692. パラサイト・イヴ(97)/学校の怪談3(97) | 同世代名画館DX

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昭和37年生まれの支配人です。小学校でライダースナックを川に捨て、中学で赤いシリーズに毎週熱中、高校で松田優作に心酔した世代です。50~60代の皆さん、いつかどこかで観た映画とともに、時間の旅をお楽しみください。

いやいやいや、稲川淳二だ。こ、こ、怖い話をしちゃうよ。
今じゃ世界的に有名なJホラー。その切っ掛けになったのは、やっぱり角川映画なんだ。あの角川春樹が逮捕された後に、社長を引き継いだ弟の歴彦氏が最初にチャレンジしたのが「角川ホラー大賞」と「ホラー文庫」なんだ。黒い背表紙に、恐い幾何学模様がカバーのヤツね。


あの鈴木光司の「リング」も出たけど、一般公募で第1回ホラー大賞を獲ったのが、生物学科の大学助教授・瀬名秀明の「パラサイト・イヴ」だったんだな。こ、こ、怖いぞ、これは。
ベストセラーになったから、当然映画化したんだ。新生角川映画第1弾。監督は落合正幸。これがデビューで、この後「催眠」「感染」とホラーまっしぐら。まさかこの監督も「シャッター」でハリウッド・デビューするとはね。
主演は三上博史。彼は人間の細胞に寄生するミトコンドリアの研究してる大学教授。パラサイトって、寄生って意味だよ。で、ミトコンドリアからクローンを作ることに成功しちゃう。
何か、最近のドラマ「パンドラ」の三上の役と似てるね。彼は「遠き落日」とか正統派文芸作もやるけど、醍醐味はオーバーアクトの狂気演技。こ、こ、怖いよ。
ある日、彼の奥さん葉月里緒菜が事故死しちゃう。もうわかるよね。フランケンシュタイン博士と同じことをしちゃうんだ。蘇える里緒菜。黒沢清監督「叫」って映画の里緒菜も怖かったけど、このミトコンドリア里緒菜も怖いよ、怖いよ。
それだけじゃないんだ。な、何と、ミトコンドリアは乗り移るんだよー。中嶋朋子に移っちゃう。蛍ちゃんだ。あの蛍ちゃんが、学会の演説で「われわれミトコンドリアは、人類を滅亡させる」宣言をしちゃう。こここここ、怖~い。子役から鍛えた演技力だぞ。
さらには少女の子宮に宿ろうとするミトコンドリアに、三上が目を剥いて戦いを挑む。果たして人類の運命は?スゴい、グロい、コワい!
支配人さん、劇場まで行ったんだって?ちょっとガッカリ?でも、ここからJホラー・ブームが始まったんだよ。本当だよ、嘘じゃないよ、ほら後ろ!


もう1本は、なぜか「学校の怪談3」。これも恐いけど、おもコワい。
監督は前2作の平山秀幸に代って、金子修介。「ガメラ」シリーズの合間の骨休め。
骨と言えば、学校には理科室に人体模型あるよね。あれが動いちゃう場面は怖いよー。支配人さんは小学3年の息子連れて行って、これが一番怖かったらしいね。人面犬とかも出て来るけど、「3」は人体模型の映画と言ってもいいな。
主演は野村宏伸じゃなくて、支配人さんも結構好きな西田尚美。人体模型になる用務員さん役で野田秀樹とか、なぜか大物・黒木瞳まで出てる。
学校に夜行っちゃいけないよ。ほら出たぁ~!!