
その裏には一匹の猫の存在があったのです。
キャラクターたちをまとめているのが、川越でお馴染みの猫、ミケさん。
ミケといえばもうお分かりでしょう。
川越の一番街にあるねこまんま焼おにぎりですお馴染みの「中市本店」さんで飼われている猫で、
クロミと合わせて定期的に店頭に出ては列整理をしたり撮影に応じたり、と川越で有名な猫となっている。
二匹のことは何度も記事にしているので、活躍はご存知ですよね。
(宵の市「ミケネコに・・・クロミの奮闘」『私も出てみたい!頑張る!』
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11922335422.html )
この2015年5月のGWの時にも、中市さんの店頭に出ていたのを見かけた方もいると思います。
(2015年5月GWの中市本店さんより)
今回のキャラクター祭りの陰には、実はこのミケの活躍があったことは知る人ぞ知る事実。
ミケがいてこそ成り立った光景であることは間違いありません。
もともとは、中市本店さんに拾われて飼われていたミケとクロミ。
ずっと裏庭でのんびり昼寝して過ごしていましたが、
2013年、一番街で毎月のイベント「宵の市」が始まると(現在は毎月開催というペースは終了しています)、イベントを盛り上げようと中市さんの店頭に出ては活躍するようになっていった。
月に一度、宵の市に出ることが定番となり、宵の市以外の時にも現れることが多くなって、
評判を聞き付けた川越のお店から「ぜひうちにも来て欲しい!」と
オファーが続々と届くようになりました。
まさに猫の手も借りたい勢いで引っ張りだこになっていった。
そしてついに、2014年10月には、
川越市のご当地ゆるキャラ「ときも」との奇跡の競演を果たすなど、その展開は広がり続けています。
(2014年10月ついにときもと競演、ミケとクロミの物語
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11938442138.html )
川越のあちこちに出現するたびに、ミケにはたくさんの友達ができ、
やがてキャラクター同士、
「いつか僕らが一堂に集まってたくさんの子どもたちを楽しませるお祭りをやりたいよね」と
語り合うことも多くなっていったと振り返る。
競演して以来マブダチとなったときもも、
「川越を盛り上げよう!」とサポートしてくれ、
そして話を聞き付けた各地のゆるキャラたちも次々に、
「こういうイベントを待っていた!自分も参加したい!」と名乗り出てくれて、
日に日に参加キャラクターが増えていくことになった。
ふじみ野市のふじみんは、
「ときもとはずっと友達、川越を盛り上げにいくよ!」力強く語り、
狭山市のおりぴぃは、
「それは楽しそう♪ぜひぜひ伺います!」と楽しみにしているようでした。
さらには、埼玉県のキャラクターコバトンまでもが、
「応援に行きます!」と賛同してくれるまでになった。
ご当地ゆるキャラだけでなく、ミケさん繋がりから、
エホンオオカミやテニボくん&謎の宇宙人(ケロタン星)たちも
「僕達も子どもたちを笑顔にしたい」と集まることを約束。
ウサギのラビーも、「ああ、キャラクター祭り楽しみだなあ」と期待に胸踊る様子で、
集まる顔触れをみると、
各地、各星からのキャラクター&もののけたちが集まる
今までにないお祭りになりそうでした。
ミケさん自身も、「思った以上に今回は規模が大きくなって自分たちもびっくり」と
キャラクターたちの熱意に圧倒されているようでした。
中にはご当地ゆるキャラだけでなく、
クレアモールにある「スペースクリエイト自遊空間」のキャラクターじっぴーも、
「あの、自分も参加していいですか??自分も子どもが大好きなんです。
その日だけお店を休ませてもらって蔵里に駆けつけます!」と願い出て、
「もちろんいいよ!ぜひおいて♪」とミケさんは迎え入れていきました。
