170冊目 ガダラの豚/中島らも | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ガダラの豚」中島らも著・・・★★★★

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。


アメーバブロガーさんお勧め本第2弾ということで、今回読んだのは同郷のkyatutaさん お勧めの本書です。

この本、面白いと聞いて前々から気になっていた本なんですが、呪術だの本の厚さだの変なタイトルだので何度も手に取りながらも、また今度と思いながら何度も先送りになってました。

しかし、今回kyakutaさんのお陰で踏ん切りが付いて読めました。


アフリカの呪術という事で何かややこしく、ドロドロとした肩の凝りそうな話かと思ったらとんでもない、これぞ超娯楽大作と呼んでいい作品です。

これだけの長尺(単行本で2段組600ページ、文庫本で3巻)でありながら、読んでいてまったく肩の凝らない作風でまったく疲れませんでした。

内容は、昔ブームを巻き起こした超能力人間、オウム真理教を彷彿させるような宗教団体、アフリカの呪術などを題材にした冒険活劇ミステリーとでも言っていいでしょうか。

忍び寄る魔の手(呪術師)に立ち向かう、主人公たち家族とその仲間たちという図式で終盤にかけて除々に盛り上がっていきます。

ただ、登場人物のキャラ、言動がみんなコミカルで軽く全編にわたり重い雰囲気はなく、逆に言えば深みのある作品ではありません。

そういう意味で長編でも気軽に読める作品です。

しかし、この長編を1日で読んでしまうとは。。。kyatutaさん凄いわ。(@_@)

kyatutaさんどうもありがとうございました。

これからもどしどしと面白い本をご紹介下さい。v(^-^)v


ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)/中島 らも
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