こんにちは。
こだま堂の長峯です。
漢方薬って、基本的に処方名が漢字で、あまり常用では使わない文字や読み方が多いです。
子どもの頃、漢字の覚えが悪くてよく書き取りをさせられたな~と思い出されます
通常と違う読み方・・・試験では間違いな読み方になってしまうものとしては・・・
小麦(こむぎ)と書いて・・・しょうばく
紅花(べにばな)と書いて・・・こうか
独活(うど)と書いて・・・どっかつ
生姜(しょうが)と書いて・・・しょうきょう
辛夷(こぶし)と書いて・・・しんい
百合(ゆり)と書いて・・・びゃくごう
・・・などがあります。
今、漢字テストやったら間違えそう・・・ですね
処方名では、六君子湯は「ろくくんしとう」じゃなくて、「りっくんしとう」、温経湯は「おんけいとう」ではなくて「うんけいとう」などがあります。
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)の芎の字なんて、漢方以外で使ったことない・・・。(芎は環境依存文字と出てくるので、表示されてなかったらすみません)
なので、一般の方が読めない漢方薬って結構ありますよね。
電話で漢方薬のお問い合わせで、「うしなんとかって漢方薬が・・・」・・・「牛に車で、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)ですか」という具合に予測してお話することになります。
漢方で初めて知った日本語としては、「逍遙(しょうよう)」という言葉。
加味逍遙散や逍遙散がありますが、逍遙・・・というのは「自由気ままに歩き回る」という意味なんですね。
文章では一体どういう使い方をするんでしょうか
逍遙しましょうとか
ん~・・・今の我々にはあまり聞き慣れない・・・ですかね。
加味逍遙散や逍遙散は、神経症の女性に使うことが多い漢方薬ですが、「自由にのびのびした気分になる薬」という意味です。
意味が分かると、なんかすごく効きそうですよね
薬の作用から由来した日本語としては、女性の美醜を表す「ブス」という言葉がありますが、これは附子(ぶし・・・トリカブトの根)という生薬由来なんですね。
附子を飲むと神経が障害されて無表情になる・・・附子を飲んだ顔=ブスとなったそうです。
でも、無表情になるのは男でもなるし、女性に対して使う言葉・・・というのはなんか納得いかないですよね
八味丸や真武湯など、附子の入った漢方薬はありますが、現代では毒性は抜いて使ってますから、無表情にはなりませんので、ご安心下さいね
漢方の用語や由来の言葉って、結構日本語の中にあって、よく使われています。
元気が出るとか、肝が据わってるとか、肝心要とか、頭に血が上るとか、臓器や身体由来の慣用句が日本語には多いように思います。
現在では、漢方薬にあまり親しみがない方が多いですが、言葉としてみるととても身近に感じて面白いですよ