シュトーレン、歴史は古く、ドイツ・ドレスデンで14世紀に、
パン屋さんによって「細長く白いパン」を司教に献上していたのが
始まりと言われています。
ドイツのドレスデン発祥と言われるシュトーレン。
ドイツでは気候的に小麦の収穫量が少ないため、
ライ麦で作る黒いパンが主流なので、
小麦で作る白いパンはとっておきのお祝い用のパンでした。
シンプルな白いパンが、
時の流れにより、
現在のような果実や木の実がたくさん入ったお菓子に変化。
中に入っている果実や木の実は、
翌年の豊作への願いが込められているそうです。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
大きなシュトーレンを薄くスライスして、
クリスマスの4週間前から毎日一切れずつ食べ始め、
イブの夜に「最後の一切れ」を食べてクリスマスを迎える。
その一ヶ月の期間、「アドベント」を
クリスマスに向けてのワクワクと、日々変わって行くシュトーレンの味を楽しむのが
ドイツ流だそうです。
中に入れるマジパンは、キリストの胴体を意味し、
それを生地の産着で包み込んだ形。
シュトーレンは、「柱」という意味の言葉です。♪
時間をかけて少しずつ食べていくっていいですね。♪
普通美味しいものって、美味しいから
あっという間になくなっちゃうじゃないですか??(*゚ー゚*)
でもあえて一切れずつ大切に食べていくのがいい。
その4週間が楽しく大切な4週間になりそう。
今日の一切れはこんな思いと共に。
一切れごとに1日が詰まって、
変化していく味を楽しみながら、毎日を過ごしていく。
シュトーレンを通して、毎日を大事に。
日本でも、今や冬の定番になってきたシュトーレン。
いつもはパン屋さんで購入していました。
今年は少し気持ちを変え
シュトーレン作りに挑戦して、自分で作ったものを食べていきたいなって。♪
生地に、果実だけでなく
頑張って作った経験も染み込ませて、
毎日大事に食べたいと思ったんです。
お店で買ったシュトーレンで、あんなに楽しい日々になるんだから、
自分で作ったら、もっと毎日が楽しくなるはず。
作るのは難しいんだろうな、と思っていたけど、
意外にもそんなに難しくなかった。
作るのに時間は掛かるけれど、
以前、手ごねで作った胡椒パンの方が、
いろんな工程があって大変でした。
焼き上がったシュトーレンにバターを塗って、
砂糖をふり掛けて一週間寝かせたら完成。
2013年のクリスマスまでの毎日は、
このシュトーレンと共に過ごしていきます。♪
シュトーレンの制作風景って、あんまり見る機会ないと思うので、
そういう意味では貴重です。
シュトーレンを自分で作れる事の発見、
教えてくれる場所が川越にある事、
いろんな話しの果実を記事に包み込みながら、大きな「柱」を伝えられればと思います。
シュトーレンが完成するまでの奮闘をどうぞ。。。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
朝から晩まで多くの方が行き交う川越一の繁華街、クレアモール。
通りの真ん中ほどにあるのが、老舗の「まるひろ百貨店」。
まるひろの裏手回ってあるのが、
自宅パン教室の「happy bread making(ハッピーブレッドメイキング)」さんです。♪
灯台下暗し、ここにパン教室があったんだ、という意外な発見。(*^o^*)
以前ここで、胡椒パンとブルーベリーベーグル作りを体験させてもらいました。
「happy bread making 手ごねパン作りの挑戦」
初めてのパン作り、悪戦苦闘しながら
手ごねで作るパンの食感はモチモチフワフワで、本当に美味しかった。
初級から上級まで、いろんな国のパンを教えてもらえるのがウリ。
ここで、シュトーレン作りも教えてくれるという話しを聞き、
今年のシュトーレンはぜひ自分で作ってみたいと思ったのが発端です。
そして、一緒に作りに行ったのは、
蔵造りの建物が連なる一番街の小江戸横丁で、
バウムクーヘン専門店として人気のお店。
紫のエプロンが似合ってます。
バウムクーヘン作りとパン作り、専門は違えど、前回のパン作りでは
こねるのも成形も手際良くやっていたノリスケさん。
パン屋もできてしまうくらい、器用な方なんですよね。
お店ではバウムクーヘンを、毎月のようにバナナやマロンなどの新味を出して、
いろんな挑戦をしているノリスケさん。
シュトーレン作りも挑戦してみたい、と
またまた二人で教室にやって来ました。
さあ、どうなる事でしょう。。。
いろんな作り方がある中で、
ここのシュトーレンを紹介します。
それでは、
happy bread making♪
シュトーレン、材料はこちらです。
中種に、
強力粉
薄力粉
イースト
牛乳
全卵
塩
①塩、グラニュー糖、牛乳
②強力粉、薄力粉、バター
