11日の、「自民党参院議員会長選」では、「歴史的な事件」が起こった。

 なんと、二人の立候補者が、同数の票を獲得、そして「くじ引き」によって決定がなされたのである(゚Д゚)


 この模様はニュースにもなったので、見た人も多いと思われるが、少し詳しく見ていこう。



【そもそも「参院議員会長」って?】


 実際、党だの国会だのには、様々な「要職」ってやつがあって、わかりづらい(-ω-)

「総理大臣」、「官房長官」は「内閣」で、たぶん聞いた事ある人も多いだろう。

「幹事長」ってのは内閣ではないが、かなり巨大なポストだ。なんとなく「影のドン」みたいな雰囲気を感じませんか?w

 ほかにも「政調会長」、「国会対策委員長」などなど、まぁいろいろございまして・・・


 今回、「参院議員会長」について、ネットでざっと見てみたのだが、イマイチ何する人かわからなかった(´Д`)スンマセン。

 ただ、民主党においても自民党においても、「非常に大きな影響力を持つ」ということは、間違いなさそうである。


 だが、自民党においては、青木氏の引退以来、その影響力が少し翳った、という見方もあるようだ。



【自民党の慣習】


 さて、この会長選、自民党では10年以上の間、「無投票」で選出されてきた。

 理屈の上では、推薦人を複数集めれば、誰でも立候補できる。だが、ずっと「派閥の順送り」という、いかにも自民党らしい『談合選挙』が繰り返されてきたのである。


 今回も、その流れで言えば、「谷川氏」が無投票で選出されるはずだった。

 だがそこへ、「中曽根氏」が突然、立候補を表明したのである。



【対照的な二人】


「どっからどう見ても悪役・代官顔」の谷川氏(大変、申し訳ないw)と、「ジャパニーズ・リチャード・ギア」こと中曽根氏


「旧来通りの政治で結束を」と唱えた谷川氏。「派閥政治の脱却を」と訴えた中曽根氏


 選挙期間中は、誹謗中傷にも似た「舌戦」が繰り広げられるほどで、それぞれが議員に電話をかけまくって、支持をとりつけようと必死になったという。



【圧倒的な不利をおしのけて】


 今回の選挙は、「劇的な大逆転」と言えそうだ。

 自民の慣例の中に、いきなりポっと割り込んだ中曽根氏だが、派閥の多くは早々に谷川氏支持を表明したからだ。

 谷川氏も「ダブルスコア(2倍以上の差)で勝つ」と、余裕の出だしだった。


 中曽根氏自身も、「党の要職者は、脱派閥を」と、若干選挙とは関係ない主張をしたりしていて、最初から「勝つ気はなく、単に一石を投じたかった」かのような印象を受けていたのだが・・・


 だが、短期間で、その流れは怒涛の勢いで中曽根氏に流れ込んだ(゚Д゚)


 まず、中曽根氏自身が所属していて、今回離脱した「古巣・伊吹派」も、バックを固めてくれた。

 若手・1年生議員の支持を、山本一太議員がかき集めてくれたのも大きい。山本議員というと、ワイドショーやTVタックルに出てきては、いじられてるだけ、という「パフォーマンス議員」に見られがちだが、実際はいろいろと活躍をしているようである。そういえば名古屋市長になった河村たかし氏も、元はTVで小馬鹿にされるタイプの議員だったが・・・そういうタイプ、「タレント議員ならぬ、議員タレント」ってのは案外、信念を持っているからこそ、TVにも積極的に出るのかもしれない??


 ・・・さておき、話の続き。

 さらに、安倍氏石破氏等、衆院の有志らまで中曽根氏を支援し、結果的には、まとまっていたはずの派閥の若手が次々に造反。

 票数は40:40で同数。規定によりクジ引き、そして中曽根氏が当たりを引き当てる、という、ドラマのような劇的展開であった。



【自民党の内紛は歓迎】


 さて、僕はつねづね、民主党の内紛を、強く批判してきた。

『【三つ巴の民主党】なんという三国志政党('A`)』 8/10

http://ameblo.jp/kitanotabito/entry-10615730215.html


 民主党の内紛は、自民党とは性質が違う。

 いくつかの政党が合体してできた党であるし、前回の衆院選で、ドカっと議員数も増えた。そして小沢氏が「国民の支持がないくせに牛耳ろうとする」ために、国民の目には不可解な対立構造を生んでいる。

 しかし、民主はすでに与党である。政治実務の多くを担っているわけであり、内部でゴタゴタすることは、そのまんま日本の政策に直結してしまう。厳しく自省すべきだろう(`ω´)


 さて、自民党はというと・・・

 そもそも自民党は、「体質批判」のために野党に転落したのだから、変化に伴う内紛はすなわち「必要な改革」と言っていいだろう。

 せっかく国民の意思で野党になったのである。今のうちに「体質改善」しておかなければ、いつまでも支持は回復しない。

 それを肌身にしみている中堅・若手が、今回の「脱派閥」を強力に後押ししたのではないか。


 確かに、派閥のすべてが「悪」だったわけではない。

 自民党が長期安定政権でいられたのも、派閥談合政治のたまものであろう。それは決して悪い面ばかりではなかった。

 自民党も、民主党に負けないくらい「寄せ集め政党」である(まぁ、大政党なんてどこもそうだろうが)。

 それを維持するための1つのシステムが「派閥」だったのだろう。


 しかし、もはや時代遅れ、ということなのだろうか・・・老人議員にはサビシイ話だろうなあ(´ω`)



【頑張れ、谷垣さん!!】


 さてさて、党の内紛&ねじれに苦しむ菅総理については、僕は応援をした。

『ねじれ考②:ヘコ菅こそ、ねじれを乗り切る正解である』 8/07

http://ameblo.jp/kitanotabito/entry-10612777339.html


 考えてみれば、「過渡期の混乱」と、「新局面国会の運営」という点で苦しむのは、自民党も同じである。

 そして、そのトップたる谷垣の手腕が問われるだろう。


 彼は党代表でありながら、どうも「パっとしない」などと言われ、党内からも批判されやすい人物のようだ。

 だが、自民の「内紛」にも、適切に当たっており、国会でも菅氏&民主党&野党への配慮を見ると、なかなかバランス感覚にすぐれた人物に思えてくる(・ω・)

 今の局面においては、民主・菅&自民・谷垣の「控えめ双頭体制」が、案外に政治の安定をもたらしてくれるかもしれない。

 ここで、アクの強いのが立つと、かえって大混乱になりかねないからだw



【うまくいくかな、ねじれ国会】


 そう、好意的に考えてみると・・・

 日本の政治も、まだまだ失望せず、楽しみに期待できそうではないか?


 例えば自民・民主の大連立。これはそれぞれの党内でも賛否が分かれているが、それをうまく調整している(あるいは、そうしようと努めている)のも、やはりこの両者だ。

 連立が成ろうが成るまいが、両党の「協議」は絶対に欠かせない。そのとき、今の「頼りなきリーダーたち」が、真価を発揮することを願う(´ω`)b



自民の自浄作用には、僕も嬉しく思う次第で・・・

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久々の投票!!『【自民の参院議員会長選】中曽根氏の選出について

http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=45273

派閥政治を、安易に悪と決めないようなブログ、読んでみたいな(´ω`)