[1551] ウクライナ情勢で皆が知っておくべき真実。そして私の新しい金融本のお知らせ。
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「 鉄は熱いうちに打て 」と言う格言(マキシム)が有って、いろいろの含意があるのだろうし、歴史的、民族的にいろいろ解釈をするだろう。
私にとっては、この格言は、「自分の金融・経済の本を書く際には、短期間で書く」ということでした。
私は、3月6日から丁度、10日間(15日まで)で一冊書き上げました。
寝ている時間はほんの僅(わす)かだった。出来た本の名前は、「金融市場 を 操(あやつ)られる 絶望国家・日本」(徳間書店 刊)である。
この本は、見本本(みほんぼん)が4月3日に出て、それが著者である私に届いて、本屋に並ぶ発売は4月8日だそうだ。
即断、即決で、私は生きているから、私のこの最新版の金融・経済本には、株、債券、金(きん)、為替(円・ドル相場)からその他すべての金融問題を扱っている。
ビットコインのことから、ウクライナ情勢まで、最新の情報と知識を、凝縮した。
自民党内の政治家たちの動きもあれこれ、微細に書いた。
私、副島隆彦が、たった10日間で書いた本だからといって、きっと粗製乱造(そせいらんぞう)だなどとは決して言わせない。
私の総合的戦略家(トータル・ストラテジスト)としての頭脳では、金融・経済場面への時間投入は、それぐらいで一冊を仕上げることが出来る。
だから、この本には、各種の金融統計資料をいつもの通り載せているが、最新の金融数字は、すべて3月13日(水)のものだ。
本当なら、3月末には、書店に並べたかったのだが、出版・書籍流通業界の業界再編の煽(あお)りでうまく行かなかった。それでもまあ、いいや。
この
「(すべての日本の、アメリカもそうだが)金融市場は(今や)政府、国家によって、操られている、市場操作されているのだから、そのことに鋭く気付いて、そのことを肝に銘じて、逆に、逆に自分の相場を張って、政府の動きの裏を書いて、この統制経済(コントロールド・エコノミー)の時代を生き延びよ」
という本だ。
本の帯(おび。腰(こし)巻きとも言う)に、「いい加減に皆、気づけ!」と書いた。
株式投資をやっている人たちは、皆、薄々(うすうす)と気付いているのだ。
それなのに深くは自覚していない。
今の若者用語で言うなら、「そろそろ気づけよー」である。
そのことを私、副島隆彦は言っている。
気付いているのに自覚がない。
政府が、株価を操作して、いいように市場を動かしている。
それと、「日経300」とかの、日経平均の指標(インデックス)取引と、
さらにそれに輪をかけて、大証(だいしょう。大阪証券取引所)を資本で乗っ取った、シカゴマーカンタイル取引所(CME,シーエムイー)の夜間取引の指標取引で、
いいようにその日の株価を引き釣(づ)り回している。
皆、分かっているのに、分かっていない。
そのことを、今度の本一冊丸々で書いた。乞うご期待、だ。
4月になったら、消費税の8%への増税で、日本の景気は、相当に悪くなる。
安部首相とブレインの官僚たちは、日本国民に新たに襲い掛かる窮状に、それが国民が果たして耐えられか、自分たちの失政の重大な責任として感じずにはおれないだろう。
責任者たちが責任を取るべきだ。
私は、この金融・経済本 に取り掛かる日(3月6日)の朝まで、ウクライナ情勢を調べていた。
それを、ここの重たい掲示板に載せてから、出版社の独房会議室に入りに行こうと思っていた。が、間に合わなかった。
あれから2週間が経(た)つが、私が情報を集めて、分析したとおりで、何の変化もない。
ウクライナでは、先に手を出して、政府を暴力で転覆させた 反政府勢力=今のウクライナの暫定政権 の負けだ。
あのやり方では、西側とりわけヨーロッパ人たちの支持を取り付ける事はできない。
暫定政権には、おかしな、奇っ怪な極右人間たちが入り込んでいる。
だから、全体は、ロシアのプーチンの 「寝技、押さえ込みの一本勝ち」だ。
プーチンは、柔道やテコンドーのような柔術(空手)の猛者だ。
だからこれらの技を知っている。
一旦、引いて、それからジワジワと時間を掛けて、暫定政権の内紛、分裂を待って、それから押さえ込むだろう。
私がネットでウクライナ情勢を調べていたら、以下の、櫻井春彦(さくらいはるひこ)という人物の文章が一番、しっかりしていて大変、勉強になった。
この人は、1955年生まれ(58歳)で、 早稲田大学理工学部卒業で、何を職業にしているか分からないが、以下の2冊の本を書いている。
世界各国の情報機関(国家スパイ組織)のことにものすごく詳しい人だ。
書いていることは緻密で正確である。
私、副島隆彦もビックリするほどの、ものすごい反米左翼 である。
桜井 春彦の著書
桜井 春彦の著書
1.「 テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない ― アメリカによるテロの歴史」 桜井 春彦著 (2005年9月刊 、・・・社)
