漏洩したTTP文書の衝撃 | きなこのブログ

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環太平洋や、環大西洋“連携協定”に署名するほどまでに、議員が非常に腐敗しているか、非常に愚かな世界の国々に対し、グリーンピースは大いに貢献してくれた。

グリーンピースが、アメリカ政府と世界的大企業が、ヨーロッパに強要している漏洩秘密TTIP文書を入手し、公開したのだ。

公式文書が、ニュースに現れて初めて、これら“連携協定”に関する私の記述が完全に正しかったことが証明された。

これらのいわゆる“自由貿易協定”貿易協定ではない

世界的大企業が草稿を書いた“連携協定”目的は、
大企業が事業を行う主権国家の法律から、連中が免れられるようにすることだ。

社会的であれ、環境であれ、食品安全、労働保護であれ、大企業の利益に悪影響を与えるあらゆる国家の主権法律、あらゆる法律や規制は、“貿易に対する制約”というレッテルを貼られるのだ。

“連携協定”は、大企業が、法律や規制を覆す訴訟を起こすことを可能にし、大企業に、環境や、食品や労働者の安全を守ろうとした国の納税者が支払う補償まで与えるのだ。

訴訟は、その国の裁判所や、ほかのどの裁判所で行われるわけではない。

訴訟が行われるのは、大企業が、裁判官、陪審員と、検事をつとめる大企業法廷だ。

言い換えれば、“連携協定”は、世界的大企業に、民主的な成果を覆す権限を与えるのだ。

ヨーロッパは、民主主義だということになっている。

民主主義は、環境保護や、食品や労働の安全のための法律を成立させるが、民主的に立法されるこうした法律は、利益を低下させる。

飢餓賃金の搾取工場以外の、いかなる環境保護でも、いかなる食品や労働者の安全法規でも、“連携協定”という名目の下で、世界的大企業によって、意のままに覆すことができるのだ。

しこたま袖の下を貰った売国奴しか、こんな条約には署名できまい。

大企業課税も、明らかに利益を低下させるのだから、覆されかねないと私は思う。

環大西洋と、環太平洋“連携協定”は秘密裏に行われてきた。

理由は明らかだ。

もし人々が、自分たちがどのように売り飛ばされるのかを知ってしまえば、大抗議行動が激発することになるからだ。

私には、公表すべき公式文書がないのだから、経済マスコミにいる大企業のサクラ連中や、宣伝屋連中が私の暴露を否定することができていた。

“連携”協定は条約だ。

アメリカ憲法の下では、条約は、国民ではなく、利益を追い求める大企業を代表する通商代表を任命する行政府の特権ではなく、議会の特権だ。

アメリカ憲法を避けるため、協定は、条約ではないと規定されている。

違法行為のための下準備がどのように行われるか、お分かりいただけよう。

それが機能するのは、こういう形でだ。

任命されたアメリカ通商代表が“他の国々の任命された通商代表と交渉”する。

協定に対するあらゆる抵抗は、賄賂とおどしで克服する。

全ての交渉は秘密裏に行われている。

通商代表が協定に署名すれば、それは各国の議会に提出される。

議員たちは、条約を承認しなければならず、それほど長い間の労苦を危うくしてはならず、賄賂を受け取り、強要された通商代表連中の全員が証言している通り、全員のためになるのだと言われることになる。

アメリカ世界的大企業と、アメリカ巨大銀行が、世界経済における最大の主役であり、大企業が工程をやり通した協定が、協定に署名した国々に対する、アメリカ企業の経済覇権をもたらすので、これらの“貿易条約”は、アメリカが根源だ。

環大西洋と、環太平洋 “連携協定”なるものは、アメリカ金融帝国主義の道具だ。

今日(2016年5月3日)、プレスTVで、イギリス新聞インデペンデントの経済問題編集者ショーン・オグレディと私が討論した。

オグレディが、自分が勤める新聞の意見とは真逆の考えかただったのは驚くべきことだ。

多分、自社の新聞を読むべきだと、彼に言いたい。

今日のインデペンデント紙記事は、漏洩した“文書は、将来のあらゆる新たな公衆衛生や、安全規制が導入されることに対し、アメリカ大企業に未曾有の権限が与えられることを示していると報じた。

