木村亮太です。

 

今年度の包括外部監査は病院事業について。

 

包括外部監査

病院の現状

指摘内容

改善。

 

■包括外部監査とは・・・

名前からも想像ができるかもしれませんが、監査です。

外部というのは、いわゆるあ○さなどの監査法人が監査をしています。

 

包括というのは、広い範囲で、くらいの意味でとらえておいていただいていいと思います。

今回は、病院事業全体について、外部の監査法人による監査です。

これまでも、いろいろな分野

(補助金、下水道、外郭団体、土地開発公社)が対象となってきました。

なかなか面白いですよ。

包括外部監査 - 枚方市ホームページ

 

中核市以上は包括外部監査の実施が義務付けられていますが、

特例市・一般市は義務ではありません。

枚方市は特例市だった平成18年度から実施しています。

委託費用として1000万円程度かかったと思いますが、

その分の効果は出ていると思います。

 

 

 

■病院経営についてはこれまでも質問などをしてきました。

市立ひらかた病院の今後の経営について(平成27年3月予算)

赤字が続く病院事業会計について(平成26年9月決算)

病院事業会計について(平成26年3月予算)

病院事業会計の予実管理について(平成24年3月予算)

 

最近はしていませんが、

同じ会派の妹尾議員も質問しています。

 

 

■病院事業の問題点

当初の計画に比べて、

病院収益が悪いです。

 

これにより、

赤字分は一般会計から補てんされています。

その額は年度によって違いますが、

平成27年度決算、平成28年度予算のいずれでも約17億円。(P29)

 

一般会計からの補てんについては、

基準内繰り入れと基準外繰り入れというものがあり、

基本的には公営企業なので独立採算制なのですが、

・その性質上企業の経営に伴い収入をもって充てることが適当でない経費

・その公営企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴い収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費(P27)

については繰り入れがOKとされていいます。これを基準内繰り入れと言います。

(法定内繰り入れと法定外繰り入れとも言います)

 

 

 

17億円も基準内と基準外あわせての合計だと思いますし、

その内訳がすぐには出てきませんが、

経営健全化すれば基準外はなくなります。

 

 

また、

枚方市の行政改革のプランで目標効果額を50億円と掲げているのですが、

そのうち31億が病院の経営健全化によるものです。

 

逆に言うと、病院の経営健全化が達成されなければ、

行政改革のプランは達成される見込みが少ないです。

 

本当に大丈夫?と聞いた質問(平成28年9月)

行政改革の取り組み:計画倒れにならないように。

 

 

原因は病床の稼働率です。 

目標は80%なのですが、いまだ達成できず。27年度は72.4%です。

 

 

 

ちなみに、歴史的経過としては、

「市民病院が老朽化、不祥事があったこともあり経営成績も悪い」

建物の寿命とともに、建て替えをせず、

「市民病院を廃止してもいいのでは。」

という意見もあった中、

「経営改善するから建て替えをしたい。」

という話の中で、

経営を立て直し、新しい病院を立て替えることとなりました。

 

当時の計画では、

新しい病院になるとその分費用も増えるが売り上げも増えるから大丈夫。

(稼働率も上がる)

とのことでしたが、実際にはそうならず。

 

たしかに、収益は増えているのですが、

費用が増加した分をカバーはできていません。

 

 

この計画は、今となっては、結果論かもしれませんが、

新しい病院に建て替えるためだけの経営計画、

庁内決裁を通すためだけの計画、

実現することはない絵に描いた餅のような計画だったのかもしれません。

 

もちろん、外部環境(他にも病院がたくさんある)が

厳しいという側面もあります。

 

■稼働率をあげるために。

稼働率は入院患者(分子)/病床数(分母)で計算しています。

 

「稼働率を上げるべきだ」という主張をしてきましたが、

私の中ではそれは入院患者数を増やすことです。

 

しかしながら、なかなか実現しないので、

この包括外部監査では、

病床数を減らしては(分母を小さくしては)という提言でした。(P111)

 

確かに、稼働率は上がるのですが・・・・

 

選択肢のうちの一つになるのでしょうか。

 

外部環境が違うのでしょうが、

公立病院でも病床稼働率が

80%後半、90%を超えているところもあります。(P24)

 

■枚方市における公立病院のあるべき姿は

 

経営健全化を目指していくべきなのですが、

公立病院は単純に赤字黒字だけでは決められない部分はあります。

 

 

例えば、

その地域に民間の病院はなく、

公立病院が1つあるだけ。

という状態であれば、

地域の医療を守る・地域住民の命を守る、という点から

赤字であっても存続させる必要があると考えます。

 

 

しかし、

枚方市の場合、市立ひらかた病院以外にもたくさんの民間病院があります。

   

枚方のように、公立病院以外にも病院がたくさんあるような地域で、

公立病院の存在意義ってのをしっかりと見出していかなければならないですね。

 

このままでは負の遺産になりかねません。

 

■指摘事項が直っていない

あと、よろしくないのは、病院事業については、

平成19年にも包括外部監査の対象となっております。

その時に、「ここは改善してくださいね」という指摘を受けています。

しかし、あまり改善がなされていません。(P34-35)

40項目のうち×が13項目、△が5項目あります。

△・・・対応が不十分なもの

×・・・対応が未実施なもの

 

ミスや不適切なことはあってはならないとはいえ、

1回目はもちろん事の大小にもよりますが、

やむを得ない部分はあると私は思っております。

しかし、改善がなされてないものに関しては・・・

 

指摘は受けたけど、こういう理由で改善できないんだ、

といったものもあるかもしれませんのでまた詳細伺う予定です。

  

最後のまとめのところでは結構きつい意見が書いていますね。

「将来的な話になると、このままではいけないと認識しつつも、現実的な改善策までは話が至らなかった点に対しては、職員の危機意識、当事者意識も十分ではないのではないかと疑念を抱いてしまう」(P121)

 

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