展覧会『時の中のこども達』の代表出品作品をご紹介しております。。。
今日ご紹介する作品は『つるひめの。。。』です。
涼しさを通り越して寒くなっていただきます。。。
日本の昔話をモチーフに描いた作品で、『人魚姫』と同じくらい大好きな物語です。
当時の私は、今より、かなり神経過敏症で、
「私がアトリエに入っている間は決してこの扉を開けないと約束してください」みたいかんじ。。。
そうです。私はアトリエで鶴になって、痛みに耐え、自分の羽根をもぎ取って絵を描いていたのです。。。
冗談はさて置き。。。
でも、絵を描く人は多かれ少なかれ、自分の神経もぎ取って製作しているはず。。。
だから、こんなに「鶴姫」に魅了されるのかもしれません。。。
エッセイ画集『こども』にも登場した作品で、
後にこの作品がきっかけで絵本画集『恋文』のオファーが舞い込んだ、私にとって、とても記念的な作品です。
2000年制作 『つるひめの。。。』
この作品も少々大きめで、約60×80cmあります。
何枚も描いて、やっとこの一枚が完成したのを思い出します。。。
紙の持つ魅力をふんだんに盛り込んだ作品で、
『恋文』の編集責任者がまだ内容が決まるまえに、
「この子を表紙に大人のための恋愛絵本を作りませんか?」の言葉から『恋文』は生まれました。
エッセイ画集「こども」の時は「つるの恩がえし」を読み自分で作った句を草書にしたためて入れました。
「つる姫の 恩をわすれぬ その心 冬の野に降る 吹雪 一稟」
勉強されてる方が読んだらきっと滅茶苦茶な句だと思います。
久しぶりに作品と対面して、作品の背景の書についてのエピソードを思い出しました。
草書にした時、「凛」より「稟」の方がすっきり美しいから稟という字を使おう、とか。。。
当時最後に入れるこの書で失敗したら、全て水の泡だと緊張したのを思い出します。。。
髪の長い、凛とした美しい女性になりたい、という当時の強い思いを感じていただけたかしら。。。
★個展会場で『恋文』の販売はありますか?とのお問い合わせをたくさんいただいているようです。
残念ながら今回、印刷物の販売は、「デビュー15周年記念ポストカードセット」のみの販売になりそうです。
でも、お近くの本屋さんで注文すれば買えますので、あらかじめ買って持って来ていただいたら、こっそりサインさせていただきます。
急遽決まった個展なので、何かと行き届かない点もあると思いますが、私も会場に出向き、心を込めて皆様をお迎え致しますので、どうぞよろしくお願いします。
会場に来れないお客様には、このblogで作品や会場の模様もレポートさせていただきますので、どうぞご安心ください。。。
会期が近づくにつれ、ドキドキよりワクワクしている私です☆