70冊目 失踪者/フランツ・カフカ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「失踪者」フランツ・カフカ著・・・★★★

『審判』『城』とともに「孤独の三部作」と呼ばれる連作の第一巻。従来『アメリカ』という表題で知られていた作品だが、本コレクションでは、カフカ自身の命名によるタイトルに戻されている。主人公カール・ロスマン青年がアメリカ社会を遍歴したあげく、大陸の一点で失踪する。

 

 

本書は先日読んだ「審判」のような幻想的な展開ではないが、やはりカフカ的に掴み所は無い。現実的で日記風なストーリーだ。前半に出てきた登場人物に関わる話は途中で終わってしまうし、落ちも無い。最近のお笑いで落ちが無い面白さ、というのもあるがそんな感じである。「審判」の寸評でも書いたが、この先どういう展開になっていくんだろう?、という答えを探す渇望感はこの作品でも感じる。が、ちょっと私にはこの作品の良さは分からない。

 

 

 

 

 

失踪者 (カフカ小説全集)/カフカ
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