「カフカの父親」トンマーゾ・ランドルフィ著・・・★★★
文豪ゴーゴリの愛妻は、吹き込まれた空気の量によって自在にその姿を変えるゴム人形だった。グロテスクなユーモア譚「ゴーゴリの妻」。オペラ歌手の歌声の重さや固さ、色、はては匂いや味についての怪論文「『通俗歌唱法教本』より」。ある朝突然口から飛びだしてきた言葉たちが意味の配分をめぐって大論争を繰り広げる、ナンセンスな味わいの「騒ぎ立てる言葉たち」など、奇抜なアイデア、日常生活にぽっかり開いた裂けめを完璧なストーリーテリングで調理する、現代イアリア文学の奇才ランドルフィ、初の作品集。
前から題名が気になってて読んでみました。
先日読んだ阿刀田高の「ナポレオン狂」と同じく、本書も奇妙な話の短編集なんですが、外国作品に良くあるオチが無くあやふやな感じで、どう味わっていいものやらちょっと戸惑いました。
個人的には阿刀田高の方が分かりやすくて好みです。