2014年11月に狐宵祭というイベントを開催した狐、河越藩狐衆たちも
ミケたちの思いに賛同し、
「私たちも行っていいかしら??」と加わることになり、
実は紅狐さんとミケさんは狐宵祭でも競演していたんです。
(2014年11月狐宵祭より
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11959605213.html )
そんな時に地上のキャラクターたちを見守る天空の天女様から、
「ミケ、キャラクターたちで集まって川越の小江戸蔵里でお祭りをやりなさい。
そして子どもたちを大いに喜ばせなさい」と正式に告げられると
キャラクター祭り開催へと話は一気に進んでいったのでした。
蔵里の担当の方も、天女様のお告げがあったのなら、と会場を提供することを快諾し、
ここに「小江戸蔵郷キャラクター祭り」が開催されることになり、二回目の開催となりました。
またミケ&クロミの親でもある中市本店さんも、
「ミケ、クロミ、お店の方が大丈夫だから、蔵里で子どもたちを喜ばせてきなさい」と背中を押してくれ、
のみならず、なんと、お祭り当日5月17日がお誕生日の来場者に、
「ねこまんま焼おにぎり」無料引換券(2個分)をプレゼントしてくれたのでした。
イベントスタートまでの間、
それぞれのキャラクターと写真を撮るなど楽しむ来場者の方々。
「かわいい~!」
「今度はコバトンと写真撮る!」など子どもたちの声が溢れます。
エホンオオカミさんや八千草蛙さん、宇宙人は喋ることができるので、
子どもたちと積極的にコミュニケーションをとっていきます。
その結果、子どもたちと友達のようになっていいおもちゃ?のように親しまれていきました。
スタートの11時が近づいてくると、いよいよあの猫が蔵里に登場しようとしていた。。。
「みんなもう集まっているかな?子どもたちを笑顔にしているかな」
ワクワクするような表情でクレアモールを歩いていたのが、ミケさんでした。
「今回は晴れて、きっとたくさんの子どもたちが集まっているだろうね」
とジェスチャーで語りながら、
この日も中市本店さんの裏庭から蔵里に歩いてきました。
ミケさんの姿を見つけた沿道の人から、
「どこかで見たことある」
「ねこまんま焼おにぎりの猫だ!」など声が上がります。
そして蔵里に到着すると、さすがはミケさん、人が集まってすぐに記念撮影タイムが始まった。
ちらりと広場に目をやった、
既に集結したキャラクターたちはやる気に満ち溢れた表情をしていたのを見て、
「楽しい一日になりそうだな」確信するミケさんでした。
蔵里の広場にずらりと揃ったキャラクター&もののけ。
壮観な光景で、「小江戸蔵里キャラクター祭り リターンず」スタートしました。
まずは蔵里に集結したキャラクター紹介。
マイクを握って紹介するのは、河越藩狐衆の紅狐さん。
キャラクターたちが一体一体紹介されると、そのたびに歓声と「ときもー!」など声が上がります。
和やかな雰囲気のなか進行していくキャラクター祭り。
・・・ふと、
紅狐さんが、ある方を紹介したいと切り出した。
とても大事な方なんだ、と。
え、誰?誰?周りをキョロキョロ見回すキャラクターにもののけたち。
キャラクターたちの間から縫うようにして現れた方がいた。。。
いや、まさか・・・ここにいるはずない・・・
キャラクターたちに動揺が走る。
それは紛れもない天女様の姿でした。
なぜ・・・?と会場の戸惑いをよそに、
「キャラクター祭り、楽しんでくださ~い!」と明るい声にみなずっこける。
ミケたちに、地上の子どもたちに指令した天女さまではありましたが、
キャラクターたちがうまくやれるのか心配で、実はこっそり降臨し、
蔵里に様子を覗きに来ていたのでした。
姿を見つけられ、一緒に参加することになりました。
子どもたちとふれあうフリータイムを挟みながらプログラムは進み、
「みんなで踊ろう‼ようかい体操」では、
踊るキャラクターたちに合わせて、子どもたちも一緒にようかい体操第一を踊ってくれました。
