びわ湖ホール ヴェルディ《リゴレット》の感想 2014/10/12 沼尻、牧野、ヌッツォ、森谷 |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

びわ子「みんさーんこんにちはー!」

おおつ「こんにちは。今日はびわ湖ホールでヴェルディのオペラ《リゴレット》の公演です。」

びわ子「昨日、東京でワーグナーを観て、今日はびわ湖でヴェルディ?忙しいわあ」

おおつ「公演がこの三連休に集中しているんですよ。他にも行きたいものがあったんですが」

びわ子「ところで、《リゴレット》ってどんなオペラなの?」

おおつ「私も初めて観るので、、、女心の歌とか、超有名なアリアがでてきます。大筋は、公爵の道化に隠していた娘がいました。その娘を公爵の家臣にさらわれてしまい、凌辱した公爵に復讐しようと殺人鬼に依頼したら、、娘が殺されていた、という悲劇です」

びわ子「なんのこっちゃ」

おおつ「とりあえず観てください」



(日曜日の公演を観ました)



おおつ「いかがでしたか?」

びわ子「舞台がくるくる回って、白いブロックもこちゃこちゃ動いて目が回ってしもたわ」

おおつ「場面ごとに、回り舞台で装置を回し、白い6つ(8つ?)の白いブロックを動かして、場面ごとに雰囲気を出してましたね。

マントヴァ公の広間は装置を並べて、リゴレットの家は装置を分けて。ブロックの裏は階段だったり、扉だったり、ブロックの組み合わせだけでいろんな情景を作り出してました。

ブロックをきれいに並べると、上が半円形で、月みたいに見えました。そこに、光を効果的に使って、装飾してました」

びわ子「最後はブロックは出なくて暗かったよね」

おおつ「死体袋の中に娘を見つけて嘆くシーンですからね。それまでと一転して、悲劇性を高めていて緊張感のあるいい舞台だったと思います

歌手はどうでしたか?」

びわ子「女の人の歌が凄すぎ」

おおつ「いやー、ジルダのアリア、森谷さんは完璧に歌いましたね。完璧以上。あのアリアをあそこまで声を巧みに操って、聴かせてくれるとは!天にも昇る美しさでした。森谷さんは日本でのオペラデビューだそうで、これからが楽しみです」

びわ子「最初からずっと出てた前かがみで歌っていた人もよかった」

おおつ「リゴレット役の牧野さんも素晴らしかったですね。声は出てるし、道化としての雰囲気、マントバ公への恨みなど性格をしっかり歌で表現してくれました。これ以上ないリゴレットでした」

他も、殺し屋のスバラフチーレ役のビシュニャさん、モンテネーロ伯爵の青山さんなど隙のない配役でしたね」

びわ子「女心の歌を歌った人はどうなの?」

おおつ「マントヴァ公のヌッツォさんですか?悪くはないんですが、もう一つ突抜けたところが欲しいんですよ。あの役にはそういう雰囲気が必要だと思います。まあ、ぜいたくなこと言ってますが」

びわ子「ホンマむちゃいうわ。オケとか指揮は?」

おおつ「美しくまとまってましたね。指揮は躍動感にあふれて、オケもしっかりついて行ってました。合唱も十分。オケ、歌手、合唱が一体となって、しっかりと結びついた、まとまりのある舞台を作り上げていました」

びわ子「いいことばかり言っているけど、何か不満はないの?」

おおつ「あえていえば、舞台がこじんまりとしていたことでしょうか?前日に新国《パルジファル》の大掛かりな舞台を見ていたからかもしれませんが、なんかこう、もっと尖ったところが欲しかったです。照明を横からもっともっと強く当てるとかね。

 まあ、新国立劇場の、新芸術監督の、プレミエ公演と較べるのが間違っているのでしょうけど。

 あ、最後のジルダの死の場面はよかったです

 あとは、オケですかね。もうちょっと音量があってもいいかも」

びわ子「なんだかんだ言って不満が出てくるな」

おおつ「オペラは、歌手、合唱、管弦楽、指揮、演出、装置、照明など、いろんな要素がからまって舞台を作りますから、全てに満足できる公演というのは少ないです。受け手の感性もあります。いいところもあるし、不満なところものある、それがオペラだと思います」

びわ子「そんなもんかいな、あたりを引くにはたくさん観ないといけない、つーことか?」

おおつ「はい、満足できる公演にあたるには、何度もオペラに通うしかありません」

びわ子「じゃあ、あたりを引くために、またオペラを観にいきましょーねー」

おおつ「観に行きましょーねー」