2.「 アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る 」( 櫻井春彦著、洋泉社、 2007年3月刊)
の2冊だ。
私は、この人の「櫻井ジャーナル」のブログを読んで、こういう人が日本にも居るんだなあ、と感動した。
(転載貼り付け始め)
櫻井ジャーナル
2014.02.16
2014.02.16
「 米国のヌランド米国務次官補は、ウクライナで50億ドルを扇動に使った と公言、その手先はネオ・ナチ 」
アメリカの親イスラエル派、一般に「ネオコン」と呼ばれている勢力はウクライナでも体制を乗っ取ろうとしているわけだが、その手先として最前線で活動中のビクトリア・ヌランド国務次官補は、昨年12月13日、工作資金として50億ドルを投入していることを明らかにしている。
アメリカの親イスラエル派、一般に「ネオコン」と呼ばれている勢力はウクライナでも体制を乗っ取ろうとしているわけだが、その手先として最前線で活動中のビクトリア・ヌランド国務次官補は、昨年12月13日、工作資金として50億ドルを投入していることを明らかにしている。
ウクライナの体制を転覆させるために50億ドル、ざっと5000億円を使っていると公言しているのだ。
ジョン・マケイン上院議員と同じように、ヌランドはウクライナで公然と反ロシア勢力を支援してきた。
こうした工作の担当として国務次官補に任命されたとも言える。
何しろ彼女が結婚した相手はネオコンの大物、ロバート・ケーガンだ。
このヌランドがジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使と電話で話し合っている内容が今月、YouTubeで明らかにされた。
その中でヌランドの口から 「EUなんかくそくらえ(Fuck the EU)」 という下品な言葉が飛び出し、話題になったが、問題は別のところにある。
ウクライナの閣僚をどうするか検討していたのだ。
また、「オランダのロバート・セリー元駐ウクライナ大使が、国連特使としてキエフへ派遣されるとジェフリー・フェルトマン国連事務次長から聞いた」ともヌランドは話している。
その決定をヌランドは歓迎、そして 「EUなんかくそくらえ」という表現が出てくるわけだ。
EUより国連の方がネオコンの意向に沿った動きをしているということなのだろう。
確かに、シリアなどでもそうだった。
また、欧州対外行動庁(EEAS)のヘルガ・シュミット事務次長と駐ウクライナEU大使のヤン・トムビンスキーとの会話もアップロードされ、その中でシュミット事務次長は「アメリカからEUの対応が生ぬるいと言われている」ことを明らかにしている。
EU を「生ぬるい」と批判しているネオコンが何をしているかというと、ファシストを使った暴力行為だ。
ネオ・ナチの「スボボダ(全ウクライナ連合『自由』)」は反政府行動で棍棒、ナイフ、火焔瓶を手にし、ブルドーザーを持ち出してウクライナ政府を挑発、警官隊と衝突してきた。
抗議行動を撮影した映像や写真の中に3本指の旗を見つけたなら、それはスボボダのものだ。
ちなみにスボボダの旧党名は「ウクライナ社会ナショナル党」であり、かつてのドイツのナチは「ナショナル社会主義党」だ。
ウクライナのナショナリストは、OUN(オウ・ユー・エヌ)という団体の流れをくんでいる。
この団体は1929年に創設され、イギリスの対外情報機関MI6(エム・アイ・シックス)と結びついた後、1938年頃に、今度はナチと手を組み、1941年にドイツ軍がウクライナを占領すると「新秩序」の障害になると考えられていた人々、つまりユダヤ人、ロシア人、知識人、コミュニストなどの虐殺していった。
このときにOUNは勝手にウクライナの独立を宣言、ドイツとの関係が悪化するが、1944年にソ連軍と戦うため、ドイツ軍へ合流している。
戦後、OUN の幹部は再びMI6と結びつく。
OUNのリーダーだったステファン・バンデラが、1948年にMI6に雇われている。
が、その2年前、1946年にバンデラの側近だったヤロスラフ・ステツコが MI6 のエージェントになり、ABN(反ボルシェビキ国家連合)の議長に就任している。
この団体は1966年にAPACL(アジア人民反共連盟/後のアジア太平洋反共連盟)と合体し、WACL(世界反共連盟)になった。
反政府行動ではスボボダのほか、アフガニスタン、チェチェン、グルジアといったカフカス地方での戦闘を経験したグループも参加しているようだ。
そうした中にはシリアで反政府軍に加わっていた人々もいるようだ。
今年1月、シリアからウクライナへ約350名が入ったという情報があり、ソチ・オリンピック期間中に何らかの動きがあるのではないかと考えている人もいる。
2014.3.3 櫻井ジャーナル
「2月中旬には米政府も露政府と協力し、話し合いで解決する意向だった が、ネオコンが暴力で妨害」
反政府派と停戦で合意したとビクトル・ヤヌコビッチ大統領が発表したのは2月19日のことだ。
流血を終わらせ、国に安定をもたらすための話し合いを始めるという内容だったようだ。
