「派遣切り」に声も出せず、ひとり悩んでいたが、労働組合と出会って仲間と立ち上がれた | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 全労連は4月21日、「ストップ!派遣切り・雇用破壊 たたかう仲間たちの交流集会」を開催しました。「派遣切り」や「期間工切り」などとたたかう非正規労働者の労働組合結成・加入(全労連参加)が172組合、1,123人に広がるなか、今回の集会には、24都道府県から200人を超える仲間が参加しました。以下、集会での発言要旨の一部を紹介します。(※全労連「春の組織化・仲間づくりニュース」第6号4月23日付からの転載です)


 愛労連の日総工産労働組合の仲間 「私たちを解雇しておいて、新入社員を採用している。本当に社会的責任をもちあわせている企業なのか疑問だ。工場で人手が足りなくなれば、携帯で夜中でも呼び出されたこともある。それなのに、現在6回の団体交渉を重ねているが、ゼロ回答の繰り返しだ。許すことができない」


 JMIU群馬のNSK富士工業所支部の仲間 「ステアリングの生産で、地球の裏側のブラジルからも働きに来ている。偽装請負や3年を超えて派遣で働く仲間もいるなど違法のオンパレードだ。直接雇用の申告もしている。ブラジル人も含む仲間たちの願いは、この日本でNSKで働き続けたいということだ。そのためにみなさんと一緒にがんばりたい」


 JMIU日本トムソン支部の仲間 「派遣先の日本トムソンの大幅な生産減を理由にクビを切ろうとしている。忙しいときは安い給料で働かせ、いらなくなるとポイ捨てする。私たちはモノではない。私は、正社員の仲間から組合に誘ってもらい加入した。団体交渉を重ね、労働局に申告し、兵庫労働局は、職安法44条と派遣法の3年以上に違反するので、1カ月の間に是正し報告するように勧告してくれた。そこで9月30日までの直接雇用をトムソン側が言ってきたが、『生産減の状況が続くなら契約更新しない』という中身だった。正社員化を目指して最後までたたかう」


 建交労セルマ支部の仲間 「不当解雇され、労働審判を経て、現在は、人材派遣会社と東北ライト製作所を相手にたたかっている。1年半も仕事につけていない。雇用の調整弁として使われる派遣労働者は、不要になれば廃棄されている。次々と違法行為が明らかになっており、会社の問題点を指摘すると、パワハラと契約途中の打ち切りなどを行ってきた。偽装請負もあるが、会社側は労働契約の不正な変更などで逃げている。会社に『違法はいけない』ということを理解させるためのたたかいだ」


 JMIU日産車体の仲間 「全体で560人も解雇。団体交渉では、内部留保が1,257億円もあり、1年間私たちの雇用を維持しても、内部留保のたった1.78%にしかならないことを明らかにした。企業に体力がありながら、クビを切るのは納得がいかない。会社側からは実質のゼロ回答。これを許さず、2回目の団体交渉に挑む。あわせて、地域にも出て、ハローワーク前で宣伝を展開。そこでは対話になり立ち話になる。日産車体で働く人とも出会い、『あと数カ月でクビを切られる。連休もあるので不安。次の仕事を早くみつけないと』という声が出されている。正社員の方も例外ではなくなってきており、一緒にたたかっていきたい」


 JMIUいすゞ自動車の仲間 「マスコミが大きく取り上げてくれるとは思いもしなかった。泣き寝入りしないで立ち上がって欲しいというメッセージを送ったことで、こんなに多くの皆さんが立ち上がっていることに心強い気持ちになっている。要求は、雇用の安定と解雇撤回で。もちろん、寮に住んでいる方の追い出しもやめろと主張している。しかし、いすゞは今でも変わらない態度だ。大変な労力と苦労を強いられるたたかいになってきた。しかし、そんな中でも、期間社員だけだが、不十分さを含みながらも解雇撤回を勝ち取り、派遣労働者も寮から出さないと回答してきた。労組のたたかいの成果だ。私たちは、いすゞで働きたい。なぜ、いすゞにこだわるのかと聞かれる。私は3年10カ月働いている。長いということは、それだけ必要とされているということ。職場が好きだというこの気持ちをいすゞに分かって欲しい。私自身は、モノ扱いをされてもかまわないと思っているが、それにしても、モノの使い方が気に入らない。これからもがんばる」