もし、どこかのヨーロッパ政府が、社会基準や環境基準を高める法律を、あえて制定すれば、TTIPは、国内企業や政府や他の誰も使えない、連中自身の大企業裁判所制度に、利益損失のかどで訴えることができる権利をアメリカ投資家に与えるのだ。

我々は人騒がせな情報を広めているやら、EUは決して、このようなことが起きるのを認めないやらと言っていた連中よ、我々が正しく、あなたがたが間違っていたのだ。”

私の理解では、記事が書いているより状況は酷い。

TTIPは、GMO種子と食品を規制するフランスの法律のような、既に制定されている法律にも適用されるのだ。

インデペンデント紙記事は、更に続けている。

“今日の環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)文書漏洩の衝撃は、憎悪されていたEU-米貿易協定の終わりの始まりであり、Brexit(イギリスのEU離脱)議論の重要な瞬間だ。

選挙で選ばれたわけではない交渉担当者が、気違いじみたレベルの秘密性により、条約の内容を漏らした人物は刑事訴追されるという脅しを使って、現在まで交渉し続けてきたのだ。

これは、欧州委員会が、暗がりの中で、一体なにをやらかしてきたのかを、ヨーロッパの人々が自分の目で確認できる初めての機会だが、連中の仕業は美しいものではない。

グリーンピースが今朝公開した漏洩したTTIP文書は、248ページにおよび、最終合意が、具体化しはじめた17の章のうち13章を含んでいる。

文章は、TTIPによって危機に瀕していることが既に知られているEU食品安全基準のように、大いに議論の的になっている話題や、ヨーロッパの遺伝子組み換え食品禁止を終わらせるアメリカの計画などといった個々の脅威の詳細を含んでいる。

“漏洩した文章は、アメリカより遥かに高い基準に合格しなければならないヨーロッパの生産者に対してもたらされる悲惨な結果を知りながら、欧州委員会が、ヨーロッパ経済をアメリカ巨大企業との不当な競争に、開放する準備をしている様子も暴露している。

公式統計によれば、TTIPの直接の結果として、少なくとも百万の雇用が失われる - もし協定が丸ごと成立すれば、その倍も失われる。

ところが今や、人々に対する影響を全く配慮せず、我々の経済のあらゆる部門を、TTIPで、EU交渉担当者が売り払おうとしている様子を、我々は見てとれる。

“欧州委員会は、2013年の交渉開始時に、もし人々が協定の中身を知れば、激しい抗議で、TTIPが存続できまいことを百も承知で、TTIP交渉文書に対する大衆のアクセスの30年間禁止を押しつけた。

反撃として、活動家たちは、協定に対する‘ドラキュラ戦略’を呼びかけた。

吸血鬼を日光にさらせば、吸血鬼は死ぬ。

現在ドアが急に開き、最初の太陽光が、TTIPを照らしたのだ。

EU交渉担当者連中は、日陰の中に、再び、はいずり戻ることはできまい。

EU国民投票論議のさなかにいる我々にとって、ヨーロッパ国民に対して、TTIP交渉担当者が示す軽蔑こそが、EU機構の中核における民主的欠陥を大いに思い起こさせる。”

インデペンデント記事はここで読める。

暴露は、イギリスやヨーロッパ国民を困惑させるものだ。

例えばインデペンデント紙は、TTIPは、国民健康保険の民営化をもたらしかねず、イギリス議会は、それを止めることができないと報じている。

こちらも参照。

ショーン・オグレディは、議論で、TTIPの背後にある大企業権益の宣伝屋、サクラを演じた。

彼は、TTIPは、NAFTAや他のそのような条約がそうであったのと全く同様、全員に恩恵を与える自由貿易協定だと言ったのだ。

首にされた全てのアメリカ人労働者にそう言ってみるが良い。

秘密性が、協定成立の見通しを損なった可能性があるのは残念なことだと彼は言い、もし条約の条項が、交渉時に、皆に知られていた方が良かっただろうと言った。

そうすれば、漏洩文書の衝撃の影響で、協定が脅かされることはなかっただろうと彼は言う。

オグレディは、代表が条約に合意した事実にもかかわらず、これまで誰も条約に同意していないとも主張している。

多分、彼が言いたいのは、立法府はまだ承認していないということだろう。

インデペンデント記事の見出しは、漏洩が承認の妨げになると見なしている。

“それが一体どういうものかを示す漏洩の後、これで本当にTTIPの終焉となりかねない”