③漬け込みフルーツ(オレンジピール、スライスアーモンド、シナモン)
制作の大まかな工程としては、
中種を作って、①、②、③と加えて混ぜ込んでいく。
シュトーレンと言えば、
最大の魅力で忘れてはならないのが、混ぜ込む果実です。
今回は、happy bread makingの潤子先生が、
一ヶ月前からラム酒で漬け込んでいた
イチジク、オレンジピール、レーズンを使用させてもらいます。
これ単体だけでも、充分美味しくて、
パウンドケーキに入れても美味しくなりそうです。
強力粉と薄力粉が入ったボールに、イーストを加え、
手でクルクル混ぜ合わせる。
そこに牛乳と卵を入れて、また混ぜる。
この、生地が手にくっつく感じが懐かしい~。
それが手ごねならではの感触です。
両手でこねていくと、パサパサだった生地がだんだんまとまってきて、塊になっていく。
コネコネしつつ鼻をくすぐる甘い香り、
作りながら癒されるんですよね。
パンは触感もそうだし、
こねている時、発酵させた時、果実、焼成の時、
中種の量は、他のパン作りと比べると少ない。
この中種を作る事で、ふっくらしたシュトーレンになります。
まとまったら早速発酵にかける。
発酵器に入れて、一次発酵させます。
この種が、発酵で膨らんで柔らかくなるんですよね。♪
発酵を待っている間は、ティーブレイクです。
パン教室は、合間合間で発酵を待つ時間があるので、
「シュトーレンって、パンというよりお菓子なんですよね。発酵菓子。
例えば、イタリアのパネトーネも同じような発酵菓子。
お菓子だから強力粉より薄力粉なんですね。
ドイツのクグロフは、強力粉だからパンっぽい感じかな」
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
30分後、発酵器から中種を取り出して確認。
モチモチの感触です。発酵した中種に、
①の、塩とグラニュー糖と牛乳を混ぜ合わせた物を、
この中種の上にかけてMIXする。
そして、手で全体に行き渡るように
クルクルと入れ込んでいく。
手にくっつく感触も、やっていくと慣れていきます。
砂糖はこの工程の時だけ使いました。
シュトーレンというと、砂糖をたっぷり入れるイメージがあったけど、
フルーツに使ってる分を合わせても、意外にも少ない。
この作り方いいですね。♪
ノリスケさん「牛乳溶かすのはなぜ??」
潤子先生「牛乳入れた方が馴染みやすくなるんですよ」
次に、
②の、バター、強力粉と薄力粉を合わせる。
最初はダマになりますが、
練って叩いて、だんだんまとまっていきます。
この生地に先ほどの中種をボールから出して合わせ、
さらにコネコネします。
ある程度まとまったら、上にフルーツを乗せ、
シナモン、カルダモンをかけて全体をMIX。♪
フルーツからラム酒がほんのり立ち昇りながらの、楽しい工程。
混ぜるごとに触感も色も変わって、
変化が楽しいですね。
さらにアーモンドを混ぜて、完成が近づいてきました。
これをまた、発酵器にかけます。2回目の発酵。
そして待つ間は、再びティーブレイクです。
二回目の発酵が終わった生地に、
細長い棒状のマジパンを包み込みます。
キリストの胴体を意味するマジパン、いよいよ登場です。!
マジパンは、アーモンドプードル、グラニュー糖、牛乳、ラム酒で作った棒状のもの。
クリスマスケーキのサンタの置物など、マジパン細工で使われていますね。
今回は、事前に作って冷蔵庫で一晩寝かせたものを用意してくれていました。
これを最後の発酵にかけて、発酵は終わりです。
シュトーレン、中種に本ごね、成形、全部で3回の発酵を行いました。
↑どっちがノリスケさんなのかは・・・上手な方です。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
潤子先生には、ティーブレイクのたびに飲み物を出して頂き、おやつパンまで出して頂きました。
潤子先生作のパンを頂ける、これも楽しみにしていること。(*^o^*)
ノリスケさん、お味はいかが・・・??
めっちゃ美味しい~!!との事です。(笑)
最後の発酵が終わったら、オーブンで焼成して、
荒熱がとれたら、砂糖をふり掛けてラップで包む。
一週間ほど寝かせたら、シュトーレンを食べ始めるスタートです。♪
結構、大きなものを作りましたが、クリスマスまで少しずつ、と言いつつ
食べ始めたらあっという間になくなりそう。。。
去年も、美味しいからつい日を追うごとにスライスが厚くなって、
一週間ほどでなくなってしまいました。。。
自分で作ったシュトーレンで過ごす日々、今年は特別な毎日になりそうです。♪
こういう体験ができる場は貴重です。ありがとうございました。!
それにしても、
ノリスケさんはシュトーレン作りも上手だった。。。
今度は何のパン作ろう~。!
「happy bread making」