クロニクル

『クロニクル』 CHRONICLE 2012年・アメリカ 


圧巻だ。
天地無用の世界。
絶望が希望で、飛躍が収束。

超能力を得た少年3人。
彼らの、一転する青春の時間。

高校生であるから、はしゃいでみたりして。
そこからの導線が素晴らしい。

音響効果が衝撃的で、映像のインパクトが強烈で、キャラクターの心情が突き刺さる。
劇場が震えるような重低音。

ハンディカム映像が、ありのままの現実をクロニクル(記録化)。
その、圧倒的な力強さ!
浮遊感が果てしなく。
次の瞬間には、劇場のシートに体がめり込むかと恐れてしまった。


少年Aのデイン・デハーンがとんでもない!この蒼白なる焦燥!
若き日のレオナルド・ディカプリオにも似て、文句のつけようがない。末恐ろしい物件。

A少年のイトコ少年、アレックス・ラッセルがとっても良くて心がほぐれた。
殊に、彼の最後の一言は胸を直撃。思い出すだに胸熱。

人気者少年、マイケル・B・ジョーダンがイイ男。

この映画、何が素晴らしいかといってセリフが至高。
徹頭徹尾、高校生の日常会話。説明セリフは皆無。
脚本のマックス・ランディスはスティーヴン・キングの大ファン。わかる、わかるぞ。

ジョシュ・トランク監督はデビュー作! シーンの切り出し方が見事すぎる。
その積み上げで、もう、こうなるしかないという流れを生み出している。
いわゆる、説得力だ。実に有能。


少年の部屋には鬱屈が充満していて、小さな世界で虐げられて生きている。
彼が2つの物を手に入れて、1つはビデオカメラ、もう1つはテレキネシス念動力。
そうして羽ばたく、空へ。
這いつくばっていた地面から、高みの彼方へ。

それは、なんと雄大でスーパーで天上天下で唯我独尊だろう。

その果てにあるのものは、何か。
これは彼らの物語であって、我々の側の脆弱性でもある。

傑作である。
こういう映画に出会いたくて、映画館に通っているのだ。



クロニクル


映画 スクリーン(秋田シネマパレ

[関連作品]
デイン・デハーン 『アメイジング・スパイダーマン2』
アレックス・ラッセル 『キャリー』



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