だが、その直後にネオ・ナチ、つまり「スボボダ」や「UNA-UNSO」などのメンバーが破壊活動を活発化、石や火炎瓶を投げるだけでなく、ピストルやライフルを撃ち始めて死傷者が急増、合意を実行に移すことは困難な状況になった。
2月21日の合意が成立した段階では、アメリカのバラク・オバマ大統領は、ロシアのウラジミール・プーチン大統領と同じように外交的な解決を目指すつもりだったようだ。
だが、こうした方針を「ソフト」だと考えていたのがビクトリア・ヌランド国務次官補だ。
ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使と次期政権の閣僚人事を話し合っている際、ヌランドは、EUが事態を外交的に解決しようとしていることに怒り、「EUなんかくそくらえ( Fuck the EU )」という言葉を口にしたわけである。
暴力行為のエスカレートは、外交的な解決を破綻させる有効な手段だった。
「西側」のメディアは「平和的な市民」を「凶暴な警察隊」が弾圧したというストーリーで報道していた。
だが、実際は、棍棒やナイフで武装した反ヤヌコビッチ派が石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルを撃ち始めて血と火の海になったのである。
ウクライナの警官隊は、アメリカや日本に比べておとなしかった。
話し合いでウクライナの問題を解決させたくないため、ネオコンはネオ・ナチに暴力のエスカレートを求めたのだろう。
そのためにネオ・ナチの立場は強くなり、暫定ファシスト政権で多くの主要ポスト、特に治安関係を手に入れることにつながったと見ることができる。
ネオコンは状況を格段に悪化させた。
ウクライナのネオ・ナチは単に暴力的だということに止まらない。
2004年からウクライナのファシストはバルト諸国にいくつもあるNATOをスポンサーとする施設で軍事訓練を受けている。
だが、それだけでなく、チェチェンでロシア軍と戦い、その残虐さで名前を知られるようになったアレキサンダー・ムージチコ(別名サーシャ・ビリー)のような人物、あるいはシリアからウクライナ入りした約350名の戦闘員もいる。
リビアやシリアでも戦闘が本格化する際、正体不明の狙撃手が反政府派と治安部隊、両方に向かって銃撃している。
ウクライナでも同じことがあったと言われている。
リビアやシリアでは狙撃が事態悪化の引き金になっているわけで、ウクライナ政府が反政府派と話し合いを進めている段階で狙撃するメリットはない。
ウクライナのネオ・ナチは軍事訓練を受けていたり、実戦の経験のあるメンバーがいるほか、シリアから入った戦闘員もいるのだが、UNA-UNSO のメンバーがやったと言う人もいる。
UNA-UNSO は、ウクライナ政府の反腐敗委員会委員長や青少年スポーツ相にメンバーが就任しているネオ・ナチ団体だ。
私(櫻井春彦)はこれまでに何度も書いていることだが、ウクライナのナショナリストは歴史的にアメリカやイギリスの情報機関、そしてナチとの関係が深い。
戦後、アメリカはCIAの外部にOPC(オウ・ピー・シー)という破壊活動(テロ)機関を設置、後にCIAへ潜り込んで計画局(後に作戦局へ名称変更)の母体になったのだが、この機関はファシストのほか、マフィアやイスラム教スンニ派の武装集団(アル・カイダ)を手下として使っている。
OPCの元になったのは、第2次世界大戦でイギリスの秘密機関で心理戦、暗殺、破壊活動を担当していたSOE(エス・オウ・イー)と、アメリカの戦時情報機関OSS(オウ・エス・エス これが後にCIAになった。引用者注)が、共同で設立したゲリラ戦部隊のジェドバラだ。
シェドバラは戦後も活動を秘密裏に継続した。1949年にNATO(北大西洋条約機構。ヨーロッパ軍)が創設されるとその内部に秘密部隊が設置されるが、そのベースもジェドバラだ。
ジャーナリストのフィリップ・ウィランらによると、NATOへ加盟するには、その国は秘密の反共議定書(はんきょうぎていしょ)に署名する必要があり、「右翼過激派を守る」ことを義務づけていると言われている。
こうした秘密機関の存在が公的に認められたのは1990年10月のことだ。
イタリアのジュリオ・アンドレオッチ首相が「いわゆるパラレルSID - グラディオ作戦」という報告書を発表したのだ。
より正確に言うならば、発表せざるを得ないところまで追い詰められたのである。
(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を参照。)
この報告書のタイトルにもなっているが、イタリアでは秘密部隊を「グラディオ」と呼ぶ。
「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返し、左翼攻撃の環境を作り上げた「緊張戦略」の一環だった。
他の国では名称が違い、例えばデンマークはアブサロン、ノルウェーは ROC、ベルギーは SDRA8。
ジョン・F・ケネディ米大統領暗殺 や シャルル・ド・ゴール仏大統領暗殺未遂 でもこの組織の名前が出てきた。
ウクライナのネオ・ナチが、バルト諸国にあるこれらの施設で軍事訓練を受けている背景はここにある。
(転載貼り付け終わり)