103冊目 白鯨/ハーマン・メルヴィル | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「白鯨」ハーマン・メルヴィル著・・・番外

「モービィ・ディック」と呼ばれる巨大な白い鯨をめぐって繰り広げられる、メルヴィル(一八一九‐一八九一)の最高傑作。海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない法外なスケールと独自のスタイルを誇る、象徴性に満ちた「知的ごった煮」。

 

 

捕鯨というと現在は商業捕鯨が禁止となり、調査捕鯨船にも抗議活動が繰り替えされている模様をニュースで見る。

 

私の小学校時代はまだ鯨の肉が給食で出たり、社会の授業で捕鯨の様子をフィルムで見たりもした。

それは鉄でできた大型の船で舳先に大きな綱付きの銛を打ち込む機械がついていた。

本作品は1851年に刊行された。日本でいえば江戸時代末期になる。その時代に世界の海を航海し捕鯨をしていたという事実にまず驚いた。

この時代の捕鯨船はもちろん木造の帆船(母船)で、実際に捕鯨する船は短艇と呼ばれる小さな船で動力は櫂(かい、ようするに手漕ぎ)なのである。

そして、銛手と呼ばれる漁師が鯨に銛を打ち込む。

この時代の捕鯨は殺るか、殺られるかの命がけだったのである。航海に出れば3年や4年は帰ってこない。

 

 

本書はエイハブ船長が過去の捕鯨時に、モビーディックと呼ばれる白鯨に片足を食いちぎられ、その復讐にいどむべく、乗組員を巻き込んでモビーディックを捜しながら航海していくというストーリーに、鯨学、捕鯨学などのノンフィクションを織り込んでいる。

 

作者自身が捕鯨船に何年か乗り込んだ体験から捕鯨や捕鯨船、鯨に関する記述がかなり詳細に書かれている。

 

 

結局私は一週間の本書との格闘の末、砕け散った。

 

やはり、ノンフィクションの部分が専門的できつかった(かなり読み飛ばした)。

本書は他にも違う訳で何冊か出ているので読みやすい物があるかもしれない。

ある意味、孤島に持っていくには良い1冊かもしれない。

ただ、今のこのスピード時代にこれだけの大作を読むのはなかなか根気がいる事だと思う。

私も引退後に南の島でも行ってゆっくりと読んでみたい。

 

 

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