予言者の人間性とその真実性 | 『 真理は自然の中に在り 』
『精神文明と奇跡』
政木和三

第3章 肉体と生命体

予言者の人間性とその真実性

 科学が進めば進むほど、高度な迷信が多くなってくる。これは、現在の科学で解明のできない部分が残っていることを表わしている。科学的常識で判断できないところに一般の人々の迷いが生ずることになる。霊能者とか霊感者と自称する人の言動のすべてが真実であれば、何も迷うこともないが、その真偽を確かめることは、普通の人にとっては至難のわざである。

 ある霊能者は、語学をほとんどやっていないが、外国語を神の言葉だと称して語る。それが正確であれば、それに続いて出る言葉も真実らしく思えてくる。または、霊能者に、行ったこともない地名、建物等を詳しく言いあてられると、その人の言葉を全く信じてしまうことになる。

 あるとき、神示が連続的に発生すると自称する人を、試験する機会に恵まれた。本人の語るところによれば、合掌し、黙禱すれば、自動的にペンが動き、文章を綴ってゆく。それは神示だと思う、と。

 そこで筆者達の目の前で実験をすることになった。

 質問は私ともう一人だけが知っている問題であった。ペンはどんどん進むが、一般的なものばかりであって、質問の骨子となっている部分の答えは出てこない。

 それに並行して、政木フーチパターンの測定をやってみた。すると本人に付着している第一生命体の形があらわれた。次に第二の質問をすると、第二の生命体があらわれ、第三の質問をすると三番目の生命体があらわれた。

 その答も、同じ質問に対して三様のものとなり核心には触れていないものであった。

 四回目の質問が終わったとき、霊能者に対して、『あなたのやっていることは、神でも仏でもありません。あなたの中にある潜在意識によって行われているものですから、その文字には何の価値もありません』というと、本人は、『しかしここに書かれていることは私の知らないことですから、神がやっているのだと思う』

 『あなた自身は知らないと思っていても、深部意識の、記憶にあるものが催眠状態になることによって、呼び出されることもあります。おそらくそのような現象でしょう』

精神文明と奇跡 041


 この霊能者のフーチパターンは、図のように五個の生命体から成っていて、予言のごとき言葉を出すものは、右と左に傾いた生命体と中丸の生命体であることがわかった。この三つの生命体は振幅も小さく、エネルギーの小さいことを示している。

 本人も以前から、このことに薄々気付いていたらしく、自分から出る予言をどのように取り扱うべきかに迷っていたようである。

 『あなたの予言は何の役にも立ちません。自分や人を迷わすだけのものですから、今日限りやめられてはいかがですか』と言えば、

 『はい、今日限りやめます。しかし自然の声が聞こえてくれば、どうしたらよいのでしょうか?』

 『それは、私の第一生命体よ、しっかりして、私の中にいる不必要な生命体を全部追い出してください。

 この言葉を一日に何回でも、口と心の中でつぶやきなさい。二、三日で健全な自分自身となることでしょう。』

 『はい、そのように実行します』


 霊能者と自称する人の中にはこの一例に示すように、自分の潜在意識によって神示らしく、予言として告げているものがある。これは精神病に近い人間が幻聴、幻覚によって言葉または文字として表わしているものであって、何の真理も含まないものである。

 真の霊能者は、常識で判断しても、科学的に考えても当然のことを語り、またその言語の中に神性を示すような暖かいものが感じられ、決して、人を不幸にしたり、苦しめるような言葉は含まれていない。

 信仰を求めようとする人々は、その教えが神性なるものか、獣性であるかの判断をする必要がある。一般的に、その霊能者が、真の神性のものか、動物的なものかを見分ける要点として、

 1=自分は偉大なる教祖だと自称する人

 2=宣伝を大げさにする人

 3=自分ほど偉いものはないから、自分についてこいという人

 4=物品、金銭の供物を強要するもの

 等々は、まず、動物的な能力か悪霊の力を持つ霊能者であると思うべきである。

 また、先祖の霊の祟(たた)りのために、子孫に不幸がくるというのも要注意である。自分の先祖が自分の子孫に不幸を与えようとはしないだろう。どんな先祖でも、自分の子孫の繁栄を願うものである。

 親を大切にし、先祖のお祭りをすることによって、本人の心が浄化され、それによって先祖の霊が喜べば、その家は更に繁栄こそすれ、悪くはならぬものである。

 真の神の意志によって精神を導くためにこの世に出た教祖様なら、信者に対して施しはすれども信者から求めようとはしないものである。



第三刷発行:昭和五七年九月二十日
著者:政木和三
発行者:後藤房子
発行所:日新社 岡山市尾上二七七〇 電話〇八六二(八四)二一二一
印刷書:山陽印刷株式会社 岡山市中山下二丁目五-五〇-一〇一





 政木和三先生とのご縁の始まりは、昭和五年生まれの私の実父が小学生時代の頃より電気のイロハを教わり(実際に、電気ギター制作等々、様々な電気技術のご教授を、家族ぐるみのご近所付き合いの中で個人的に無償で賜ったそうです)、その後、御晩年には、政木先生の素晴らしいご発明品の集大成のひとつとして“世のため、人々のため”に御余生をかけ陰徳にご尽力なさいました超強力 神経波磁力線発生器(改名機器、インパルス磁力線、そして、Mリングと、すべての御販売は㈲政木研究所、㈱ケントにて)の製造に至るまで、数々のお仕事をお世話頂き、政木先生がお亡くなりになる最後の最後まで、私も含め家族ぐるみのお付き合いを賜わり、今も尚、心の底よりとても尊敬し、感謝している恩師・師匠です。

 以前に紹介させて頂きました政木先生の廃刊御著書『精神エネルギー』よりも更に5年前にご発刊なされました廃刊作品『精神文明と奇跡』を、政木先生からのお教えである『目先の欲望を捨て去り、世のため、人々のために尽力せよ!』との仰せを引き続き継承するため、これから毎日少しずつではありますが紹介させて頂きますので、皆様には再度、暫しのお付き合いの程、何卒、宜しくお願い申し上げます。

深謝
m(__)m





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