都が発表した「公設派遣村」(年末年始の生活総合相談)の利用者数について - ワンストップの会 | すくらむ

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 ※ワンストップの会(年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会)が、「都が発表した年末年始の生活総合相談の利用者数について」を発表しましたので紹介します。


      2010年2月6日
      ワンストップの会
      (年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会)


 都が発表した年末年始の生活総合相談の利用者数について


 マスコミ各位へ


 いつもお世話になります。


 昨日(2月5日)、東京都は厚生労働省に、「セーフティネット強化に向けた緊急提案」 をおこなうとともに、参考資料として「年末年始の生活総合相談 利用者の状況」 を発表しました。


 この発表数字について、いくつか説明が必要と感じ、ご連絡をさせていただきます。


 (1)「生活総合相談」の利用者「総数」は900名を超えているはず


 参考資料「年末年始の生活総合相談 利用者の状況」は、単に数字が掲載されているだけで、何の説明も付記されていません。そのため、「国の大規模宿泊施設」(オリンピック・センター)の利用者数として記載されている860名が、あたかも「生活総合相談」事業の利用者総数のように見えます。しかし、この数字はあくまでオリンピック・センターに宿泊した人数に過ぎないと思われます。


 ワンストップの会では、ハイジアに置かれた受付の通過人数をときどきチェックしていましたが、915名を超えたところまでは確認できています。少数ですが「生活総合相談」事業の要件には全く当てはまらない人が訪れていましたが、それを除いても、利用者「総数」が900名を超えたことは確実です。


 実際に、病気など心身の状況から集団生活になじまない人などが、オリンピック・センターには行かず、特別区人事・厚生事務組合(特人厚)の宿泊施設やハイジア近くのカプセルホテルなどに50名程度(ただし、途中で移動した人あり)いました。この数字を足しても「総数」は900名を超えます。(東京都はなぜ、他の施設に入れた人を集計に加えないのでしょうか?)


 (2)生活保護の利用者は少なくとも550名程度にはなっているはず


 生活保護の利用者数については、1月18日現在の速報値として、「相談者数542名、申請者数497名、決定者数482名」となっています。


 しかし、ワンストップの会の集計では決定者数は500名をかなり超えています。正確な数が出せない理由は、東京都の施設運営のまずさから、怒りや絶望から1月4~5日にかけ出ていった人が相次ぎ、それらの人の生活保護申請がどうなっているか、正確につかめていないためです。東京都の運営のまずさから出ていった人は150名強(他に100名強が年明けに臨時的な仕事が入り、出ていった)いますが、そのうち、生保申請者が60名程度います。これらの人の中もネットカフェ等に宿泊しながら生活保護申請を継続した人がかなりいます。(推測ですが、相談者数と決定者数に60名強の食い違いがあるのは、出ていった人を除いている可能性有?)


 また、住宅手当等の手続きをしていたが時間がかかり過ぎるので生活保護申請に切り替えたとか、仕事を探していたが見つからず申請したなど、18日以降に申請した人もいます(2月4日、5日にも再申請が1名ずついます=どちらもワンストップの会に再度相談あり。)。大田区の宿泊施設以外の施設・カプセルにいた人60名程度の多くも生活保護申請をしました。


 それらを集計すると、少なくとも550名程度にはなるのです。(各福祉事務所に照会すれば数字はつかめるのに、なぜ今頃、1月18日付の数字発表なのでしょうか?、当時は420名という発表でしたが、あれはなんだったのでしょうか?)


 (3)何も決まっていない人の人数を膨らませるべきではない


 東京都は、オリンピック・センターの入所者860人と、その内訳のである「生活保護482人、住宅手当が10人、介護資格取得支援など都の独自事業10人などとの人数差358名について、マスコミ等の問い合わせに、「把握していないが、就労した人、友人宅や路上に戻った人もいるだろう」と説明したそうです。利用者のうち、4割もの人のその後が不明で、平然と「把握していない」という神経が信じられません。


 ワンストップの会の推計、把握でいくと、900名強のうち、都の対応のひどさから怒りや絶望で出ていった人が150名強います(1月4日から5日にかけ、ワンストップの会はオリセン前などで、「せっかくたどり着いた生活再建の場なんだから、怒りをおさえ、耐えて…」と静止行動をしましたが、それを聞き入れず出ていった人数)。それ以外に100名強の人は年明けの4~5日に臨時的な仕事が入りでていった人たちです。それを除くと630名程度の人が残りますが、生活保護や住宅手当等の制度につながった人に加え、仕事が見つかり会社寮などに移動した人などがいます。そうすると、大田区の宿泊施設までいった人と厚生施設他にいた約60名の大半の処遇は確保されたことになります)。


 問題は東京都の運営のひどさに怒り出ていった150名強ですが、連絡手段がない人も多く十分な把握ができていませんが、把握しているデータから推計すると、50名程度は生活保護申請を継続、新規申請したものと思われます。また、臨時的仕事が見つかり出ていった人についても、それが続かず、ワンストップの会にぽつぽつと相談がはいっており、今でも生活保護の再・新規申請が続いている状況です。


 東京都の対応のまずさがなければ、もっと人間味のある対応がなされていれば、それらの人の多くも今頃は住居を確保し、生活再建の道を歩めているはずであり、残念でなりません。ワンストップの会は引き続き継続相談を受け付けているところです。 ※電話080ー3432ー9023


 ★ なお、すでにお知らせしているように、ワンストップの会としては2月1日、国と東京都に要望書(再添付)を提出しています。今回の数字をみても、第2のセーフティネットの使い勝手の悪さがあらためて浮き彫りになっています。今後、2月1日付の要望書に基づく協議など、とりくみを強化していく予定です。


▼参考資料


 ◆東京都 ◇セーフティネットの強化に向けた国への緊急提案について

        ◇年末年始の生活総合相談 利用者の状況


 ◆ワンストップの会が国・都へ「公設派遣村」を受けての要望書提出、「中間総括」発表