福生子ども日本語教室では、ルーツ、家庭環境、日本語力、学力もさまざまな子どもたちが通っていますが、彼らの住んでいる場所も広域に渡っています。
福生市内の中学校へ通う子どもも多いですが、羽村、昭島、瑞穂町などの西多摩地域、さらに八王子や日野、町田などから電車で通う子どももいます。
こちらの教室では、近隣の子どもたちには送迎車を手配し、順番に家まで迎えに行くことで、少し離れたとことに住む子どもでも確実に教室に通えるようにしています。おかげで、校区を越えて多くの子どもたちのサポートが可能です。
先日の「外国につながる子どもたちの生活環境」の記事でも書いたように、こちらの教室に通う子どもたちのなかには、家庭の事情などで、毎日規則正しく学校へ通う環境が整っていない子どももいます。
そんな中で、サポートの場があっても、まずは通うこと、さらに「通い続けること」自体をサポートするのは、学習の継続にも、また生活リズムをつくる上でもとても大事なことだと現場にいて実感しています。
送迎車の手配も、物理的なサポートとしてとても大きいですが、現場のスタッフも、日頃から声をかけたり、様子を気にかけて心理的にもケアできるようにしています。
最近も、事情があってずっと学校に行けない状態にあったネパール出身の男の子が、ようやく就学(進学)の可能性がみえてきたのですが、それも、コーディネーターをはじめとして、まわりの大人が相談に乗ったり、進学を応援したりしていて、授業内での本人のモチベーションが格段に上がってきました。表情が、ほんとうに違うんです。
そうした日々のケアが、毎日通うことへもつながってくると思っています。
現場で授業をしていると、ついつい、授業そのものの質であったり授業運営であったりに集中しがちなのですが、そもそも、この場につなぐこと、継続させていくことへの意識も大切にしていきたいです。