参加してくれた子どもには、
「ラジオぽてとプレゼンツ『アメ掴み取り』」を楽しんでもらいました。
そうそう、ラジオぽてとといえば、「あの」キーワードが何度かお客さんの口から発せられました。
ミケがラジオぽてとに出演した際、番組内で発表したキーワードがあり、
それをイベント当日言ってもらうと、突発イベントが発生するというもの。
キーワードは、「ラジぽて最高!」。
お客さんが紅狐さんにそっとキーワードを口にしました。
それを聞いた紅狐さんはすぐさま笛を吹いて、キャラクターともののけを集める。
キーワードを言った方を中心にして、全キャラクター及びスタッフが集合して記念撮影を行いました。
その後の沖縄民謡演奏会は、
大正浪漫夢通りにあり沖縄物産店の「真南風」さんの二階にある三線教室の方々の演奏。
これもミケさんが定期的に応援していて、その縁から
キャラクター祭りを盛り上げようと蔵里までやって来てくれたのでした。
演奏の最後には、みんなで輪になって三線に合わせて踊り、
キャラクターともののけが一体となって踊る光景は前代未聞で画期的でした。
子どもたちも続々と踊りの輪に参加し、
「みんなで踊れて楽しい~!」とキャラクターたちも楽しそうに踊り、
輪はいつまでも続いていました。
・・・と、その顔触れの中に、いなくなった人がいた。。。
あれ、バットマン、どこに行ったんだろう。
スタッフたちが探し回るなか、
「あ!いました!蔵里の中にいました!」スタッフが声を上げる。
中に行ってみると、バットマンは・・・
コエドビールを呑んでいるところでした。
TAKE COLORSのケンヤさんとちょうど乾杯しているところだった。
「まあ、一杯くらいいいじゃないか」と悠然とした表情でぐびぐび呑むバットマン。
ほろ酔いとなりながら蔵里の明治蔵の中を歩いて回り、
「川越の逸品か。なかなかいいものが置いてあるじゃないか」
というような様子でゆっくり見ていました。
イベントの最後に行われたのが、サニークラッカーのLIVE。
キャラクター祭りのイメージソング、サニークラッカーの『笑ってくれないか』が演奏され、
この日のキャラクター祭りを興奮冷めやらぬ様子で八千草蛙さんは、
「たくさん写真撮ってもらって嬉しいかぎりです」
と振り返り、
ウサギのラビーは、
「楽しかったです!子どもたちのテンションが凄かったです」と身ぶり手振りで伝えてくれ、
ときもは何度も頷いて、
「みんなに喜んでもらってよかったです!」と話しているようでした。
楽しい宴もあっという間に終わりの時を迎える。
「僕たちもう帰らないといけないんだ」
そうエホンオオカミさんが子どもたちに告げると、子どもたちから、エエー!という残念な声が漏れる。
ゆっくりと蔵里を後にするキャラクターにもののけたち、後を追う子どもたち。
「みんなー!ここでお別れだよー!みんながいい子にしていたらまた戻ってくるからねー!」
キャラクターやもののけたちが大きく手を振ると、
子どもたちは「また待ってるからね!!」と大きな声で答え、後ろ姿を見送っていました。
そして、各地、各星へと帰っていくキャラクターともののけたちでした。。。
小江戸蔵里キャラクター祭り、全てが終わり、
中市本店さんの裏庭に帰ってきたミケさんが改めて振り返ります。
「今日は想像以上の親子の方々に来てもらって嬉しかったですね。
ぜひまたやりたいと思います。まあ、天女様次第ですが(笑)」
その天女様は確かこう語っていた。
「今日はキャラクターたちがしっかりやってくれるか心配できましたが、みんな頑張ってくれて一安心です。またみんなの様子を天空から見守りたいと思います。
しばらくして・・・そうですね、11月くらいにまたミケに命じて
蔵里にキャラクターやもののけたちを集めさせてお祭りを開催したいですね」
と次回開催の話しをしていました。
またここに、たくさんのキャラクターやもののけが集まり、
笑顔に溢れたお祭りが開催される日が来ることを願って。