もしそうであれば、オグレディ大変な損失だと見なしている。

もちろん、大企業が搾取しようとしている人々にとってではなく、世界的大企業にとって。

グリーンピース暴露は条約を葬るはずだが、私には確信はない。

フランスのオランド大統領は、暫定的に、フランスは現状の条約には署名しないと述べた。

言い換えれば、あたかも解決したように見える、何か曖昧な表現にして欲しい、ということだ。

EUの首席交渉官イグナシオ・ガルシア・ベルセロは、大量の賄賂の貰い手である可能性が高いが、グリーンピースは“全く間違っている”と発言し、TTIP擁護を急いだ。

ベルセロの発言は意味をなさない。

グリーンピースは、公式文書を公開したのだ。

漏洩文書が本物であることは誰も否定していない。

だから、どうやら、ベルセロの立場は、公式文書が間違っているということのようだ。

彼は一生懸命に働いて、金を稼いでいるようだ。

ベルセロは、BBCによれば、“アメリカがEUにおける保護のレベルを下げようと強要しているというのは正しくない”とまで言った。

これはとんでもないウソだ。

漏洩に平静を装おうとしている連中自身が、これこそまさに、アメリカがやろうとしていることだと認めている。

ヨーロッパ人は、まだ折れたわけではないと連中は主張している。

ベルセロやオグレディや他の誰であれ、TTIPが、そもそもの始めから、民主的な国々の政府に対する、グローバル大企業の覇権を確立することを狙ったものであったものではなかったようなふりをしているのは不誠実だ。

大企業が最初に、行動をおこした際、私はこれを指摘した。

環大西洋と、環太平洋“連携協定”の狙いが、グローバル資本主義に、主権国家の法律からの免責を与えることに疑念の余地は皆無だ。

BBCによれば、EU通商担当委員のセシリア・マルムストローム“TTIP交渉の舵取りをしている”。

大変な額の賄賂を貰った一人の可能性が高いマルムストロームは
“私は基準を引き下げる仕事をしているわけでは全くない”
と述べている。

彼女の発言は紛らわしい。

彼女は、標準を低下させる仕事をしているわけではない。

彼女は、グローバル資本主義が、高かれ、低かれ、ありとあらゆる基準を廃止するのを可能にする仕事をしているのだ。

品位など、とうてい尊重できない人物ショーン・オグレディとの今日の出会いから、大企業に買収され、手当てをもらっている欧米経済マスコミや政府は結束を固め、漏洩文書を、ある種のグリーンピース“陰謀論”で評判を落とそうとするだろうと思う。

元アメリカ財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナル編集者である私を前に、協定は秘密性によってのみ、損なわれた、良いものなのだと、私に対して、わざと不正確に言うことに、オグレディは、全く良心の呵責を感じていない。

もしも秘密でなかったなら、問題はなかったと、オグレディは言うのだ。

自由貿易や関税引き下げに関するあらゆるたわごとは、政府が金をもらって売り渡した国民全員に対して、アメリカ経済帝国主義を確立するというTTIPの唯一の狙いを隠す単なる口実だ。

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【IWJブログ】「TPPに署名しないか批准しないことが、民主的に選ばれた議会の責務」!!国連人権理事会の専門家アルフレッド・デ・サヤス氏が国際法および国際規約違反を示唆して警告!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/294437

漏洩された「パナマ文書」、大本営広報部は、しばらくの間、再三報じた。

オランダで漏洩された「TTIP文書」、大本営広報部、どれほど詳しく報じただろう?

