2014年12月21日第4回「川越キャンドルナイト」小江戸蔵里 | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真


2014年12月21日、16時。小江戸蔵里の広場では、

川越の一年を締めくくるにふさわしい、年末恒例のキャンドルナイトの準備が始まりました。

この日開催されていたのが、「Kirari Work&ShopとKawagoe Candle Night」。
昼間の雑貨販売&ワークショップイベントと

夕方からのキャンドルナイトが一体となったイベントで、

日中は広場に用意されたブースで多くの方が手作り体験を楽しんでいました。


日が暮れるとともに、賑やかな時間から落ち着いた時間が流れる広場へ。

それでも、広場の雰囲気は今までとは違っていたのを感じた。

日中のイベントが終わって人がいなくなり、

キャンドルナイトが始まる頃にまた多くの人が集まりだす、のが例年だった。

しかし、あきらかに、今回集まっている人が多かった。


17時キャンドルナイトスタート、

17時半ゴスペルLIVEスタートというタイムスケジュールになっていましたが、

16時から既に人が集まってきていて、

炎が灯される前、キャンドル作品が並べられていく様子を見たい、という方が多いのが伝わりました。


椅子に座りながら、広場に一つ、また一つとキャンドルを並ぶ様子を見守る方の視線。

そう、真っ暗闇の中、無数のキャンドルが灯される光景も素敵だけど、

まだ日が残る瞬間にカラフルなキャンドル作品が置かれる過程、

見慣れた広場が非日常空間に様変わりしていく過程を楽しみたいという方が集まっていました。


それだけこの一夜のことが川越で知られるようになり、楽しみにしている方が多いということ。

確かに、このキャンドルたちを見る事で、

慌しい年の瀬の合間に、ふっと肩の力を抜いた時間を取り戻せ、

一年を振り返るのにぴったりな空間でもあるといえる。

それは、川越的年末の過ごし方として定着してきたといえます。


どんどん日が傾き、わずかの時間で辺りは薄暗くなっていく。

まるで一秒ごとに視界が黒くなっていくかのような、冬至。

また、それと真逆をいくようにカラフルなキャンドル作品が広場に並べられてくギャップ。









日中のイベントで動き回っていたキャンドルアーティストの方々にキャンドル教室の生徒さんが、

今度は広場の中央に集まってキャンドルを並べ始めます。

一つ一つが自身の作品でもあるキャンドルが200本以上用意され、

広場に一つひとつ並べられていきました。


大きな塔のようなキャンドルから、小さな可愛らしいキャンドル、

形も色もさまざまなキャンドルがあって、壮観な光景が目の前に広がっていきます。

100本以上用意したTwinTailさんは、

この日のためのキャンドルを時間かけて制作していた。

毎回そうですが、TwinTailの有田さんは

講師として一年で一番忙しいこの時期に、日中からのこの日のイベントを企画しています。


このキャンドルナイトは個人の想いから始まったもの。

誰にも頼らず、自身たちの作品を並べ、灯し、静かな時間を過ごしてもらいたい、

その一心で今年で4回目の開催となりました。
また、遠くからボランティアで駆け付けてくれている

他のアーティストの方にも支えられているイベントです。


こんな奇跡のような素敵な光景が見られることが信じられません。

この灯りを絶やしたくない個人的な想いもあり、

ゴスペルグループに声を掛けたりして、多くの人に見てもらえるよう縁の下で支えてきました。

回を重ねるごとに同じ想いの協力者は増え、

今回も川越で活躍する書道家の秋山紅樹さんとコラボレーションした

蝋のプレートに書かれた書と画の作品、

今回初のコラボ、ウニクス南古谷にある天使の小箱作家陣によるキャンドルタワー提供、と

川越のキャンドルナイトの灯りを絶やし続けないためにいろんな方が動いています。












「100万人のキャンドルナイト」。


もともとキャンドルナイトというのは、すでに10年以上前から続いているもので、
全国各地の施設やお店で行われてきました。


夏至と冬至の夜、2時間電気を消そうと呼びかける
「100万人のキャンドルナイト」がスタートしたのは2003年。
遡ること2001年、アメリカではブッシュ大統領が
「1カ月に1基ずつ原子力発電を建設する」という政策を発表し、
カナダではそれに反対した「自主停電運動」が行われました。


この運動をヒントに、日本でもやってみようと言いだしたのが、
明治学院大学教授の辻信一さんでした。
環境NGO「ナマケモノ倶楽部」を作り、またカフェスローを経営し、
そこで行ったのが暗闇カフェです。
それに賛同した有機食材の宅配を行う「大地を守る会」代表の藤田和芳さんが、
会員を中心にキャンドルプロジェクトを実施しました。

