坂本龍馬新史跡・金子家教邸跡 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

≪坂本龍馬を援助した戦国武将末裔≫

一昨日触れたように今日(日曜)の雨降る自然、戦跡、ときどき龍馬-馬場辰猪誕生地碑 中、坂本龍馬に活動資金を援助していた、金子備後守の末裔「土佐金子家」十二代金子鎰十郎家教(いえのり→藩政期は「宅教」)の邸宅跡と、初代・金子弥右衛門宅明の邸宅跡を確認してきた。


 

まず向かったのは宅明邸跡。跡地の一角には、金子氏が転居した後に移転してきた馬場家の藩政期最後の当主で、明治期の自由民権家・馬場辰猪氏保の誕生地碑が建立されているからすぐ分かる。高知市升形の称名寺の道路を挟んだ南東。

自然、戦跡、ときどき龍馬-金子家の最初の居住地跡

 

私はその西の交差点を南下した路肩に駐車した。以前投稿したように、その東側の路肩は日曜と祝日の720時は駐車していいことになっている。但し、今日(日曜)は雨天だったこともあり、駐車台数が多く、スペースは一台分しか空いてなかった。


 

ただ、昨日も述べたように、馬場邸敷自然、戦跡、ときどき龍馬-金子橋跡 地は金子邸家地の西半分に過ぎない。金子邸跡の正確な跡地は、道路沿いでは辰猪碑が建っている称名寺駐車場から東の川島アパートまでと、奥は川島家の敷地全てと、高知市立第六小学校敷地にも若干かかっている。

 

ここに初代宅明が正保元年(1644)に移住し、五代傳十郎宅晴まで、享保年間後期まで居住していた。金子家が鏡川沿い自然、戦跡、ときどき龍馬-金子橋秋葉神社 の錦川町に移転した理由は、一説には享保12(1727)の「高知大火」によって城下の大半が焼失してしまったため、大規模な屋敷替えが実施されたからだと言われている。


 

跡地から西に7軒ほど過ぎた所の前述の交差点が、宅明の姉・かね姫の希望によって架橋された金子橋跡。南北に流れていた堀は、今では細い水路に変貌し、そこの暗渠部に橋の面影を感じ取るしかない。その堀沿いの日曜祝日駐車可の道路沿いには秋葉神社の祠がある。高知城下にはこの社の祠が多いが、秋葉神社は火除けの神であるので、前述の高知大火後に各地に勧請されたことが推察される。


 

余談だが、堀跡水路の南端三叉路を東に折自然、戦跡、ときどき龍馬-南馬場跡 れ、変形五差路から南東に上がる歩道を辿れば、鏡川堤防沿いに樹林帯がある。現在、樹林帯は忠霊塔の手前で終わっているが、昔は柳原橋袂付近まで続いていた。その細長い地は藩政期の「南馬場」跡である。


 

ここから龍馬が頻繁に訪れていた家教邸(金子家の二度目の転居先)跡までは遠いが、高知城界隈の日曜祝日駐車可の道路が全て満車になっている可能性があるため、そのまま東方へ歩い自然、戦跡、ときどき龍馬-金子家教邸跡を南側から て行った。

 

家教邸跡は高知市の中心街のため、昔と土地区画が大きく変わっているため、大体の跡地位しか判明しない。その同定のポイントは二つの堀の交差部である。藩政期は、複数の堀が新京極プラザの地で合流していた。家教邸跡は南北の堀と、現在のはりまや橋公園の前身の堀が合流していた地点から少し距離をおいた西側、道に北面して屋敷が建っていた。

 

その地は中央公園北口から西の帯屋町ア自然、戦跡、ときどき龍馬-金子家教邸跡を北側から ーケード内の二、三軒目の店舗にかけての地である。家教子孫が在住している埼玉県の郷土文献では、家教と龍馬は親友だったと記述されている。当時、家教はまだ当主ではなく、跡継ぎだったため、龍馬の革新的な考え、若しくは尊皇攘夷思想に共感していたのかも知れない。


 

但し、家教は東京に転居する明治23自然、戦跡、ときどき龍馬-十三代金子家美氏 まで、ここに居住していたのではない。家教が売却した古文書の一つが東京大学に収蔵されているのだが、その売却年が明治21年で、家教の住所は本与力町となっている。その町は金子家の最初の移転先、錦川町の南に隣接している。


中央公園界隈は明治中後期から近代化の波が押し寄せてくるが、家教も土地開発で立ち退いたのかも知れない。明治以降、この帯屋町周辺一帯は高知随一の繁華街となっていくが、それは今でも変わらない。


 

家教の祖父の墓は薊野地区の墓地山にあるらしいが、膨大な墓石群の中から探し出すのは至難。折を見て、少しずつ確認作業を進めていきたい。龍馬の生家跡を大正期、購入したと言われる金子家傍系子孫(近年、高知の史家がその購入について異論を唱えた)の墓は分かり易い所にあるのだが。

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