オッフェンバック喜歌劇《天国と地獄》の感想 2015年1月10日びわ湖ホール中ホール |   kinuzabuの日々・・・

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びわ子「みなさんー、こんにちわー」

おおつ「こんにちは。今日はびわ湖ホール中ホールでオッフェンバックのオペレッタ《天国と地獄》です。運動会で出てくる軽快な曲が有名です」

びわ子「聴いたことある!パチンコ屋で。ところで、オペレッタってオペラとどう違うの?」

おおつ「大きな違いはないと思いますが、ノリが軽くで、喜劇で、セリフがあって、踊りがあって、という感じでしょうか?」

びわ子「ふーん、で、どんな物語なの?」

おおつ「ギリシャ神話のパロディです。元の話は、オルフェとエウリュディケーは恋中でしたが、エウリュディケーが毒へびにかまれて死んでしまいます。

 オルフェが冥界の王に懇願し、その愛の深さと琴の音色に魅せられ、エウリュディケーが冥界から連れて戻ることを許されます。

 ただし、冥界から出るまで振り向いてはならない、という条件があり、最後に不安になったオルフェが振り向いてしまってエウリュディケーは再び冥界に連れ戻されてしまうという悲劇です」

びわ子「全然笑い話じゃないじゃん」

おおつ「そこで、オルフェとエウリュディケーを倦怠期でお互いに離婚したい夫婦に設定します。

 オルフェは世間体からしかたなく冥界から連れ出そうとユピテルに懇願するのです。

 そして、オルフェが振り返るのは、不安からではなく、ユピテルがエウリュディケーを返したくなくて雷を落としたから。

 結果、オルフェはエウリュディケーと無事別れ、エウリュディケーは神々の世界に残り、みんな万歳という筋にしたんです」

びわ子「なんじゃそりゃ、なんでもありやな」

おおつ「オペラの題材はギリシャ神話やローマ神話から取られていることが多いですから、元の話を知っていたら、より楽しめますよ。会場では別の作曲家の同じ題材のオペラのパロディだと紹介されてましたね。では、会場へ」



(公演を観ました)



びわ子「わーーー!むっちゃ楽しいやんか!!のりのりな曲が一杯で、笑いどころもあって、みんなで楽しくやってる感ありあり。こっちも楽しくて仕方ないわー!」

おおつ「ホント、楽しかったですね。私は各幕の最後で、みんなで踊りながらの合唱を聴くのがうれしかったです。合唱が背景に合わせてしっかりした動きをしてくれたので、楽しさ倍増です」

びわ子「ジェットコースターもあったな。あの背景なに?」

おおつ「プロジェクションマッピングといって、映像を音楽に合わせて投影しているんです。今はやりの手法ですが、うまく舞台を作ってましたね。装置は凱旋門のようなものだけでしたが、十分だと思いました」

びわ子「舞台に合唱の人がいっぱいいたな」

おおつ「皆さん生き生きしてましたね。おかげで舞台も引き締まったし楽しかったんだと思います。下手なプロよりよかったかも」

びわ子「どこから連れてきたの?」

おおつ「合唱は全員滋賀県民のアマチュアらしいですよ。NHKの放送であったのですが、オペラに触れるのは初めてっていう人も多いみたい。こんな形でオペラに触れられるなんて、いい体験ですよね。

びわ子「オペラファンも増えそうやな。びわ湖ホールはオペラファン倍増計画でも企んでいるのか?」

おおつ「ソリストの方はどうでしたか?」

びわ子「特に不満はなかったよ」

おおつ「そうですね、必要にして十分。ただ、エウリュディケーがね。まあ仕方ないでしょう」

びわ子「なんか不満モード?」

おおつ「うーん、ぜいたくを言わせてもらうと、セリフにもっと笑いが欲しかったです。いくつもちりばめてはいましたが、せっかく日本語でセリフでやるんですから、もう少し」

びわ子「アナと雪の女王とか、平和堂とか、TMRの西川(滋賀県出身)とか、いろいろ出てきたけどね。足りんかね?」

おおつ「セリフでもう一つありまして、歌手のセリフは地声もしくは地声に聴こえる発声で話して欲しいなと思いました。セリフのリアルと歌の情感の較差が楽しさを生むんじゃないかと」

びわ子「歌手は漫才や落語もやらんとあかんのか?大変やがな」

おおつ「最後に、演出全体が、DVDも出てるローラン・ペリ演出のプロダクションの影響を受けているんじゃないかと思いました。第一幕の草原のとか第二幕の神々の世界とか。まあ、これもどうしても同じようになってしまうものかもしれませんが」

びわ子「まあいいじゃん、楽しんだんだから!」

おおつ「そうですね、十分楽しめました。実は、来る前、成果発表会みたいなものだったらどうしようか、と思っていたのですが、そんなことを思っていたことがはずかしくなるぐらい、すばらしく楽しいいきいきした公演でした」

びわ子「行ってみないとわからない、ってことじゃないの?」

おおつ「そうですね、やっぱり、機会があれば行ってみないといけませんね」

びわ子「だから、またオペラを観に行きましょーねー」

おおつ「観に行きましょうねー」