 長崎のワールド・インテック分会の仲間 「ソニーと派遣会社は、整理解雇の4要件もまったく満たしておらず、まともな答弁が未だにできていない。5回、6回と団体交渉を重ね、解決金の金額を増やすことができたが、まだ要求とはかけ離れており、引き続き最後までがんばりたい」


 名古屋北部青年ユニオンの仲間 「求人広告を新聞でみて派遣会社に正規雇用で採用された。ところが、二重派遣で、給与も社会保険も違う会社だった。これから私は派遣先、派遣元とたたかう。団体交渉を申し込んだので、みなさんの声援を」


 山口一般のマツダの仲間 「12月末に解雇された。当時は、労働組合が早朝宣伝していることも知らなかった。勉強不足で、なんだかおかしいとは思っていたが、そこまでだった。そして、派遣切りにあい、ハローワーク通いになり、同じような顔の人がたくさんいることに気がついた。解雇されたとか雇い止めにあったとか、声に出すことができなかったが、ハローワーク前では自然と愚痴がこぼれた。そこで14名の原告団で、正社員化などを求めて裁判に立ち上がり、たたかっている。現在、原告団は16名になった。各自、学習会や決起集会にすすんで参加して、自分たちが経験している自動車部品以下の扱い、大企業の横暴、そして派遣切り以来の生活の激変、窮状などを訴え、山口県内を走り回っている。派遣労働者は契約書1枚で人生が決まる。みんなバラバラで一匹狼ばかり。労働組合の活動をとおして初めて『ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために』ということの大切さに気がついた。また、『活動は楽しくやろうね』とアドバイスされた。全国の仲間とこのことを共有したい。みなさんと交流し、みなさんの活動を学んで、山口に持って帰り、がんばりたい」


 NTTとたたかう北海道・札幌ローカルユニオン結の仲間 「3年11カ月の間、派遣で働き、3月末で雇い止めされた。直接雇用と雇い止めの保留、身分の保障、賃金保障を求めてたたかっている。会社が労働者をモノ扱いせず、人として扱って欲しい。仕事を安心してさせて欲しい。全国のみなさんとともにがんばりたい」


 福山シャープの仲間 「勝利和解することができた。12月に300人が派遣切りされ、そのときひとりでも入れる労働組合を知り、それをメールや携帯で広げ、クリスマスに結成大会を開いた。その後、要求を討議したり、記者会見を開いたり、様々な集会での訴えもみんなで分担した。夫婦で派遣切りにあった仲間、出産を迎えた仲間、寮を追い出された仲間など、みんなでささえあってきた。団体交渉では、それぞれ自分の言葉で、気持ちを伝えた。勝利和解の日を迎えることができたのは、県労連など支援してくれたみなさんのおかげだ。人のあたたかさに気づけたことは、私たちの人生では大きな意味があった。これからも、地域労組やJMIUで、精一杯がんばっていく。労働者派遣法の抜本改正に向けてがんばりたい」


 愛媛一般・ハリソン東芝分会の仲間 「ハリソン東芝で10年近く、液晶画面をつくっていた。会社は生産量激減を理由に170人を解雇。私は2月から帰休になった。合同会社説明会に行けと会社から言われ会場の入り口で、労働組合の宣伝を聞き、分会を結成した。団体交渉で違法派遣は間接的に認めたが、直接雇用を拒否。もし法が不十分であれば、すぐにでも法を変えてもらいたい。全国各地で派遣切りに対してたたかっている方々がいるの知り、私たちだけではないんだと心強く思う」


 三菱ふそうで3年9カ月働いた首都圏青年ユニオンの仲間 「派遣元の会社は3回変わり、そして、派遣切りに。法律を知らなかったので仕方ないとあきらめていた。寮を出ないといけないので、どうしようかひとりで悩んでいたら、たまたまラジオのニュースを聞いて、派遣とたたかっている仲間を知り、首都圏青年ユニオンに加盟した。寮にはいまでも住むことが出来ている。派遣で働いていたころは人と接することを避けていた。それが変わったのは、労働組合に入っての最初の朝宣伝のときだった。参加しようかどうか悩んで、駅に行ってみると20~30人の仲間が駅前で待っていてくれた。あのときのうれしかった気持ちは、言葉では言いあらわせない。この場を借りて、あらためて感謝したい。現在、派遣元と団体交渉をしているが、派遣先は拒否している。全労連の学習会に参加して、学んではじめて、自分にも何かできるんじゃないかと可能性が見えてきた。これからもみなさんの活動が私に影響を与えてくれる。いっしょにがんばりたい」