京都コンサートホールへブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団の演奏会に行ってきた。
曲目はベートーベンのヴァイオイン協奏曲と交響曲5番『運命』。ヴァイオリンは諏訪内晶子さん。
管弦楽はいわゆる両翼配置で、弦は12-12-8-6-4だった。後半は1プルトづつ増えた。こういう配置を初めて見た。
一曲目のヴァイオリン協奏曲は、悪くはないけど、覇気があまり感じられず、このコンビならもっとやってくれてもいいんじゃないかなという印象。第三楽章のテーマが美しかった。
諏訪内さんのアンコールがあって、バッハの無伴奏だったけど、これは選曲ミスだと思った。弦の音といい、テンポの揺れといい、バッハならではの美しさが感じられなかった。いや、バッハは難しい。
後半は『運命』。最初振り向きざまにすっと手を振るといきなり大音響。テンポが速い!整っているけれど、渦巻くような音の洪水に巻き込まれて、天にも昇る気分。いつまでもこれが続いてほしいと思った。
音楽は、時々弦を効かせて驚かされる以外は、極めて正統で、精緻というわけではないが、一糸乱れず、ドイツの魂をぶつけられるような、そんな感じがした。
音楽が終わると盛大なブラボー!熱狂の中で、アンコールの『エグモント序曲』がいきなり始まった。これも『運命』と同じく、テンポの速い力強い演奏だった。もう興奮が止まらない!
それにしても、前半はともかく、後半はものすごいベートーベンを聴けた。こんな『運命』は一生のうちに何度も聴けるものではないと思う。正直最初は曲目にがっかりしたが、本当に行ってよかった演奏会だった。これだから演奏会通いはやめられない。