他にもさまざまな方が参加し、始まったのが「100万人のキャンドルナイト」です。


それは、何かに対して反対を叫ぶ運動ではなく、
ただ「でんきを消してスローな夜を」それぞれが過ごすこと。
キャンドルの灯りの元で家族と語らったり、子どもに本を読んであげたりすることで、
日常では見えなかったことが見えてくるかもしれません。


NGO発の呼びかけに環境省が後援し、
初めてのことながらもこのムーブメントは日本全国に広がりました。
この年の6月22日には全国約2,300カ所の施設が消灯し、
約500万人が消灯に参加したとされています。


この活動を知った有田さんが、

「川越でもキャンドルナイトをやりたい」と動き出したのが、

2012年のことでした。

はじめは公共施設でやりたいと行政に働きかけましたが実現せず、

そんな時に小江戸蔵里の存在を知り、

ちょうど良い広さがあり、蔵里の方も前向きにとらえてくれ、

第1回となるキャンドルナイトを2012年冬至に開催。

あの時は、まだまだこじんまりとしたイベントで、

今のような雑貨の販売&ワークショップというイベントではなく、

日中にTwinTailによるキャンドルの手作り体験があり、夜にキャンドルナイトを行うという内容でした。


あの夜、広場を灯したクリスマスらしいキャンドルたち。

これが記念すべき川越で行われた第1回のキャンドルナイト。


キャンドルスタジオのTwin Tailだからこそ実現できたイベントで、

キャンドルを仕事で扱っているからには、自分が川越でキャンドルナイトを実現したかった、

と有田さんは振り返っていました。

今から思うと想像できないかもしれませんが、

一回目のあの時は見る人もそんなにおらず、

目当てにして来るというより通りすがりでたまたま見かけたという方が多いように思いました。

また、キャンドルの本数も今ほどなかったので小規模の第一歩でした。

せっかくのキュンドルナイト、

蔵里の方が通りで呼び込みしていた姿が今も記憶に残っています。


そこから2013年冬至は、

日中に雑貨のイベント、夜にキャンドルナイトという、今に繋がる形が出来上がります。

キャンドルの本数も格段に増え、また、見に来られる方も増えていきました。

(2013年冬至のキャンドルナイト)


有田さんが夢を追いかけ、

コツコツと育ててきた川越のキャンドルナイト。

この灯りを続けて欲しい、と協力する人が増えていき、夢がどんどん広がっていった。


迎えた2014年6月21日夏至の夕方。

広場に並べられたキャンドル、一つひとつに炎が照られさていく。

炎の温もり。

炎のゆらぎは、波のさざ波や星の瞬きと同じような揺れだと言います。

見ているだけでホッとする落ち着きがありました。


夏至の日からしばらくして、次の展開を考える日々が始まった。

キャンドルナイトが最も輝くのはやはり冬至。

寒い中で炎の灯りを見つめる時間は、身も心も芯から温まります。


「冬至の夜にゴスペルを披露してくれるグループはないか」


今回いろいろと探している中で、幸運にも巡り合えたのが、

「Glorious Crew」というゴスペルグループでした。

すぐにメールを送り、出演を打診した。

返信はほどなくして届き、喜んで歌わせていただきたいとの内容に、

これで冬至のキャンドルナイトの舞台は整った、と安堵するとともに心躍らせました。


Glorious Crewは、ディレクターHΛL(ハル)さんのもと活動している
エンターテイメントゴスペルクワイヤーで、
所沢を拠点にしている「B-less Boat(ブレスボート)」に、
姉妹クワイヤーで同じく所沢の「Various Voices(ヴァリオスヴォイセス)」、
そして川越で活動している「Glow Gem(グロウジェム)」が1つになった、

