直前期こそ「急がば回れ」 | 彼の西山に登り

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公務員試験講師があれこれ綴るブログ。

今日はCSS千葉大前校にいます。

穏やかな天気で、耐震工事をしていた近くのコンビニも再び営業を始め、久し振り?の千葉も快適さが増しています。


さて、

国家総合職等の1次試験まで20日を、都庁Ⅰ類・特別区Ⅰ類の1次試験まで30日を切っている超直前期ですが、この時期にどうしたらいいか、質問が増えています。

よく言われることですが、この時期に新しい科目や過去問集に手を出す必要はないので、重要事項・頻出事項の知識の確実さを向上すべく、今までのテキストや過去問集を繰り返すのがよいでしょう。どうも煮詰まった心境で、目先の変わったことをやりたくなる時期でもありますが、この期に及んで浮気してもあまりメリットはないでしょう。

ただ、「今までの過去問集を繰り返す」という場合に注意が必要なのは、5回目を回し終わったら再び6回目、6回目が終わったら7回目、といった具合に、機械的に繰り返すより目に見えて伸びる方法はあるので、努めて機械的な作業にならないようにするのが吉です。
すなわち、大体解ける分野はもう実力が下がらない程度の確認でいいので、なかなか解けるようにならない分野を特定する必要があります。


その上で、それが時間配分や職種(国家総合職の難問など)に由来するものであるなら、時間配分を工夫するとか、受験する職種によっては、取り敢えずかけ離れたテイストの問題が多い職種を外す(例えば特別区Ⅰ類を受けるのに、今の時期に国家総合職の難問にこだわっていてもあまり意味はありません。)といった技術的な工夫をすればよいでしょう。


しかし、それが出題頻度の高い分野で、特に受験する直近の試験のために重要であるならば、何とか攻略しなければなりません。

その場合、ここまで絞れたなら、当該分野について一旦テキストに戻ると、一気にできるようになることがあります。


知識系科目の場合、lどうしても過去問中心の勉強だと、断片的な知識の力技暗記になりがちです。

そこで、例えば日本史や世界史であれば、直接問題にはならなくても、重要事項(例えば『享保の改革』のうち、『足高(たしだか)の制』=身分の低い有能者を抜擢するために、役職に必要な禄高に不足する分を在職中に限り支給した)の背景・理由や、その後の成り行きを、別に記憶しなくてもよいので参照しておくと、重要事項を記憶しやすくなるでしょう。※

また、法律科目でいえば、当ブログの記事でも何回も書いていますが、選択肢になりがちな「例外」を断片的に記憶するだけでなく、「原則→例外」関係や、制度趣旨を見直すことによって、却って知識が整理され、記憶し易くなるケースが少なくないと思いますよ。特に、民法の質問を受けていると、制度趣旨や原則論から考えれば容易に考えつくことを、力技で暗記しようとして、「民法が覚えられません(泣)」と訴える方が少なくありません。
そういった場合に、一旦テキストに戻って周辺知識を参照するだけで、ぐっと得点率が上がる場合がありますよ。



※この例でいえば、江戸幕府の役職に就く資格要件として最低限の禄高(例えば町奉行は3000石)が決められていたため、従来抜擢人事をするには家録を加増していたが、そうすると退職しても減額できないので、幕府の財政を圧迫していた。そこで、「足高の制」を導入したのだが、退職しても役料を取り上げることに抵抗感があり、結局家禄を加増する形で支給し続けた例が多かった、といった具合です。

 ちなみに、「単純に資格要件を下げればよかったじゃん」、「必要経費くらい全額幕府がもてよ」などと思うのは、江戸時代の武士の家禄を現代のサラリーマンの給料・手当と同視するもので、現代の社会通念で過去を裁くものでしょう。江戸時代の禄高は身分の表象であるとともに、役目を勤める費用は自腹が原則(いざ戦というときの武器や馬や供回りは自腹で支弁した。そのために日頃禄が支給されている)というのがいわば鎌倉以来の「武士の建前」ですから、これをぶち壊すことまでは踏み切れなかったとしてもやむを得ないでしょう。
 天下統一後最大の社会問題であった「浪人問題」を、豊臣秀吉は「海外派兵」によって解決しようとして失敗し、徳川家康は武士を役人にする、すなわち軍人を文官に転用することによって一応収めた訳ですが、その際、東照大権現をもってしても上記の「武士の建前」までは否定できなかったとしてもまあ当然です。徳川家康のこの発想の転換に等しい技ができる統治者が、現代社会にどれだけいるでしょう。



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