■韓国の心がいっぱいつまった「チンダルレ」の話 | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!韓国の山を優しいピンクに彩るチンダルレの花。


●韓国人がチンダルレを愛する理由


昨日は韓国の桜をご紹介しましたが、今日は、桜と一緒に今まさに満開の「チンダルレ(진달래)」についてです。


実はちょうどこの時期は韓国全国で、桜祝祭が行われるのと共に、いくつかの地域ではチンダルレ祝祭も行われているんですね。仁川市江華郡の高麗山チンダルレ祝祭とか、富川市の遠美山チンダルレ祝祭、全羅北道完州郡の母岳山チンダルレ祝祭などなど。


日本では梅が2月、桃が3月、桜が4月に咲いてピンクの春を演出しますが、韓国では心情的に春を伝えるピンクは、昔から何よりもこの「チンダルレ」だったわけです。この季節、春を迎える茶色い韓国の山に登れば、黄色いレンギョウと共に、木々の足元にピンク色の淡い色が広がっていくさまが見られます。


「チンダルレ」は、英語で「Korean Rosebay」といい、日本語でも「カラムラサキツツジ」と「カラ」という「韓国(からくに)」の意味の名前をつけていますが、この地に来ると、その春の山の様子があまりにも美しいので、まさに韓国のイメージとして強い印象に残らざるを得ない花です。日本でも植物園などでは見られるようですが、韓国の大地における、情緒深い、その印象は伝わらないだろうと思います。


何よりも生命力がたくましいため、どんな土地でも、枯れた大地から養分を吸って美しさを花咲かせる姿は、長い年月の困難を経てきたこの民族の心の慰めであり、希望であったわけで、昔から多くの歌や詩に表現されてきました。


反面、70~80年代のある時期には、この花が北朝鮮を象徴する花として考えられたため、共産主義者としての疑いを掛けられないように題材として避けられたこともあったのですが、しかし本来は、日本による植民地時代に祖国解放の象徴でもあった花であり、今ではむしろ、今の韓国の国花である無窮花(ムグンファ=ムクゲ)が現実にはそれほど国民に愛されていないことからも、むしろチンダルレを韓国の国花にすべきという声も聞かれるようになっています。ちなみに、北朝鮮では木蘭(木蓮の一種)が国花となっていますよね。


なんといっても、韓国人がどれほど「チンダルレ」を愛してきたかという証拠として(?)、韓国ではこの「チンダルレ」の花を食べちゃうんですよね。昔はそれこそそのまま田舎の子供たちのおやつだったというんですが、大人たちが花びらでお酒を作ったり、お餅に貼り付けて装飾したり、ソウメンの飾りにも使われてきました。また、この「チンダルレ」から取った「ダルレ」という名前も多いんです。



●チンダルレを謡った民族の歌


ということで、そんな愛されてきたチンダルレにまつわる詩と歌をご紹介します。まず最初は、春を待つ素朴な心を詠んだ、有名な金東煥(キム・ドンファン)の詩に、1931年、金東振(キム・ドンジン)が曲をつけた『봄이오면(春が来れば)』。



봄이오면/春が来れば(金東煥)


봄이 오면 산에 들에 진달래 피네(春が来れば、山に野にチンダルレが咲くよ)

진달래 피는 곳에 내마음도 피어(チンダルレが咲く所に、私の心も咲いて)

건너 마을 젊은 처자 꽃따러 오거든(向かい村の若い娘が花を摘みに来たなら)

꽃만 말고 이 마음도 함께 따 가주.(花ばかりかこの心も一緒に摘んでいってほしい)



続いて、韓国国民に今も愛され続ける、国民的詩人で天才詩人ともいわれる金素月(キム・ソウォル)の代表作『진달래꽃(チンダルレの花)』ですね。これは韓国の歌手マヤが現代風のアレンジで歌っていますが、やはり別れの「恨(ハン)」を謡った元の詩がすごいので、歌も時代を超えた感動ですよね。



진달래꽃/チンダルレの花(金素月)


나 보기가 역겨워 가실 때에는(私を見るのが疎ましく去られる時には)

말없이 고이 보내 드리오리다(言葉なくそっと送ってさしあげましょう)

연변에 약산 진달래꽃(寧辺は薬山のチンダルレの花)

아름 따다 가실 길에 뿌리오리다(一抱え摘んで、行かれる道に撒きましょう)

가시는 걸음걸음 놓인 그꽃을(行かれる一歩、一歩、敷かれたその花を)

사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서(軽やかに踏みしめて行ってください)

나보기가 역겨워 가실 때에는(私を見るのが疎ましく去られる時には)

죽어도 아니 눈물 흘리오리다.(死んでも涙は流しません)




歌手マヤの『진달래꽃(チンダルレの花)』

ちなみにもう一つ、日本にない韓国のツツジとして、「チョルチュク(철쭉)」がありますが、これは5月に咲く大きめのツツジで赤い色、日本名は「クロフネツツジ」というそうです。これも本当に美しい花で、見るだけで心が躍りますよね。以下はチンダルレ咲く韓国の風景です。


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韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!チンダルレ酒も韓国人から愛されてきましたよね。オシャレ!

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!「花煎」というチンダルレの花が入ったお餅もあります。これもカワイイ!

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!こちらはチンダルレが入ったそうめんですね。So Cute!


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