腐り果てた日本のジャーリズムの醜い姿 ガセネタを使って一心不乱金儲けに邁進  | 朝鮮問題深掘りすると?

朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

案じていたように、金正日国防委員長の逝去と関連して、日本のマスメディアがその腐った本性を露骨に現しています。TV局はどこも倒産寸前なので、なりふりなどかまってはいられないと言うことでしょうか。TVと運命共同体にある新聞も、必死で脇目もせずに金儲けに一心不乱です。そうしたマスメディアの姿を良く見せてくれる報道をご紹介します。


毎日新聞(ネット版。23日)は次のように報道しています。
朝鮮労働党指導部に近い関係者は23日、毎日新聞に対し「17日午前1時に平壌郊外の別荘で発見された」と証言した。関係者は「将軍様(金総書記)は別荘で水を1杯飲んだ後、寝室で横になってそのままお亡くなりになった」と明らかにした。日韓などの情報当局者も「列車内ではなく、死亡時刻も公表されたものより早い」との見方で一致しており、北朝鮮当局が発表した「17日午前8時半」「列車内で死亡」を否定する情報が流出している。(yahooニューストップ記事)テレビ朝日も似たような報道をしていました。


この奇々怪々なニュースをそのまま捨てようと思いましたが、ヤフーのトップ記事になっていましたので読んだ方も多いだろうし、記事の内容自体がねつ造されたものであると思われるので良い事例になると思われ扱うことにしました。


ここでいっている「朝鮮労働党指導部に近い関係者」とは誰のことなんでしょう。そこで例のごとく韓国の主要紙(ネット版ですが)やプレシアンなどのネット新聞をいちいち調べたのですが、出所が明らかになりました。出処は韓国の右翼反北政党の自由先進党(過去の大統領候補イ・フェチャンが率いる泡沫政党です。)やとても高級情報を入手できるとは思えない、いわばごろつき議員らのくだらない反吐が出そうな発言を真に受けたものでした。自由先進党の議員とはパク・ソンヨンです。彼女はこう言っています。


「金委員長は夜行性で明け方の2~4時にベッドにはいるので、その時間に列車に乗るわけがない」「朝八~九時に起きすぐにマッサージを受けなくては日常生活が出来ない。そのような人が午前に列車で息を引き取ったというのは一〇〇%虚構だ」


毎日新聞が引用した情報も似たようなところから出たものでした。糞味噌の類いの情報です。
いや情報と言ってはあまりにも低級すぎるでしょう。もはやでっち上げに近いただの思い込みを口走っているだけです。ハンナラ党のキム・ドンソン議員は「金委員長は16日よる八時に平壌の官邸でなくなった」と時間まで決めつけています。9月14日に韓国全土を襲った停電を「サイバーテロ」だと言い笑いものとなった未来希望連帯(旧親朴派)のソン・ヨンソン議員(彼女は9月14日のブログで写真を載せ管理人が『年老いたオオカミ少女』と名付けた女性です)も,同じようなことを言っています。彼らはアメリカや韓国の諜報機関よりも数段優れた諜報機関を持っていると自負したいようです。


しかし残念ながらこれらの情報は脱北者や「中国側の情報員」から得た情報だと言っています。こうなるといよいよ話が怪しくなってきます。どうせこうした発言は韓国ネチズンらの嘲笑の対象になることでしょう。


なぜなら韓国の中央日報(ネット版24日01:10)によると韓国政府は「朝中の国境地帯から伝えられる風聞は確認が難しい。忙しい外交安保長官らを呼びつけ消耗的な追及をするのは問題だ」と、こうしたルーマーを軽く一蹴しています。また統一部のユ長官は「北側の発表を覆すだけの証拠はない」とはっきりと断言しているからです。


つまり毎日新聞の記事は、思い込みのでっち上げ話を「朝鮮労働党指導部に近い関係者」という正体不明の誰か(実在するのかどうかも判りません)を出して「情報」に信憑性を持たせた上で、糞味噌の区別も付かない、韓国国会で発言した反朝鮮勢力の確信犯らの発言を使ってでっち上げたものだという疑いを持たないわけにはいきません。


仮にそうした意図がなかったとしても朝鮮に敵意を抱くものか,これを金儲けのチャンスと見た不純な輩らが意図的に流したルーマーを真に受けて確認もせずにそのまま流した、じつに記者としての対面もメンツも捨てた三文分子のでっち上げたデマ記事だったというわけです。


こうした日本の報道はそのまま「某新聞(あるいは某TV報道)によれば」と韓国紙にフィードバックされ、こうして日韓のマスコミの間でキャッチボールが行われる間にそれ自身が情報の「根拠」と化して行くのでしょう。これまでも何度もあった事柄です(すでに朝鮮日報日本語版がそうした報道をしています。またTV朝日はその材料を提供しています。)。


それはまさに一七年前の金主席逝去の時を彷彿とさせます。つまり日本のジャーナリズムはまったく変わっていないと言うことです。そして国民はこうした腐ったジャーナリストらの腐った文書で頭を腐らしていくのでしょう。気がついたときにはまさに国全体が廃人のように朽ち果てているのではないでしょうか。