御用牙 かみそり半蔵地獄責め

『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』 1973年・日本 


主婦仲間からオススメ映画を聞かれた折、本心では―
「御用牙だね!ああいうものを作っていた日本を誇りたいね。まず、オープニングからトレーニングね。何のトレーニングかって?男根よ、男根!」
そう申し上げたいところを、グッと堪えて生きてます。

傑作。
十手持ちが大活躍の勧善懲悪。
悪人を追い詰める行動力の塊。
シャーロック・ホームズに匹敵する推理力も装備。どころか、エロ捜査では上を行く。

女とみれば、まずは強姦。からの和姦。
何しろ、女が夢中になるその体。
濡れ場シーンが破天荒。

が、観終わって、呆然としてしまった。
なんというイカした終幕なんだ、クライマックスなンだ!


勝新太郎の身軽さは何!?あの跳躍力、立ち回り。そして、お尻プリプリ感。
腹から声を出し、汗をかいて目を剥いて、全裸であっても威風堂々。ザ・スター!

西村晃は、なんという芸達者。
畳みかけるセリフが小気味よすぎて、爆笑の嵐。もう凄いンだから!

黒沢年雄の、カッコイイだけで何もしていない状態。
草野大悟・蟹江敬三コンビの軽妙さ!

秋田県出身、マンガ原作の鬼・小池一夫の作。だから、笑えるシビれる惚れるンです。
これを嫌いな男っているだろうか。たぶん、いる。

増村保造監督の美術意識の高さよ!画面構成が完璧。黄金比。
クライマックス、御用提灯の灯りが取り巻く有象無象。
その中心に勝新。ビューティフル!


スタッフ力の高さにも唸る。
照明、衣装、小道具大道具や、要塞家屋を作成の装置の力量も。
きっちりとしている。
何もかもがきっちり。

真剣な場にしか笑いは生まれない。
真顔で下ネタを繰り出され、翻弄されているうちに虜になる。
続けて、続けてと言いたくなる。

ラストシーンは秀逸。実に、お見事。



映画 スクリーン(秋田シネマパレ)

秋田シネマパレでは今週、『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』を上映中。チョイスに唸る。

[関連作品]
増村保造脚本 『ある殺し屋』



↑面白かったらクリック☆ありがとう!人気ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村へ

blogramのブログランキング