「ミー・ビフォア・ユー -きみと選んだ明日-」ジョジョ・モイーズ著・・・★★★★☆
6ヶ月限定の介護職についたルーが出会ったのは、事故で四肢麻痺になった、かつての実業家ウィル。はじめは冷たい態度をとるウィルだったが、ルーの実直な態度に徐々に心を開き、またルーもウィルのおかげで自身をもてるようになる。だがある日、彼女は知ってしまう。ウィルがスイスの尊厳死施設に予約を入れていたことを…。いのちと生き方について考える、世界で大反響を呼んだベストセラー・ラブストーリー。
図書館でこの本を予約し、図書館員さんに「こちらですね」と言われ表紙を見たとき、正直オジさんは少し恥ずかしかった。
「このおっさん、こんな本借りて。。。プププッ( ´艸`)」と心の声が聞こえたような気がする。( ̄_ ̄ i)
本書は、イギリス文学についてネットで調べていた時に、ある方のブログで見つけた本である。
下の画像の通り、表紙は全体にパステルピンクで、出窓に女性が座っている乙女チックな絵である。。。(・・;)
著者は1969年生まれのイギリス人作家で、本作は2012年発表、2016年「世界一キライなあなたに」として映画化されている。
あらすじは上記の通り、事故で四肢麻痺になった元凄腕実業家の男ウィルと、6ヶ月の契約で介護ヘルパーになった女性ルーの6ヶ月間に起きた物語である。
本作は、ラブストーリーと聞いて普通の人がイメージするストーリーとはまるでかけ離れていると思う。
私は余りその手の本は読まないが、少なくとも私のイメージとは違った。
この表紙からは想像もつかないストーリーだった。
本作は、人生とはどうあるべきか?生きるとは何なのか?生きがいとは何なのか?人生を楽しむにはどうすればいいのか?
を、主人公のルーに、そして読者に、ウィルは問い掛け提案する。
途中読みながら、これは、簡単にラブストーリーというレッテルを貼る様な作品ではない、人生の本質を問う、もっと深い作品だと思った。
ルーのように、人生でちょっとつまづいていたり、日々の暮らしにスパイスを振り掛けたいと感じたり、新しい何かに挑戦しようと思った時、本書は勇気を与え、少し背中を押してくれるかもしれない。
この表紙に惑わされてはいけない。
立派なおじさんが堂々と読んでも大丈夫な作品だ。(人目が気になるならブックカバーという便利な物がある)
オジサンは 不覚にも2度涙してしまった。
読み終わり、深く静かな余韻を味わいながら、本書は紛れもなく、究極のラブストーリーだと確信した。
ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日 (集英社文庫)
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追記:
作中ウィルの蔵書の中で、ルーがお気に入りの本として、先日絶賛した「イギリス人の患者」が偶然出てきた。
少し嬉しかった。。。ヽ(゚◇゚ )ノ
こうして本の中で、いい本に巡り会えるのも読書の楽しみだ。