295冊目 ポケットから出てきたミステリー/カレル・チャペック | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ポケットから出てきたミステリー」カレル・チャペック著・・・★★★☆

こんなに味わい深いミステリーがあっただろうか―。珍種のサボテンはいかにして消えたか?赤ん坊誘拐事件の真相とは?金庫破りの達人はなぜ捕まったか?ゆかいな結婚詐欺師のおちいった罠とは?切手コレクターの哀しい人生の顛末は?人間のおかしさ、愚かさ、ぎこちなさを、とびきりのユーモアとウィットにくるんで贈る、ショート・ミステリーの名品24篇。


カレル・チャペックは1890年生まれ(1938年没)のチェコの人気作家で、小説家だけでなく劇作家、ジャーナリストでもありその他、童話、旅行記、文明評論なども執筆した。

代表作にヒットラーを批判した「山椒魚戦争」があり、又SF作品「R.U.R」の中で初めて”ロボット”という言葉を使った。(著者は兄が作った言葉だと主張)


本書は説明文にある通り、24のショートミステリーを収めている。

ミステリーといってもシリアスな物は1つもなく、ユーモアとウィット、風刺を織り込んだ肩の凝らない作品集になっている。

作品自体は古いものだが、出版は割りと最近(’01)なので古い本に良くある、本訳の古臭さや違和感は無い。

星進一のミステリー版の様な作風で読者対象年齢はもう少し上の感じ。

24編もあって一気に読むとちょっと勿体無い感じなので、寝る前や休憩時間などに少しずつ読むのが適していると思う。(と言ったものの、現在販売されていないみたい。他の著書は結構刊行されてます)


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


ヘタな読書も数打ちゃ当る