4日間のオリンピック招致視察だけで都民の税金4億円以上浪費 - 1m当たり1億円道路で環境破壊も | すくらむ

すくらむ

国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 4月16日から4日間の予定で、IOC(国際オリンピック委員会)の評価委員会が、現地調査のため来日しています。石原都知事は、オリンピックの東京招致を何よりも優先して、すでに150億円を招致活動に投入していると報道されています。


 さらに昨日の日刊ゲンダイには、「五輪招致視察に3億1700万円の大ウソ - 招致ムード演出費用は含まず過少申告」との記事が掲載されています。


 記事のよると、東京五輪招致委は、今回のIOC現地調査のために、「会場費や機材費、会場候補地の設置費、移動のための車両代、視察の合間の昼食や晩餐会、通訳や会議スタッフの人件費など」で、都民の税金を3億1700万円つかうと発表したとのこと。しかし、これが大ウソで、現在東京のあちこちに仕掛けられた招致アピールのための“演出”にかかったカネが、まったく含まれていないとして次のように指摘しています。


 招致ムードを盛り上げようと、視察ルートに立てるロゴ入りの旗を4,000本、タクシーとトラックに張るロゴ入りステッカー15万枚、路線バスに付けるマスク4,500枚を作成。またIOC評価委員滞在中には、都庁や東京タワーをライトアップ。しかしその費用は、3億1700万円には含まれておらず、担当部署が違う別会計になっており、詳細は東京都の決算が5月だからという理由で不明のまま。演出にかかった費用だけで、億は下らないと言われているとのことです。


 各マスコミでは、昨日開かれたIOC評価委員会の歓迎式で、石原都知事が、「五輪開催で東京が環境面でショーケースになる」(時事通信)とか、地球環境の悪化に警鐘を鳴らし「成熟した環境の先進的な都市を目指す」などと語ったが、IOC評価委側が「我々は別に国連ではない。そのような難題を持ち出されても…」と、やや戸惑ったような一幕があった(朝日新聞)などと報道されています。


 石原都知事は、「環境への配慮」を強調してみせますが、実際にやっていることは、まったく逆です。オリンピックを口実にした巨大道路建設で、環境破壊が進もうとしているのです。それは東京外郭環状道路建設計画(練馬区から世田谷区間約16キロを地下トンネルで建設する計画)で、事業費は1兆6千億円、1メートルあたり1億円となる巨額浪費の上に、道路建設地域は地下水脈が地表面にわきだす水源地帯でもあり、池や緑地の消失など巨大な環境破壊が問題視されています。


 普段はいろんな問題について私たちと意見が異なる、上武大学大学院教授の池田信夫さんも自身のブログで、「東京オリンピック誘致に反対する」と題して、「今さらオリンピックで東京の知名度を上げる必要もないだろう。私も一都民だが、何のためにやるのか、さっぱりわからない。石原都知事の思いつきで都税を浪費するのは『新銀行東京』でたくさんだ」「都税がそんなに余っているのなら、それこそフリーターやニートを救済する職業訓練施設をつくるとか、勤労女性のための保育所を建てるとか、もっと生産的な使い道はいくらでもある」「もしも本当に開催するとなったら、経費は1兆円以上かかるという。石原知事だって2016年に生きているかどうかもわからないのだから、個人の趣味で都税を浪費するのはやめてほしい」と批判しています。


(byノックオン)