~ 誰にでもできる「精神エネルギー」の応用と実践 ~
政木和三
第3章 超能力 <超科学を解明>
発明、開発を飛躍的に
成功させる超能力開発法
~ あなたにも超能力が潜んでいる! 超科学で実証された超能力の秘密 ~
超常現象、超能力が科学的に解明される日
● 現代科学では乗り越えられない『超科学』の壁
【 物理学が宙に飛んでしまったスプーン曲げ 】
私は前にも何度かふれたように、大阪大学工学部と医学部で戦前から戦後と、ずっと研究者生活を続けてきた。
それだけに、物理、科学一辺倒の人間で、どんなことでも物理、科学理論と技術で攻めていけば、きちんと解明できるものであることを信じ、それ以外は決して信じないという相当に頑固な人間であった。
そんな私が、
『超常現象』
『超能力』
に出会ったのが、二〇年ほど前にブームとなったあの
“スプーン曲げ”
の時である。
この現象こそ、日本でもごく普通の人の中にも超常現象は起こるし、超能力がひそんでいることを気づかせ、いまにつながる
『超科学』
の世界への扉をわずかに開いたエポックメーキングとなった出来事であった。
その当時、
“スプーン曲げ”
などは単なる不思議な見世物という程度にしか認識されていなかったが、いまや時代は
『超科学』
と正面から取り組む姿勢となっている。
まさに、超科学の時代へのスタートの時でもあったといえよう。
さて、私の物理学が宙に飛んでしまうような体験と出会ったのは、昭和四七年(一九七二年)三月に、なにげなく見ていたテレビの番組からである。
折しも、超能力者というふれこみで世界的に話題となっていたユリ・ゲラーが初来日(矢追純一氏がご尽力)して、日本全国が
“スプーン曲げ”
ブームにわき立っていた。
当時、大阪大学工学部工作センター長をしていた私は、この番組を見ていて、一般の人まで
『スプーンが曲がる』
などとテレビに登場しているのに腹立たしく思った。
科学と真理を探究している立場として、そんなことはありえるはずがなく、科学を愚弄するものだと感じた。
しかも公共的なテレビで流すなど、とんでもないと怒りさえ覚えたのである。
そこで、テレビ局に抗議の電話をした。
『論理的にそんなことはあるはずはない』
と断定したのである。
すると、私が工学博士であることを知ったプロデューサー氏は、
『それなら、ひとつ先生がスタジオにおいでになって、スプーン曲げなどありえないことを証明されてはいかがでしょう』
と逆に私に鋒先を向けてきた。
私としては望むところで、早速、私が発明した
『金属ひずみ測定器』(ストレーンメーター)
を持っていきテレビで実験をして、科学の正しさを証明しようとしたのだ。
そして、この対決に私は自信を持っていた。
というのも、トリックがないように
『本当に超能力でスプーンを曲げることが可能というのであれば、手に触れることなく曲げて見せてほしい』
という条件をつけたのだ。
さらに、他のトリックも使えないように、実験に使われるスプーンは事前に測定し、ストレーンメーターの上に乗せることも条件につけた。
これだけ条件がそろえば、もうトリックは絶対に使えないと思ったからである。
いよいよ本番となり、超能力者は念を発し続けた。
けれども、ストレーンメーターの上のスプーンはピクリともしない。
時間が刻々と過ぎていく。
そして遂に番組のスタッフたちも、
『ダメだったか……』
『この条件では仕方ないか……』
と互いに目でうなずき合った。
やがて超能力者は念を発するのを止めた。
私は勝利を確信して、
『どうです。
私がいった通り、そもそも超能力などというのは、物理学の最も基本的な法則に反しているんです……』
と宣言した、まさにその時である。
ストレーンメーターに目を転じると、なんとストレーンメーターのモニターは一万分の三ほど曲がっていることを示していたのだ(下の写真⑪)。
このストレーンメーターは、一〇万分の一まで計測できるものである。
わずか一万分の三であろうと、一〇万分の三であろうと、スプーンは何らかの形で曲がったのだ。
物理的な力が加えられずにそのようなひずみが生じることは、私たち科学者にとって驚天動地の出来事である。
『人が思うだけで金属が曲がる。
物理的な変化が起きた!』
とはいえ、私はそれでも超能力に対して一抹の疑問を抱いていた。
そこで私は、次に同じテレビ局で私自身の
“装置”
で物体移動の実験を申し出た。
その実験は、銅線で渦巻き型にしたものを、両端につけたヤジロベエに手を近づけて、
『近づけ』
と念じると銅線は指に近づき、
『回れ』
と念じると回り出すという実験を繰り返したのだ。
そして、実際に物体は動いたのである。
その上で、
『これは私の超能力の実験ではありません。
実は私の体に発した静電気によって物体が動いたものです。
その証拠をお見せしましょう』
といって、蛍光ランプの中間をアースすると蛍光ランプは一瞬、ピカリと光ったのである(下の写真⑫)。
『どうも超能力者っていうのは、特別な人なのかもしれないな』
とその時は思ったものである。
そして、その放送のすぐ後に、日本薬業界の総会が大阪の科学技術センターで行われ、私は講師に招かれていた。
そこでテレビでの出来事を得々と話したところ、大阪大学のA教授と大阪府立大学のM教授が席を立ち、
『政木さんのいっていることはおかしい。
そんなことが静電気で起こることはありえない。
それはまさしく
“念”
によるものでなければ説明がつかない』
といわれて、私は考え方を根本的に直さなければならないと思った。
つまり、私が今まで工学部で学んでいたことが、全く根底からくつがえされ、宙に飛んでしまったのである。
力学もエネルギー保存の法則もすべて消し去らなければならなくなってしまったのだ。
人類を救うヒット商品開発法
第1刷発行:1995年3月2日
第3刷発行:1995年4月5日
著者:政木和三
発行者:神尾昭男
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© 1995 <検印省略>
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以前に2014年7月18日より掲載させて頂きました
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