誰でもシータ波になれる驚異の頭脳システム | 『 真理は自然の中に在り 』

故“政木和三”先生著書『未来への発想法』より


第三章 奇跡を起こすシータ波発想 その⑦


誰でもシータ波になれる驚異の頭脳システム



大阪大学を退職して林原生物化学研究所に来て、しばらくしてからのことである。

脳波をアルファ波状態にすれば、リラックスして物事が考えられ、記憶力も良くなることは知られている。

リラックスしているときの脳波が最も安定していることは、医学的にも分かっている。

そこで、普通の人でもアルファ波からシータ波にまで下げられる装置をつくろうと思った。

そして、音楽で精神が一番安らかになる周波数の音を左右の耳から送り込む実験をおこなった。

右耳から入った音は右脳に60パーセント、左脳に40パーセント伝わり、左耳に入った音は左脳に60パーセント、右脳に40パーセント伝わるため、両脳が同時に働く。

両耳から入った音の周波数差を、左右の両脳はビート音として検出する。

これは両脳が同時に働かなければ起きない現象である。

両脳が同時に働くことによって、両脳のバランスがよくなり、脳波はアルファ波以下に下がり、精神的に安定し、肉体的なストレスも軽減する。

以前、右脳が重視され『右脳革命』などと盛んにいわれたこともあったが、いまでは右脳・左脳の機能的な違いは明らかになっている。

ただし、個人的資質によって、どちらかの脳に偏って使っていたり、また、奥深い無意識層、つまり潜在的な能力が眠ったままの人がほとんどである。

この実験は、それをバランスよくするものなのである。

少し専門的なことなので難しいところもあるかもしれないが、この実験に用いた原理について説明してみたい。


K N E S T inc.


人間の右脳はコイルで示され、磁力線に感じる働きがある。

そして左脳はコンデンサで示されるように、記憶をつかさどっている。

このコイルをコンデンサと直列にして、両端に交流30ボルトの電圧を加えて電圧を測ると、コイル側がC200ボルト、コンデンサ側がL210ボルトである。

これを数式にあらわすと、

30V=C200V+L210V

となる。

つまり、コイルとコンデンサが交流の周波数に共振していることによって、電源電圧の10倍以上にも高くなるわけだ。

このようなことが頭の中でも同じように起こる。

ところが、抵抗Rを挿入すると、この200ボルトが30ボルトに下がってしまうのである。

この抵抗Rは、人間の場合ではストレスにあたり、一生懸命になればなるほどストレスもたくさんたまり、効果が上がらなくなる。

そこで、小さな発振器からイヤホーンによって左右の耳に同時に音を流す装置をつくった。

自分で実験しているうちに、ガーっとうるさく聞こえていたクーラーの音が聞こえなくなり、コンプレッサーの圧縮機のキュッキュッという音に変わった。

そして、夏の暑い日だったが、なんと、スーッと涼しさを感じるほどになったのである。

まさに、『心頭滅却すれば火もまた涼し』である。

この装置の試作品を完成させて間もないころ、ある医大の先生が、医大を卒業しても国家試験が大変で、落ちてしまう学生が多い、と嘆いていた。

そこで、私のつくった試作品を試してみてはどうかと、10個ほど提供した。

するとどうであろう。

この試作品を利用した学生は全員合格したというのである。

そもそも、人間の脳波をシータ波に下げるには、禅僧のような特別な修行、訓練をしたり、私のように複式深呼吸を長い間続けるなどしなければならない。

至難の業なのである。

そこで、その医大に、なぜこのような効果が得られるのか、原因を医学的に究明してほしいと研究を依頼したのである。

この装置をもとに、大脳生理学の見地から研究をしていただいた。

そして1年後、私の手元に研究結果の報告書が届いた。

それには、脳波の分布図がカラーで示され、脳波が右脳も左脳も大きく変化していることがはっきりと示されてきた。

おおまかにいうと次のようなことである。

人間は物を見たり聞いたりすると、まずその信号(情報)を、右脳で感覚的にとらえる。

そして、その情報を理性や記憶を受け持つ左脳に送り込んで記憶に残す。

つまり、音や言葉の情報が大脳皮質の働きによって表現されたりするのである。

私の開発した装置は、この右脳から左脳への情報伝達を強制的に送り込む作用があることが分かった。

左右の脳の統合である。

私の電気による実験と同じ結果が得られたわけだ。

この脳の働きの統合によって、人間の秘められた潜在的な脳力が高まる。

つまり、左脳、右脳の共同作用によって創造力、インスピレーションが高まるのである。

創造力は決してどちらか片方だけの脳の働きではない。

また、人体には異物を取り込まないように体のすべての部分に拒絶反応があるのだが、強制的に右脳から左脳に移すことで、脳の拒絶反応が取り除かれ、抵抗なく記憶力が向上していくのである。

そして、脳波がアルファ波からシータ波になることで、自分の中に眠っていた潜在脳力が高まり、発想力、創造力をはじめ、さまざまな力を引き出すことが可能になるのである。

先ほどもふれたが、脳波をシータ波まで下げることは、修行を重ねた僧侶でも、何年もかけて瞑想をして、やっと少し現れてくるというほどの“悟りの脳波”なのである。

本来であれば、普通の人が意識的にシータ波にすることはとても困難なことであるといえよう。

この脳波をシータ波にする装置を、『パラメモリー』(現在、『アルファシータ』に改名)として製品化したことについては、第六章の『発明』のところで詳しくふれていきたい。


【 第六章 : 脳波をシータ波にして超発想を生むパラメモリー 】へのリンク↓

http://ameblo.jp/koji-kitano/entry-11064362472.html




政木先生の廃刊になった著書より抜粋しました。


この『パラメモリー』を当時、政木先生より購入して愛用していた一人でした。

当時はまだ学生でしたので煩悩の塊であった僕には、記憶力を増すという意味合いで、あまり効果の分からない、発揮出来なかった凡人のうちの一人でもありました。(笑)

ところが、リラックスするという点で、常に眠たくなったのを思い出します。

現在は人に貸し出してそのまま手元には戻ってきていませんが。。。汗

今もなお、販売されているのかな。。。

興味ある方はNETで調べてみてくださいませ。


この著書は東洋経済新報社より1996年6月27日に出版された書籍です。


明日もこの続きをご紹介致します。