子どもの未来奪い11年ぶりに軍事費へ予算取り戻す「安倍危機拡大内閣」「貧困連鎖拡大内閣」 | すくらむ

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 安倍政権はきょうの夕方にも2013年度政府予算案を閣議決定しようとしています。下のグラフは、安倍政権の政府予算案を象徴する数字だと思ったので私が作ってみたものです。


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 上のグラフにあるように、安倍政権は、11年ぶりに軍事費を400億円増額し総額を4兆7,538億円にする一方で、9年ぶりに生活保護費を670億円削減し総額約2兆9千億円にしようとしています。


 安倍首相は昨日、第183回国会の所信表明演説で、「国の未来を担う子どもたちの中で陰湿ないじめが相次ぎ、この国の歴史や伝統への誇りを失い、世界に伍していくべき学力の低下が危惧される、教育の危機。このまま、手をこまねいているわけにはいきません」、「そのためには、日本の未来をおびやかしている数々の危機を何としても突破していかなければなりません」、「今ここにある危機を突破し、未来を切り拓いていく覚悟を共に分かち合おうではありませんか。「強い日本」をつくるのは、他の誰でもありません。私たち自身です」などと語りました。


 以前のエントリー「はじめから子どもの芽を摘み貧困連鎖加速させる生活保護改悪-子どもの貧困ひろげる世界最悪の日本政府」で指摘 したように、生活保護費の削減こそ、安倍首相の所信表明演説をかりるなら、「国の未来を担う子どもたち」に対する「陰湿ないじめ」であり、「学力の低下」「教育の危機」をもたらし、子どもの貧困連鎖をさらに加速させ、「日本の未来をおびやかす」もので、「強い日本」をつくるどころか、日本社会の「危機」をつくりだすものです。


 安倍政権は、生存権保障を奪って軍事費へ投入することが「強い日本」を取り戻すことだと信じているらしいですが、事実としてそれは間違っています。子ども期の貧困は、①子ども期の学力、②子ども期の健康、③不登校・ひきこもり・非行、④自己肯定感、⑤学歴、⑥将来への希望、など、子どもの未来に大きく影響を与えるもので、日本社会の未来を担う子どもたちの成長に大きな悪影響を与え、「強い日本」どころか、貧困連鎖で「弱い日本」を生み出さざるをえません。


 昨日、テレビ朝日の報道ステーションのインタビューで、作家の高村薫さんが、最近の哲学的な作品も反映していて「熟慮する人間」「熟慮できる人間」こそ大事で、そうした方向で「日本社会の未来を担う子どもたちに投資することこそ今求められる、もっとも重要な日本の安全保障です」と指摘していました。


 安倍政権は、子どもの貧困連鎖を加速させようとしている上に、2013年度から5年間かけ教員を増やすことなどによって、全公立小中学校で35人学級を導入するとしていた計画の実施を見送る一方で、8年ぶりに自衛官を増員しようとしています。


 「もっとも重要な日本の安全保障」をないがしろにする安倍政権は、「危機突破内閣」などではなく、「危機拡大内閣」と言わなければなりません。


(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)