総勢60人に上るマスクワイヤー(合同チーム)です。


このGlorious Crewのメンバーから、キャンドルナイトでは30人が蔵里にやって来て、

キャンドルだけの灯りの中でゴスペルを披露してくれます。

埼玉の中で最大規模のゴスペルグループであるGlorious CrewのLIVEが、

まさか本当にキャンドルナイトに合わせて実現してしまうなんて、

夢にも思っていませんでした。

ダメ元で出演をお願いしたところ、なんと快くOKを頂けました。

趣旨に賛同し、ボランティアでの出演を引き受けてくれました。

キャンドルの灯りで歌うことはメンバーも初めてのことで、

歌うのを楽しみにしていることを言ってくれていた。


Glorious Crewを深く知るために、

ラーク所沢で行われた全体練習に伺ったのは11月下旬のことでした。





メンバーはソプラノ、メゾソプラノ、テナー、アルトといったパートごとに分かれています。

練習で最初から全開で歌い踊るみなさんの姿に圧倒されました。


HΛLさんから「前列に4人入って、上は一歩ずつずれましょう」

「ここで左右に分かれて、裏で急いで早着替えしてください」

それぞれ自分の位置と動き、役回りをチェックするメンバー。

一曲ごとの楽しさのために、

一曲ごとに入れ替わり立ち代わり位置を変えていく。

「歌うことだけでなく、動きが多いのがうちの特徴です。

自分の立ち位置を覚えるのが大変なくらい、曲ごとに変化していきます」

と語るメンバーの一人。


印象的だったのが、一人一人の表情と楽しそうに歌い踊る姿でした。

皆で合わせようとする合唱とは違う、

それぞれが一個の独立した表現者で、喜怒哀楽の感情を豊かに表現し歌っている様子は、

観ているだけでパワーを貰えるようです。

「生きていることが楽しい」「幸せを感じている」

人生を肯定するようなボジティブなパワーを一人一人が発していて、

40人の熱気がホールに渦巻いていました。

ゴスペルを歌っている時は自分が元気になり、

その姿や歌声に聴いてくれる人が元気になる、そんな気持ちの感染がゴスペルにはあり、

Glorious Crewには特に強くあるように思いました。


練習を見ていたら、実際のステージで披露されるGlorious CrewのLIVEも見たくなり、

2014年12月7日(日)に所沢MUSE マーキーホールで開催された
「GLORIOUS CREW XMAS SPECIAL LIVE in MUSE」にも足を運びました。












迫力あるステージに圧倒された。

特に、My life is in your handsはやはり最高でした。


MUSEのLIVE、そしてキャンドルナイトに向けて、

HΛLからのメッセージがありました。
「愉快な、素敵な仲間の素晴らしい航海(旅)。Gloriousにはさまざまな意味があり、
神を対象として栄誉、栄光などの意味もありますが、私たちメンバーは
もっと人間よりの意味を持たせた「楽しい、素敵な、愉快な」という意味で捉え、
人間として魅力のある素敵な人の集まりであることを願って活動しています。
Crewには仲間という意味だけでなく、
一人ひとりの役割を果たすという意味もあり、一人ひとりが力を出し合い、
お互いに支え合い素晴らしい仲間になる、という願いを込めています」


そして、12月21日のLIVEに向けて、


「会場に足を運んでくださった皆さまも、もう既に私たちの仲間、Crewです。
当日は皆さまとともに素敵な航海ができることを願っています」


蔵里のキャンドルナイトでは、

♪Never Seen The Righteous
♪Total Praise
♪Hark! The Herald Angels Sing
♪All I Want For Christmas Is You
♪GC Christmas Medley

を披露する予定となっています。


こういう2012年からの経緯と、今年新たに流れに加わった多くの方の存在、

みんなが一つになり、

2014年12月21日という日を無事に迎えることができました。

この灯りは消したくない。

あの小さな炎は、見ているだけで癒しで、安らぎで、温かみで、

一年を振り返る年末という季節に本当にぴったり。


よく見ると、キャンドルの炎は、一つ一つ違います。

大きさも揺らぎ方もそれぞれで、一つとして同じ炎はありませんでした。

炎をじっと見つめる時間、見つめているだけで幸せになる時間、

ふと周りを見渡すと、たくさんの方も同じように炎をじっと見つめ、

みんな炎でオレンジ色に表情が照らされていた。

それだけでいい時間。


これからも出来る限り支えていきます。


それでは、今年を締めくくる、川越キャンドルナイト。

17時からの様子と、それに続いて行われたGlorious CrewによるゴスペルLIVE、合わせてどうぞ。


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
























☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


メンバーのアクションを取り入れて楽しく歌う姿、

寒さが吹き飛ぶ熱のこもった歌声、それらが会場に伝播し、

自然と手拍子が沸き起こり、見事に一体となったLIVEでした。

Glorious Crewのみなさん、素晴らしいLIVEを川越で披露してくれてありがとうございました。

今年の最後にこんな素敵な空間と時間に浸れて、

またそれを多くの方と共有できたことが幸せでした。


キャンドルナイトが終わると、これで今年も終わりだなと実感させられます。

それほど、年末という時期を感じるのに、肌の奥まで染み込んだイベントとなっている。

次回はまた冬至開催の予定となっています。

2015年の冬を楽しみにしていてください。

新たは趣向を加えたりして、進化させていきたいです。


それでは。


We wish you a Merry Christmas,
We wish you a Merry Christmas,
We wish you a Merry Christmas,
And a Happy New Year.


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