《ランスへの旅》とラ・フォル・ジュルネ・びわ湖の感想を書いてなかったので。いまさらですが。
ロッシーニ作曲歌劇《ランスへの旅》フェスティバルホール、4/18
大阪国際フェスティバルのオペラ公演。
大阪音大卒業生を中心に歌手を配置して、ロッシーニオペラフェスティバルの参加者も来日。指揮者はロッシーニの指揮では高名なアルベルト・ゼッダ。
全体の感想として、よく歌手を集めて頑張っていたと思う。ゼッダの指揮は快調というより、格調高く、どんな場面であっても決して下品な音を出さない。ただ、もう少し飛ばして、もっと心を振り回してほしかったと思わなくもなかった。
歌手で一番印象に残ったのは、ドン・プロフォンドの伊藤さん!難しいフレーズが限りなく続くアリアを難なくこなした。この部分の指揮もむっちゃ快調だった。ブラボー!
他の歌手も一定のレベルはクリア。不満を言えば、もう少し装飾音をがんばってほしかった。
オケは、ホントにカレッジオペラハウス管かと思えるほど、美しい音。ゼッダの魔法なのかな?
とまあ、いい公演だったが、大阪国際フェスティバルを謳う公演としては、小粒だと思う。来年こそはもっとすごい公演を期待したい。
ラ・フォル・ジュルネ・びわ湖 03-S-2 レ・ゾンブル びわ湖ホール小ホール
テレマンの四重奏曲を3つ演奏するという意欲的なプログラム。真っ先に買った。
四重奏と言っても、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、フラウト・トラヴェルソ、チェンバロの四重奏。若い四人が出てきて、入念な調音ののち出てきた音楽は、小気味よく、楽しく、若さがみなぎっていた。
テレマンを聴くことはあまりないけれど、こんな気持ちの良い演奏なら、また聴いてみたいと思った。このレ・ゾンブレというアンサンブルも注目やね
ところで、出演者プロフィールで、日本語と英語で全く違っていた。日本語はどんな音楽をやるか、英語はどこに所属して活動しているか。面白い。
ラ・フォル・ジュルネびわ湖 03-L-2 デジュー・ラーンキ他 びわ湖ホール大ホール
会場に入ると舞台に3台のモダンピアノがどーんとおいてあって、ビジュアル的に圧倒された。
内容は、デジュー・ラーンキが、奥さん、息子と3人でバッハの2台、3台のピアノのための協奏曲を演奏するというもの。3曲のバッハの前に、ドゥカイという現代作曲家の小曲を演奏していた。
演奏はやっぱりデジューラーンキ。太い音なのに、ロマンティック、バッハの構築的な音楽から外れていないのに、官能的。うーん、たまらん。奥さんもそこそこ良かったけど、息子はこれから頑張ってねという感じかな。オケも美しかった。
こんな演奏を聴かされて、今でも頭の中をバッハが渦巻いている。
ラ・フォル・ジュルネ・びわ湖 03-L-3 谷村由美子 びわ湖ホール小ホール
プログラムに、下記のバッハとヘンデルのアリアが並んでいたので聴きに行った。
バッハ《ヨハネ受難曲》より
バッハ《コーヒーカンタータ》より
ヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》より
ところが、上記のあとに続くプログラムは
ヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》より
ドビュッシー「花火」(ピアノソロ)
ラヴェル歌曲集《シェヘラザード》よりアジア
グノー《ロミオをジュリエット》より間奏曲(ピアノソロ)
グノー《ロミオとジュリエット》より毒草のアリア
終わってみれば、ラヴェルとグノーのアリアの力の入れ方の強いこと。バッハやヘンデルはどこに行ったのってな感じ。
私は、ヘンデルのオペラアリアを聴きに行ったのであって、ラヴェルやグノーを聴きに行ったのではない。今回のラ・フォル・ジュルネのテーマからいって、ヘンデルやバッハやその同時代の人のアリアが続くと思うよね。
びわ湖の最後でがっくりきたコンサートだった。