588冊目 僕はマゼランと旅した/スチュアート・ダイベック | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「僕はマゼランと旅した」スチュアート・ダイベック著・・・★★★☆

胸をうつ懐旧の情と祝祭的な笑いに彩られた11の連作短篇。『シカゴ育ち』のタイベック、待望の最新作。

 

最近、老化のせいか朝早く目が覚める。( ̄_ ̄ i)

就寝は12時頃だが、ヘタすると4時位に目が覚める。

それからうつらうつらしながら、明るくなるのを待って5時半に起き、ストレッチして30分瞑想をし7時半まで読書をしている。

昨日は久しぶりに半日、図書館で読書をして過ごした。

すっかり、読書熱が再燃した感じである。σ(^_^;)

 

本書は前出の「スクラップ・アンド・ビルド」と共に本選びに悩んでいたところ、初読み作家だったが私の好きな柴田元幸訳だったので借りてみた。

 

本作は11の短編からなる連作作品で、舞台は1950~60年代のシカゴ。

 

読む前は、題名からして少年の冒険譚(ある意味そうですけど)だと想像していたが、友情・音楽・車・暴力・SEX・ドラック、、、などなど、シカゴで過ごした主人公の少年ペリーとそれを取り巻く人達とのエピソードを描いた青春グラフィティ。

 

ペリーと弟ミックとケチな父親との日常。

サックス吹きの叔父さんや学校での仲間たちとの思い出。

恋人との恋愛話。。。など連作短編なので長編としての起承転結はなく、それを求めてしまうと肩透かしを食らう。

訳が良く、当時のアメリカ(シカゴ)の若者文化、裏社会、家族模様が生き生きと伝わってくるのであるが、物語としての面白さは希薄。

 

訳者の柴田元幸は「息をのむ傑作」と評しているが、残念ながら私的にはそれを感じなかった。