613冊目 ミー・ビフォア・ユー -きみと選んだ明日ー/ジョジョ・モイーズ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ミー・ビフォア・ユー -きみと選んだ明日-」ジョジョ・モイーズ著・・・★★★★☆

6ヶ月限定の介護職についたルーが出会ったのは、事故で四肢麻痺になった、かつての実業家ウィル。はじめは冷たい態度をとるウィルだったが、ルーの実直な態度に徐々に心を開き、またルーもウィルのおかげで自身をもてるようになる。だがある日、彼女は知ってしまう。ウィルがスイスの尊厳死施設に予約を入れていたことを…。いのちと生き方について考える、世界で大反響を呼んだベストセラー・ラブストーリー。

 

図書館でこの本を予約し、図書館員さんに「こちらですね」と言われ表紙を見たとき、正直オジさんは少し恥ずかしかった。

「このおっさん、こんな本借りて。。。プププッ( ´艸`)」と心の声が聞こえたような気がする。( ̄_ ̄ i)

本書は、イギリス文学についてネットで調べていた時に、ある方のブログで見つけた本である。

下の画像の通り、表紙は全体にパステルピンクで、出窓に女性が座っている乙女チックな絵である。。。(・・;)

 

著者は1969年生まれのイギリス人作家で、本作は2012年発表、2016年「世界一キライなあなたに」として映画化されている。

 

あらすじは上記の通り、事故で四肢麻痺になった元凄腕実業家の男ウィルと、6ヶ月の契約で介護ヘルパーになった女性ルーの6ヶ月間に起きた物語である。

 

本作は、ラブストーリーと聞いて普通の人がイメージするストーリーとはまるでかけ離れていると思う。

私は余りその手の本は読まないが、少なくとも私のイメージとは違った。

この表紙からは想像もつかないストーリーだった。

 

本作は、人生とはどうあるべきか?生きるとは何なのか?生きがいとは何なのか?人生を楽しむにはどうすればいいのか?

を、主人公のルーに、そして読者に、ウィルは問い掛け提案する。

途中読みながら、これは、簡単にラブストーリーというレッテルを貼る様な作品ではない、人生の本質を問う、もっと深い作品だと思った。

 

ルーのように、人生でちょっとつまづいていたり、日々の暮らしにスパイスを振り掛けたいと感じたり、新しい何かに挑戦しようと思った時、本書は勇気を与え、少し背中を押してくれるかもしれない。

この表紙に惑わされてはいけない。

立派なおじさんが堂々と読んでも大丈夫な作品だ。(人目が気になるならブックカバーという便利な物がある)

オジサンは 不覚にも2度涙してしまった。

 

読み終わり、深く静かな余韻を味わいながら、本書は紛れもなく、究極のラブストーリーだと確信した。

 

 

追記:

作中ウィルの蔵書の中で、ルーがお気に入りの本として、先日絶賛した「イギリス人の患者」が偶然出てきた。

少し嬉しかった。。。ヽ(゚◇゚ )ノ

こうして本の中で、いい本に巡り会えるのも読書の楽しみだ。