飛び蹴りで人は死ぬか。
死ぬ。
それが、この映画で分かる。
私事ながら、前のめりにババアな当方には『子連れ狼』シリーズはTVの印象。
映画は初体験ながら、こりゃとんでもねえなと、すぐに気づくわけなのだ。
大五郎少年の前で人殺しをする父親、拝一刀(おがみいっとう)。
全てを受け止める大五郎。
今なら、児童虐待で逮捕の事案。
大五郎の覚悟に泣ける。
人前で長時間、ほぼ全裸。
子どもとはいえ、恥ずかしいのだろう、ちょいちょい股間を隠そうとしては、はッ!今は仕事中だった!と思い出す大五郎の子役さん(富川晶宏)。
このトラウマのせいか、後年、拳銃密輸で逮捕されている。
ちなみにTVシリーズの大五郎、西川和孝も後年、殺人罪で逮捕。
無期懲役で服役中だ。
うむ。
やはり、子供の前で人を殺してはいけない。
原作者の小池一夫先生にモーレツ直談判して拝一刀役を射止めた、若山富三郎の気合!
弟・勝新太郎にも通じるムチムチボディで、あの身軽さ!
目にも止まらないは、このことだ。
佐藤友美や安田道代は、まさに劇画美人!
大滝秀治はいつも通り。
加藤嘉もいつも通り。
山城新伍が浮かれてる。
大木実の顔が白すぎて笑う。
三隅研次監督が作り出す緊張感が最高!
脚本も兼ねる小池一夫が創造する設定やアクションはキテレツ。
その勢いを加速させている。
笑ってしまうくらいの素早さとカメラワーク。素敵。
乳母車が、007張りのメカ車だとは知らなかった。
なので、笑った。
とある藩の者らが拝一刀に仕事を依頼するのである。
アクションと人情。
艶っぽさと男気。
とんでもアクションを高度にこなす若山富三郎の肉体よ!
『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』も素晴らしかった。
若山・勝兄弟が素敵なのか。
秋田が誇る小池一夫先生が眩しいのか。
いずれにせよ、子連れ狼は罪な善人だと知った。
真っ赤な血飛沫。
これぞ、エンターテイメント。
スクリーン(秋田・週末名画座シネマパレ/Twitter)
1973年・日本
監督: 三隅研次
原作・脚本: 小池一夫
製作: 若山富三郎
出演: 若山富三郎、冨川昌宏、安田道代、佐藤友美、石橋蓮司、大木実、大滝秀治、山城新伍
[関連作品]
小池一夫⇒御用牙 かみそり半蔵地獄責め(原作)/電人ザボーガー(原案)
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。