国民の生活に、より大きな、深刻な影響がある情報を隠蔽するのは、呆導だろう。

北朝鮮の党大会を前にした、北朝鮮のプロパガンダを、しつこく報じる属国大本営。

自分たちも、お偉い方が右といえば右の報道しかしていないのに。

恥ずかしくないのだろうか。

我々が今知るべきことは、TPPのひどさであって、北朝鮮の政権のプロパガンダや、ミサイル実験ではないだろう。

『幻滅』外国人社会学者が見た戦後日本70年 ロナルド・ドーア著。大いに共感。
http://honto.jp/netstore/pd-book_26421487.html

「第六部 新自由主義の浸透からアベノミクスまで」は、お説の通り。

付録1では、目標を「日本社会を住みやすい社会にする」よう助言しておられる。

買弁新自由主義支配層が目指す「企業が世界一活動しやすい社会」の対極。

10ページから、12ページの記述にも、同感。
ご紹介させて頂こう。

今でも、大変親しい日本人の友達がかなりいる。

日本に行く機会があれば、年金生活者の手がなんとか届くようなエコノミー航空旅行が苦手でも、喜んで出かける。

その友人達との再会ばかりではなく、毎日の生活で、地下鉄、デパートの従業員、道角で花を売っているお婆ちゃん、居酒屋やすし屋のマスター、タクシーの運ちゃんなどとの日常の人間的な接触など、日本は依然として住み心地がいい国である。

財界・官界の人でも、私から言えば、全く間違った、愚かな日本政府の政策─特に日米関係や日中関係の政策─を是とする人たちの中にも、人間的に馬が合う人もかなりいる(知己が少ないから、政治家について、同じことは言えないが)。

しかし、総理大臣、内閣大臣一般の言動、哲学、人物に対して、私が好感を持ち、その政策目標を私もだいたい同情的に是としたのは、三木内閣が最後だろう。

せいぜい、一九八二年に中曽根に譲った鈴木善幸まで。

私の対日観を変えたのは、その後の憂うべき右傾化である。

その原因は、中曽根や小泉など、我の強い政治家個人の世界観の影響もあっただろうが、十二年前に書いた『日本型資本主義と市場主義の衝突』(東洋経済新報社)で述べたように、

米国のビジネス・スクールや経済学大学院で教育された日本の「洗脳世代」が、官庁や企業や政党で少しずつ昇級して、影響を増して、新自由主義的アメリカのモデルに沿うべく、「構造改革」というインチキなスローガンの下で、日本を作りかえようとしてきたことが大きな原因だったと思う。

それと、日本の自衛隊の成長、シビリアン・コントロールの希薄化、ペンタゴンとの親密さの深化という、軍国主義化の傾向と。

それも、鈴木善幸時代(彼に言わせれば、本人の意に反して)、ワシントンの首脳会談で、はじめて日米関係を正式に「同盟」と呼んだ時点が転換点となった。

政治経済についての常識の変化、共生・妥協・和を是とする社会から利益追求の競争社会への移行、そして平和主義から自国存在感の主張(勃興中国の抑制を目標とする防衛費増加への推移)が、私の幻滅の三つの大要因だが、さらに、第四の次元として、社会関係というか、人間関係というか、想像の世界というか、がある。

私には知識が少なく、皮相的な印象しか持っていない文学の世界である。

一九五〇年代は「自由学校」の獅子文六、「風にそよぐ草」の石川達三、『朝日新聞』の漫画の「サザエさん」の世界だった。

一応良識ある憂国の士だがノイローゼで無能な男子、そしてシッカリした良妻賢母の女子の時代だった。

単純な人間観だったかもしれないが、それに比べれば、二十世紀末からの村上龍、村上春樹の、ヒロインとしてノイローゼでSM好きの悪女が多いような文学より、よっぽど健全だったように思う。

まあ、あまり小説を読むひまがないので、以上のような皮相的な評価は間違っているかもしれない。

しかし、新自由主義の浸透、軍国主義的・好戦的な対外姿勢の通常化を憂える私の気持ちは決して、皮相的な誤謬に帰因するものではない─と信じる。


大本営広報部、重要な、知らなくてはならない売国TPPの恐ろしさは一言も報じない。
大本営広報部以外の情報をお読みいただくしかない。